第151話 真面目な社会人の本音(S!)
※今回はサイドエピソードです。
一応説明しますが、今回は途中から語り手が入れ替わります。
「やあ!お疲れさん」
「あっ先輩!お疲れ様です」
「今日も一緒にご飯食べないかい?」
「はい!喜んで!」
俺は普通に仕事している社会人!今年社会人になったばかりだ!
そして相手の人は俺の先輩だ!
とっても頼りになる理想の先輩だろう。
「それじゃあ食べようか」
俺たちはいつも隣で一緒に妻の愛妻弁当を食べている。
「それにしても、今日はどうしても話してみたいことがあったんだ。君の意見を聞きたくてね」
「えっ!俺にですか?どんな話ですか?」
「俺たちは……いや大抵の人は真面目に仕事をしているじゃん?」
「はい!それはそうですね」
「でもさ今、ネットでひそかに人気になっているものがあるんだよね」
「それは……一体なんですか?」
「……『ハローニート』と、その親会社である『リバーサル社』だよ」
「……!先輩もそれ知っているんですか?」
俺はこの前なんとなくネットで調べ物をしていたら、偶然見つけたものなんだよな。
まさか先輩も知っていたとは……
やはり……広告の力は侮れないな。
「ああ、この前インフルエンサーがリバーサル社のことを紹介していてね。とにかく紹介された内容がすごかったんだ」
「そうなんですか?ちなみにどんな内容だったんですか?」
「なんでも1日1回戦うだけで、最低賃金分のお金を得ることができる!さらに送迎などのサービスも完備なんだって!すごいと思わない?」
「……!ええっ!?いかにもうさんくさいような……」
「……良かった」
「……?何がですか?」
「騙されるような人じゃなくて安心したよ。俺も当然!こんなの胡散臭いに決まってる!こんな超極楽の天国なうまい話があるわけがない!」
「はい!俺も仮に会社をクビになったとしても、利用することはないと思います(笑)」
「だな。男は黙って再就職や転職さ!」
先輩は面白いことも言ってくれるから好きなんだよなぁ~
まさか今日はハローニートのことを話題に出してくれるなんて思わなかったよ。
……その後午後の仕事も頑張って、俺たちは退勤した。
(……はぁ)
俺は今年入ったばかりの新入社員を育てている先輩にあたる人だ。
あいつ……いや皆は能天気でいいよな。
目の前の仕事にさえ一生懸命になればいいのだから。
俺は実は……ハローニートと契約している。
はぁ?お前ニートじゃないのになんで契約できたんだ!って思うかもしれないだろう。
俺は元々働くつもりはなかったんだ。
ハローニートから得た収入で、家で自堕落な生活を送ろうとしてた。
……だが、そうも言ってられなくなったんだ。
最悪のくそ制度のせいで。
それがプロフェッショナルブーストシステムだ。
こいつのせいで、何も働いていないニートは過去に働いていたニートに駆逐されてしまう。
これは差別だ。格差社会なんだ。
プロフェッショナルブーストシステムは中にはチート過ぎる能力もある。
こんなのに勝てっこない!
戦争で例えるなら、兵士で戦っている俺たちに対して、相手の国が核兵器を撃って、兵士皆死んでしまうぐらいの理不尽さ。
こんなくそみたいな制度を放置しているなんて、何を考えているんだ!
仮にもゲーム感覚でこういうのをやるなら、しっかりとバグやバランス崩壊を直すべきだ!
……でもある日……俺は知ってしまったんだ。
ある救いようのない残酷な真実を……
そうプロフェッショナルブーストシステムに対抗する手段はあったのだ。
だがそれは……『自らが働きだすこと』
そう……働かないためにハローニートと契約したのに、今じゃハローニートのいつ死ぬかわからない地獄から逃れるために、自分が強くなるために働くという状況に追い込まれるのだ
こんなのひどいよ……あんまりだよ……
こんなのハローワークとやり方が違えど同じじゃねぇーかよ!
絶対に働かせないといけない状況に追い込んで……それで働かせるなんてくその極みだ!
しかも働いたところで、ハローニートとおさらばできるわけじゃない。
そう……『一度契約したものは二度と解除することはできない』というくそな規約のせいで。
しかも契約時にその説明をされた。その上で俺は契約をしたから、
どうすることもできない。
せいぜい嬉しいことは、ハローニートからの報酬と、仕事の給料が両取りできることぐらいだ。
契約前に働いていたら両取りできないが、契約後ならできるようだ。
だが……金で命は買えない。
いや身代わりを買おうとしても認めてはくれないだろう。
世の中金というが……これだけは免れないのである。
そんな辛いことを隠しながら、明日も俺は仕事にいくのであった。
だがその前に……一戦やっておかないとな。
この二重生活も……もう5年か……
「今日も一緒にご飯食べないかい?」
「はい!喜んで!」
ギリギリダンス!ギリギリダンス!(は?)




