第168話 俺ニート、残酷さを知る
主役はまさかのニート!?堕落した生活を送るニートに、ゲームに勝利し続けるとお金を稼ぐことができるという、神のゲームに参加!そのチャンスをものにするために、早速リバーサル社にて契約を交わした!
俺以外の家族を失った過去があっても!俺はめげずに生きていく!
「あのときのアリスさんが……俺を殺せたとは思わないけどな」
「あーそれかい?……ばれちまったか……あのアリスには殺すことはできない。だが別の職員が殺すことはできた。実際あのとき、いつもの報告の時に、おんぶの件は話してたからな」
(…………)
「ああそういえばアリスから聞いたよ。お金を持っていない人に色々尽くしてあげたって?」
(…………)
「あれちょっとびっくりしたぞ。本来クローンだから、お金なんて持ってるわけないのだが……まさかそんな相手に尽くしてくれる男がいたなんてな」
(…………)
この言い方から察するに、趣味の記憶がないっていうのもクローンだからっていうのだろう。
……ん?待てよ?クローンっていうことは……もしかして……?
「さーてそろそろ、話したいことは話し終えたな!そろそろ処刑のお時間」
「待ってくれ、まだ1つ聞きたいことがある」
「なにかね?それを聞いてもいいけど、死は覆らないぜ?」
「クローンがいるってことは『オリジナル』個体もいるってことだよな?それに会わせてくれ」
「ほほう……なかなかいいところに気が付くねぇ……さすがジョナサンというニックネームを持つ人と一緒に暮らしてただけはある」
(…………)
「オリジナル個体は既に死んでいるよ。だから無理」
「なぜ……!」
「クローンになる過程で、オリジナルのパーツが色々必要だからねぇ……生き続けるのは不可能だ」
(…………)
つまりリバーサル社の職員は……身を犠牲にして職員になることを選んだんだよな?
なぜだ?どうしてそこまでしてここで働く決断をしたのだろう?
「さてそろそろ本当に時間切れだ。これ以上の質問は受け付けぬ」
(…………)
「……俺はどうあっても殺すつもりなのか?」
「ああそうさ、その事実はもう覆らないと言ったろ?」
「……それなら……」
(逃げるまでさ!)
俺は全速力で引き返した。
なんとか逃げ切って生きてやるぜ!
「はい残念♪」
「……なに!?」
デバードは俺を拘束した。
「悪いが死んでもらぜ!」
(……!)
次の瞬間!俺の腕に注射器を刺される。
何らかの薬剤が……俺の体内に入っていく。
「これは安楽剤……つまり……命を止める一撃必殺の道具さ。早い話が強制生命略奪権さ」
「……くっ」
「残念だけど、この薬が体内に入った人間で、助かった者は誰一人としていない。つまりゲームオーバーさ。人生だから当然コンテニューなんてものは存在しない。即終わりさ」
(…………)
徐々に薄れていく意識。もはや抵抗する姿勢を続けるのも難しくなってくる。
……どうやら俺は甘く見ていたようだ。この現実を。
ニートが何かをなせる力なんてあるわけがない。
所詮ニートはニート、賢いやつに勝てるなんて漫画だけの世界だったんだ!
(…………)
皆……俺……頑張ったよな?
もうそっちの世界に行ってもいいよな?
(…………)
お……れ……は……
こうして……俺のニート人生は……幕を閉じたのであった。
ニートは無力……抗える力はない…… という悲しい事実ですね……
まあここでニートが覚醒して敵倒したら、それは現実のニートと大きく変わってしまいますが……




