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第133話 高サービスと自由への対価(S!)

今回はサイドエピソードです。

私は三上恵、毎日家事をしている。

つい最近淳一と夫がいなくなってしまって、さらに俊介までおかしくなってしまったけど、

私が落ち込んでいたらおしまいだと思って、表面上だけでも頑張っている。

つい最近生活保護を受給した。そして私もパートを入れた。


最近ひかりちゃんに対して、少し言い過ぎたかなと反省はしているけど……

でもこれが事実なんだよね……

私だってきっと、逆の立場だったら悲しむもの。


そんな中、急に私のスマホに1通の電話がかかってきた。

知らない番号……私は深呼吸をした後、その電話にでることにした。


「もしもし」


「こんにちは!『株式会社リバーサル』です。三上恵様でお間違いないでしょうか?」


(……!)


どういうこと……?なぜ私の名前を知っているの?

それにどうして私の電話番号がわかったの?


怖くなりつつも、私は返事をした。


「いきなりで申し訳ございませんが、ご都合の良い日時を教えてもらえませんか?」


「あの……何かあったのですか?」


「三上恵様の息子さんが、当社に訪問してくださったので、それに関するお話がございます」


(…………)


俊介が?一体どうしてだろう?なんだか色々わからなくなってきた。

だが俊介がなにかしたというのであれば、今すぐなんとかしないといけない気がした。


「今でも大丈夫ですし……明日以降も午後からでしたら……」


「かしこまりました。それでは今来て頂いてもよろしいでしょうか?」


「はい」


「それでは今お車でそちらに向かいますね。そのまましばらくお待ちください」


「わかりました」


俊介……まさかよその場所でトラブル起こしたりしてないよね?

今の俊介なら……ショックのでかさのあまり何をするのかわからない。

例え母親であっても、こういうイレギュラーな事態は想定できない……


それから15分して……一台の車が家の前で停まった。

ドアを開けてみると、そこには見知らぬ女性がいた。


「こんにちは!私はアリスといいます。三上恵様でお間違いないでしょうか?」


「はい」


「それではどうぞ。こちらに乗ってください」


こうして私は車に乗せてもらった。

どうやらハローニート?っていう場所に連れてかれるらしい。


そして到着して、私は中に入った。


「それでは、早速本題に入ってもよろしいでしょうか?」


「はい」


「わかりました。三上恵様の息子さんがですね、先日ハローニートに訪れまして、こちらで契約をしようか迷っている様子です」


(…………)


「あの……ここはどんなサービスを提供しているのですか?」


「簡単に言うと、毎晩行われるバトルゲームに参加していただく感じです。勝者には報酬として最低賃金が支払われる感じですね」


(…………)


もしかして私に気を遣ってくれたのかな?

なるほど……俊介なりに色々考えていたんだね。

……だけど、こんな危ないところで契約するのは良くない……

やっぱり私ももっと仕事増やさないとだめかも…… 生活保護ではものたりない……ってことなのね……


「その契約なんですけど、うちの子はしないです。軽い気持ちでうちの子が来てしまったんだと思いますので……お騒がせしてしまってすみません」


「…………」


「なのでこれで、お話は以上ということで……」


「ダメです」


(……?)


「本当に申し訳ないですが、あなたには人質になってもらいます」


「……!?人質ですって!?」


「一件でも契約してくれるお客様を増やすためです。よってあなたを拘束させてもらいます」


「そんな!息子は……どうなるんですか!」


「ご安心ください!息子さんは私たちが全力でお世話をします。契約してくだされば……の話ですが」


「……だからといって!私を拘束する理由は何ですか!」


「それは当社にとって不都合なことが起きてしまうからです。親と子供を完全に引き離しておかないと、いつどんなトラブルが起こるかわかりませんからね」


「返して……私の淳一を返して!」


なんで不幸って続くんだろう……

夫、そして本当の淳一に続いて、俊介まで失うことになるなんて!

それだけは……!絶対に嫌だ!


「そんなに感情を露わにしないでください。大丈夫です。ゲームに負けたり暴れたりしなければ、息子さんは例え病気になったとしても、しっかりとケアをしますので」


(…………)


「ただ……三上恵様には気を付けなければならないことがあります」


(……?)


「あなたの息子さんが、いきなり三上恵様を殺害することがあるかもしれません」


「……そんな!どうしてですか?」


「そういう契約になっているからです」


(…………)


「ようやく落ち着いて頂けました?まあ暴れたとしたら、例えお客様じゃなくても『強制生命略奪権』を使わなければならなくなってしまうので安心しました!」


(…………)


この人は……常識がないの?

まるで犯罪者グループ。反社のようだわ……


私が俊介に殺される……?どうして?全く話が見えてこない。

そもそもどうして拘束なんてする必要があるの?


それについて聞いても、恐らくはぐらかされるかもしれない。

この人は話が通じない人なんだ。


「とりあえずなんですけど、今後は全て私たちの指示に従って行動してもらいます。衣食住は提供しますが、もし歯向かったり暴れたりしたら、強制生命略奪権で、あなたの命は保証できません」


(…………)


「では最初に、こちらに手紙を書いてもらいます」


「手紙……?ですか?」


「あなたの息子さんが契約を確実にしてもらうため、鬼として家を追い出すという内容を書いてもらいたいのです」


「そんな!あの家は……私の持ち家で!」


「大丈夫。本当に奪ったりはしませんよ。契約さえしてくれれば……」


(…………)


「とにかく確実に契約して頂けるように、心を鬼にして手紙を書いてください」


(…………)


私は胸が苦しくなりつつ、そしてお腹も痛くなりつつも、

指示通り、手紙を書いた。

私は本当にひどい親だった。

本来は私が寄り添ってあげないといけない立場なのに……どうして……


「はい、ありがとうございます。この手紙はあとで責任を持って、リバーサル社がお届けします」


(…………)


「それじゃあ次は身体検査を行ってもらいます」


「身体検査……ですか」


「といっても行う項目は1つだけです。あなたが『嘘をついていないか』を確認するだけです」


よくわからないけど、従うしかない。

私は嘘発見器にかけられ、色々な質問をされた。

私は正直に全て答えた。すると問題なく検査は終わった。


「それじゃあそろそろ案内しますね」


「待ってください!せめて今淳一に電話させて!」


「ダメです。今も今後もメールやLIMEや電話を一切しないでください」


(……!)


「さすがにスマホをとりあげると余暇時間の問題がありますので没収はしませんが、通話ログなどを確認できるので、もしこっそりしようとしても無駄です」


(…………)


なんて鬼なの……ここには血も涙もないのか?


……もう、何も言い返せる気力もなかった。

私はどっと疲れてしまった。


「それじゃあこれから暮らしていく住処を案内しますね」


(…………)


こうして……私は俊介と離れた生活を送ることになった。

なんとしてでも……会いに行きたい……

絶望が絶望を呼ぶ、好意や善意が悲劇を生む。それがこの小説です。

後念のため言っておきますが、俊介は淳一だと思い込んでいるため、母親はあえて俊介のことを淳一と言っています。ただし心の中ではちゃんと俊介だと思っています。

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