第154話 闇落ちした子供の復讐(S!)
今回はサイドエピソードです。
「なんであんたはいっつも100点取れないの!」
「ごっごめん……」
「今回のテスト、前より2点も落ちてるじゃない!いっつも風呂の後にゲームなんてしてるから!」
(…………)
「次のテストで90点以上取れなかったら、スマホ解約するから」
私は中学1年生の普通の女。
成績は決して悪くないのに、毒母のせいでいつも怒られていて辛い……
今回のテストだって、85点も取れたのに……
自慢できることではないのはわかってる。
でも……それでも毎回毒母に怒られるのは嫌だった。
少し前まではお父さんがいたけど、
毒母のひどさに呆れて離婚してしまった。
最初はお父さんが私を連れていくといったんだけど、
毒母が私の腕を掴み、ナイフをちらつかせた行動をして怒鳴り、
お父さんがは私を連れていくことに失敗したみたい。
テスト以外でも、門限があったりして、
1分でも遅れたらビンタされたり、
毒母の機嫌が悪いと、私にあたってきたりする。
他にもいろいろあるけど、できれば思い出したくない。
私の一番安心できる場所は学校。
一番安心できないのは家の中。
もう私は限界……毎日毎日こんな生活耐えられない!
誰か助けて……助けてよ……
私は泣きそうになりながら、SNSで調べてみた。
すると……
(……アンチ……ペアレンツ?)
聞いたことないものがあった。
どうやらこれは、コミュニティ名らしい。
私は早速入ってみた。
「やあやあいらっしゃい!ようこそアンチペアレンツへ!」
「よっ……よろしくお願いします」
「ここに来たということは……家族からひどい虐待を受けたりしたんだね?」
「……はい」
ここはメンバーが約500人もいた。
結構規模の大きいコミュニティだった。
「今から会えない?」
「……え!」
いきなり私と会おうとしている。
もしや誘拐するつもりなんじゃ!
……だけど……いっそ誘拐された方がいいのかもしれない。
あの毒母と一緒に暮らすぐらいなら……
「何県に住んでいるの?」
「東京……です」
「OK、じゃあ私同じく東京だから、今から会いに行くね!あなたの住んでいるところで一番近いところってある?」
「それは……」
私は待ち合わせ場所を指定した。
そして相手はOKしたので、そこに向かうことにした。
待つこと30分後……
「ごめんね!遅くなっちゃって!」
「いえ……大丈夫です」
相手は20代ぐらいの女性だった。
この人ももしかして……昔は虐待されていたのかな?
「とりあえずアイスコーヒー頼も♪」
それにしても初対面の女性がいるっていうのに、
呑気にカフェにいけるなんて……結構すごい人だなぁ……
「それじゃあ本題に入るけど、あなたの親はどんな虐待をしてきたの?」
私はこれまでされた仕打ちを全て話した。
「そっかぁ。それは辛かったね……」
(…………)
「じゃあさ、もうその母とは永久にお別れしたい。ってことだよね?」
「……可能なら……そうしたいですね」
「じゃあ今からハローニートに行こうよ!」
「えっ?いや……私学生なんですけど……」
「ハローニートはね!『未成年者でも特例で契約できるシステム』があるの!」
「どういうことですか?」
「両親がどちらも亡くなった場合、虐待されている場合、そして捨てられた場合のみ、学生でもハローニートと契約できるの!」
「あの……どういうところかわからないんですけど、私はそこでどうしたらいいんですか?」
「それを話す前に1つ聞きたいんだけど……もし仮にさ、母と2度と会えなくなったとき、行く宛はあるの?」
「私には……お父さんがいるので……」
「そうなんだ!じゃあ今から電話してきなよ。待ってるからさ」
「……え?」
「お父さんと一緒に暮らしたい。そう伝えたら喜んでくれるんじゃない?」
「でも母が……」
「母は何も気にしなくていいよ。安心して電話しちゃって」
(…………)
一体どういうことだろう?
よくわからないけど、とりあえず電話してみることにした。
お父さんは仕事中だったけど、私が相手だったからか、
話を最後まで聞いてくれた。
10分ぐらい電話をして……電話を切った。
「どうだった?電話」
「お父さん、新しい家に一緒に住んでもいいって言ってました!」
「それは良かったじゃん!」
「ただ……うまいこと母の目に触れないように気を付けてくれって……」
「なるほどね。じゃああとは母だけだね。問題」
(…………)
「じゃあアイスコーヒー飲んだら、ハローニートに行こうか。ここからだと電車で20分ぐらいだからすぐいけるね!」
ハローニート……本当に大丈夫なのか心配。
でも……ここにいくことで私の生活が変わるのなら……!
そして数十分後……ハローニートについた。
「それじゃああとは担当者が頑張ってくれると思うから。私はこれで失礼するね。頑張ってね!」
「……あっ、一緒に来てくれるわけじゃないんですか?」
「あとは担当者に任せておけば大丈夫だよ!」
(…………)
相手の女性は去っていった。
本当に大丈夫かな?
緊張しつつも……私はインターホンを押した。
すると男の人が出てきた。
「こんばんは、今回の担当を務めさせていただきます。ペリーと申します。よろしくお願いいたします」
「よっ……よろしくお願いします」
「それでは、まずは中へお入りください」
私はハローニートの中にある部屋へ案内された。
「どうぞお座りください」
「……失礼します」
「えーと……見たところ未成年者のように見受けられるのですが……」
「はい」
「失礼を承知でお聞きしますが、家庭環境に何らかの問題が生じているということでお間違いないでyそうか?」
「……そうですね」
いきなり家庭環境を聞いてくるなんて……
やっぱりさっきの女性の言ってたこと本当なのかな?
「かしこまりました。それでは未成年者向けの提供サービスについてご説明致しますね」
(…………)
「確認ですが、今あなたは殺したいほど憎んでいる人がいらっしゃるということでよろしいですか?」
「……はい」
「かしこまりました。では改めてプランをご説明します。今回提供するプランは、一回だけバトルに参加するというものです。そしてその一回で戦いにわざと負けてもらいます」
「……なるほど」
「そうして頂けましたら、あなたの殺したいほど憎んでいる相手を、代わりに殺します」
「……ええ!それって、警察のお世話になったりとかは……」
「ご安心ください。なぜなら私たちは『警察公認』ですので、心配いらないです」
(…………)
警察公認……結構親会社がしっかりしているのかな?
それとも……『親会社が警察署』だったりするのかな?
「あとは1日だけではございますが、仮設住宅にて過ごしてもらいます。期間は明日の正午までです。これは殺害が完了するまでの間、虐待などを受けないように、安全な場所へ避難するという形ですね」
「なるほど……」
なにそれ!最高じゃない!
最期の瞬間までもう2度と会わなくていいなんて!これ以上すごいことなんてないわ!
「続いて費用なのですが、これはまあ、後払いで構いませんので……ただ未払いから1年が経過してしまうと、契約違反としてあなたに強制生命略奪権を使用せざるを得なくなります」
「強制生命略奪権……ですか」
「簡単に言うとあなたも死んでしまうということです。なので気を付けてください」
「ちなみに……費用はおいくらですか?」
「大体1万円です。衣食住もご提供いたしますので……」
(…………)
料金は……お父さんに頼れば大丈夫かな……
「わかりました。それ契約させてください!」
「ありがとうございます。それではあなたの学生証を見せてください」
私は持っていた学生証を見せた。
というより生徒手帳……の方だけど
「ご確認できました。それではこの契約書にサインをお願いします」
私はサインを書いた。
「ありがとうございます。これで契約は完了いたしました。今から仮説住宅へご案内致しますね」
ほっ……本当に契約できてしまった……
そして車を走らせること数分後……
「こちらが仮設住宅になります。ここで明日の正午までお過ごしください。夕食と朝食はご提供致します。着替えなどについては部屋にある物をお使いください。入浴についてもご用意しております」
「わかりました」
私はこの家で1日の間だけお世話になることにした。
待っていたら本当に入浴も食事もできた。
見ず知らずの私にここまでしてくれるなんて……結構優しい会社……
それから私はずっとそこでスマホをしながら、時間をつぶしていたら、
22時になった。
「それじゃあ今から行きましょうか」
「えっ……?」
私が何かしゃべろうとした瞬間!勢いよくどこかへ飛ばされた。
ここは漫画とかによくある異空間……?
って!ペリーさんがいない!
どうして……私1人でどうすればいいの?
そして前には男がいる。相手は銃を持っている!
もしかして……私殺されちゃうの……?
「大変長らくお待たせいたしました。それではご説明します」
「あっ……はい」
「今からあなたは何もせずそこで立っていてください。それだけで全て終わります」
「えっ!私殺されるってことですか?」
「いえご心配なく、私の指示通りにして頂ければ全て終わりますので」
'(…………)
とりあえず言われた通り、何もせずそのまま立ってることにした。
すると前にいた男が私めがけて発砲してきた!
もちろんそのまま私の体に当たった。
(……あれ?)
銃弾が当たったのに、私の体からは血が出ていないし、
特に痛みも感じない。
不思議に思っていると、そのまま元の場所へ帰ってきた。
「お疲れさまでした。これであとは私にお任せください。私は一旦外へ出ますが、このまま家でお過ごしください」
「わかりました」
よくわからないままだけど、
とりあえずもう寝ることにした。
そして翌日……
用意された朝食をとっていたら……ペリーさんはこういった。
「……依頼は全て完了しました。あなたのお母さんはもう既にこの世にはいらっしゃらないでしょう」
「……本当に……終わったのですか?」
「はい。でも確かに実感はわかないかもしれません。それに『お葬式は行われません』ので、後から確認することも難しいです」
「それって……もしかしてまだ生きているということでは……」
「ご心配でしたら、一緒に見に行きますか?遺体を」
「……はい」
「それでは本日の正午になりましたら、元のご自宅に戻ってみましょうか」
(…………)
もし生きていたとしても……ペリーさんがいれば大丈夫だよね?
そして正午、私は元の自宅へ戻った。
すると……本当に死んでいた。
あの憎き母親が。
「どうです?しっかりとお亡くなりになっているでしょう?」
「あっ……ありがとうございます!」
私は救われた。地獄の日々から救われた。
本当に……嬉しかった!
「それでは、私の役割はこれで終わりとなります。こちらが支払いについてまとめたものとなります。しっかりとお支払いください」
「わかりました!」
こうして私の復讐劇は終わった。
その後お父さんが迎えに来てくれて、私は新しい家に住むことになった。
ちなみにあの遺体については、なぜか父は何も驚かなかった。
どうやらペリーさんが既に話してくれたらしい。
とにかくこれで……私は新たな幸せな人生を歩みだすことになったのであった。
リバーサル社は完全な悪ではなかった。さて、じゃあ最後のオチはどうなるんでしょうね?
あと地獄〇女みたいに、実行した本人も罰を受けるということはなく、ちゃんとグッドエンドにしましたよ。




