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6話~月日は流れ、弥生陽向は変わった。~

ゴールデンウィーク。


それは、もうゴールデンなんかじゃ表しきれない。金じゃなくて神だ。


だから、ゴッドウィークだ。


家族は旅行に行くし、学校も休みだし、家には俺、1人だけ!


期待を胸に、2階の俺の部屋から階段をおりて、リビングへ続く廊下を歩いていると、


なにやら騒がしい。


「ねえ陽向(ひなた)さん!夢叶(ゆめか)と遊ぼう!」


「お、おう。別にいいが。......木陰(こかげ)、助けて。」


「陽向、頑張れ!」


「木陰!?」


リビングを見ると女子3人がキャッキャキャッキャしてる。


なんだこれ。なんで我が家にこんなに女子がいるんだ?


例年は家族みんな旅行に行き、俺は1人なのだが、


今年は違うらしい。


どうやら部屋にいるのは、妹と、幼稚園の頃の幼馴染みの弥生(やよい)陽向と、その姉、弥生木陰のようだ。


正直、弥生陽向だけには会いたくなかった。


「あ!お兄ちゃんだ!」


夢叶の声に近くにいた女子2人がこちらを見る。


木陰さんは俺に手を振ってくる。


「こんにちわ~咲良くん久し振りだね!」


「あ、えっと、どうも。」


やーもう相変わらずこの人は気さくだな。


ちょっと絡みにくいんだよな。


弥生はどうしたかというと、俺と1度だけ目が合っただけで、その後は1度も目は合わなかった。


「おはよう!お兄ちゃん!」


「おう、おはよう。じゃーねんだよ。なんで陽向と木陰さんがいるんだよ。」


俺が聞くと。冷たい態度をとられたのが気に召さなかったのか、むぅっと頬を膨らませた。


ちょっとぉ?当たり前の事聞いただけですよ?


誰だってこうなるでしょ。


かなり異様な景色ですよ?女子3人が戯れてるんですよ?


......もうこれは「夢・シチュエーション」だろ。


バンダイかって。


違う違う。なにも知らされずに起きたら幼馴染み達がいるのはびっくりするってことだよ。


なんでだよ、なんでだよ。としつこく問うていると夢叶がようやく口を開いた。


「あーもう説明するの面倒くさいんだよ。ゴールデンウィーク中に、夢叶達の両親と、陽向さん達の両親が私達をおいて旅行にいってるから私達はお留守番ってことで、どうせならお泊まり会するかって話になったの。」


いや、そんな面倒くさい事じゃないだろ。


そんなに俺と話すことが嫌なのかよ。


......お兄ちゃん悲しいよ。


まあ、俺もさっきなんて冷たい態度とってしまったんでおあいこで。


あれ?俺っていつも素っ気ないんじゃなかったっけか?


もう、知らね。


「なるほどな。で、朝っぱらから弥生姉妹がいるってことか。」


「え?朝っぱら?今何時だと思ってるの?」


驚かれたのでスマホで時間を確認する。


13:06と表示されている。


「えっ!?」


思わず声が漏れた。


「お兄ちゃん、寝坊だよ。」


夢叶に冷酷に告げられた。


もっと感情込めてくれませんかね?


怒りでもいいからぁ!


無表情が一番こわいんだよぉ!


悲しくなってるのがばれないように、頭の回転の早さを活かした返答をして見せる。


「じゃ、じゃあ朝っぱらからじゃないって事だな。」


どや顔と、夢叶がはっ!と思い出したかのような表情をした。


「まあでも、陽向さんと木陰さんが来てたのは昨日の夜からだから朝にもいたってことなんだけどね!」


「そういうことなのかよ!」


くそっ!穴があったか!


なんか急に機嫌が良くなった。


こいつ、喜怒哀楽の切り換え大変だな。()()()()に。


妹の可愛い自慢はさておき、


弥生姉妹に目を向ける。


「ってことは、ゴールデンウィークの間は2人がいるってことですよね。」


俺は木陰さんひ言ったつもりだったのだが、なぜか弥生が反応する。(木陰さん=姉、弥生=陽向である。)


「なんか、文句あんの。」


弥生は俺を(にら)んでくる。


うぅ......恐いです。


弥生は口調が男っぽいのだが、容姿はかなり女子っぽい。


肩まで伸びているショートヘアー。ゆったりとした上着に、ショートパンツ。


服装を見るにかなり女子力は高い。


声も透き通った高音でいわゆるカワボだ。


そして、透けるような白い肌。


小柄な体型。


口調だけが男っぽいってことだ。


彼女は彼女の姉と違い、かなり雰囲気が変わっている。


 余りにも俺が黙っているものなので、流石に申し訳なくなったのだろうか。弥生はアワアワしていた。


「あっ、えっと、なんか悪い。」


別に気にしてない。実際びびって黙ってた訳じゃない。


「おう、気にすんな。」


俺が言うと、急に静まり返った。


さっきのうるさいのよりは良いので、その静寂保たせつつ、食パンを1枚とって自室に戻った。


俺がリビングを出たとたん、さっきの静寂が嘘だったかのように騒ぎ始める。


これが大正解だ。


俺がいることによってあの3人の空気は重くなる。


そして、彼女らは俺がいなくなることを求む。


対して、重い空気から抜け出すために、俺は1人でいることを求む。


俺が1人になることでお互いの望みを叶えることができるし、彼女らに迷惑をかけずにすむ。


一石二鳥だ。


こうして俺は今まで理想を求めてきた。


......だが、これは今まの話だ。


俺は理想なんて求めない。


俺は俺の生き方をする。


だから、今回はあいつらの為ではない。


俺は弥生陽向と言う人間と対面することが気まずくて仕方がない。


ただ、逃げただけなんだ。


たまたま大正解だっただけで、今みたいな事をすると傷つく奴もいる。


例えば、如月真夏だ。


如月の言っている意味は俺には理解し難いが、


如月は俺と離れる事を明らかに恐れていた。


ある意味、俺が振り回されていたのかもしれない。


そして俺は如月を裏切った。今まで俺がされてきた事を如月にした。


でもそれは如月を守る為だ。


俺が、如月の事を好きにならないようにするためだ。


だから、如月のことはもう俺には関係ない。


今大事なのは、ゴールデンウィークの5日間一緒に過ごすことになる弥生姉妹についてだ。


流石に5日間もリビングに行かずに生活するのはきつい。


俺はぼっちなだけで引きこもりではない。


否、ぼっちでもない。


ぼっちじゃないと願いたい。


......はあ、やっぱぼっちです。


とにかく、弥生との壁を壊すまでは行かなくとも、薄くはしなければいかない。


どっちこっち今後家族がらみで交流することを考えると、


俺と弥生の関係を悪いままにしてはいけないのだ。


問題の解決のためには、問題の原因を探る必要がある。


幼稚園の時俺達に何があったかを思い出す。


___9年前。幼稚園の卒園式の日だった。


俺は当時仲の良かった、弥生陽向と話していた。


「ひなたちゃん。そつえんしてもあおうね!」


「あたりまえだよ!さくやくん!」


俺達は最後の時を仲良く話して過ごしていた。


実はこの時母から10分で戻るように言われていたのだ。


でもまだこの時は6歳。


勿論(もちろん)そんなこと覚えてる訳がなかった。


20分ほど話してしまったので、俺の親が心配したのか、


車道の反対側に俺の親が来ていた。


「咲良ー!もう帰るよー!」


親の姿を見て安心し、俺は親に向かって一目散に走った。


何も確認せずに。


「危ない!」


遅かった。


俺が立ち止まると、左から猛スピードで車が突っ込んできた。


そこからはあまり覚えていない。


記憶がはっきりしているのは、3ヶ月の入院生活が終わってからだ。


弥生の家族全員が俺の家に謝りに来たのだ。


「私の娘がもう少し敏感だったら......本当申し訳ございませんでした......」


あの時のみんなの姿は思い出したくもない。


弥生の母の泣き崩れた姿。


弥生の父の深刻そうな表情。


木陰さんの場の空気に溶け込めず浮いている姿。


そして、弥生の目。


弥生は涙も浮かべる事すらも出来なかったのだろう。


きっと、私が悪いのかわからない。私は何もしていない。


と思っていたのだろう。


正直、今考えれば、この事件は誰も悪くないと思う。


弥生も、俺も。


単なる偶然にすぎない。


それ以降、俺と弥生は出会わなくなった。


俺と、弥生が変わったのは、おそらくそこからだろう。


俺は迷惑をかけることをおそれ、


弥生は罪を被せられるおそれるようになった。


罪を被せられても、皆が納得いくように。


もっと言えば罪を被せる事ができないほどの近寄るなオーラを出すために、


男らしい雰囲気を(かも)し出しているのかもしれない。


そして、なにより一番俺達の中で変わったことは、


お互い、会うのを嫌うようになった事だ。


変わらない事もある。


変わらないと言うかは、忘れていない。の方が正しいだろう。


俺達は、あの日の約束を忘れてはいない。


「また会おうね。」


約束は覚えているのに、果たそうとしない。


だから、俺達は矛盾している。


重なったようで、重ならない。いつまでも交わらない。


それはねじれの位置の関係だ。



§



俺は気晴らしに家の外に出ていた。


もうなんか、考えるのが面倒くさくなった。


俺は理系が苦手だ。


さっき、ねじれの位置とか勝手に数学用語を出していたが、


そういうのはまだいい。


俺が苦手なのは証明問題。


どうも定義に基づいて仮定を出し、結論を出すことが苦手らしい。


数学の証明とか全くわからない。


三角形の相似条件とか知らん。


()()()に条件あるとか、なんだよ。


掃除するとか良いことしてんのに条件付きってなんでだよ。


もうほんとわからん。


一生懸命掃除するそうじくん!


はぁ?どうした?


とにかく、だ。


俺は文を組み立てるのが苦手なのだ。


どうも定義と結論が結び付かない。


ふぅ。冗談を考える余裕ができた。


家に戻るか。


北海道の春は5月から本格的に幕を開ける。


例年、北海道の桜の開花は5月だ。


所々に咲いている桜が春の陽気を感じさせる。


もう、だいたい1ヶ月たつのか。


そう、俺と如月が出会ってだいたい1ヶ月。


あ、そういやー如月と3週間くらい話してないな。


あいつは今、なにしてるのだろう。


適当に番組名出して自分で笑っていたのだが、


ちょっと著作権とか大丈夫かなとか思った。


けど若干違うから大丈夫か。


そもそも、いつもこんなこと考えてるし、


今更考えることでもないか。


自問自答し、俺は1人で納得した。


春の到来を肌に感じ、俺は家に戻った。


俺の部屋に入ると、なぜか木陰さんが俺の部屋を物色してた。


「ちょっと木陰さん!何してるんですか!?」


「お、咲良くん!なんでそんなに慌てるのかな?もしかして、エッチな本でも隠しるのかな?」


いや、隠してない。ってか持ってないし。


今どき本なんて買うかよ。


この時代。おかずはスマホで十分なんだよ。


おっと口が滑った。


ってか、わざと谷間見せてるでしょ。


あなたは胸大きいんだからそんな無防備な訳がないんだ。


そして見せながらエッチな本とか言うな。


あなたこそエッチな事誘ってるのかな?


これ以上言うとどっかから


お兄ちゃん妄想しないで、気持ち悪い。


とか言われそうな気がしたのでやめておく。


「そんな本ないですよ。」


俺が否定すると木陰さんに引っ張られ、木陰さんの(ふところ)に引っ張られた。


嘘だーとか言って俺のほっぺをムニムニしてくる。


え、えっと。胸当たってるんですけど。


なんか下の辺りがもぞもぞしてきたんですけど。


「ちょっ!やめてください!」


俺は逃れようとしているものの、


ずっとこのままでも良いとか思ってるバカな師走がいる。


と、おっぱい地獄から解放された。


バカな師走が少し残念に思っていると、


木陰さんが俺に優しく言ってきた。


「早く、陽向と仲直りするんだよ。」


そう言って微笑むと、木陰さんは部屋から出ていった。


もう、わからない。


なにもかもが。


真面目な雰囲気の中言うのもあれだけど、


俺の肘には、まだ柔らかい感触が残っていました。(笑)

読んでいただき、誠にありがとうございました!


今回は少し明るい雰囲気の回に出来るだけしました。


途中で、少し過激っちゃ過激な所もありましたね。


ででででも、ぼ、僕はこんなもんじゃないぞ!?(変態)


閑話休題。


感謝コーナーです。


鈴木くん、ありがとうございました!


毎回電話での相談ありがとうございます!本当助かります!


家族、(妹)インフル受験前なのに移して申し訳ない!(感謝じゃない!謝罪だ!)


読んでくれたかた、もうありがとうございます!


インフルの中でまともな小説書けているかわかりませんが、


もうおもしろいって思ってくださってるなら嬉しいです!


榊原が明日まで生きてる事をねがう!


生きろ、そなたは美しい

死ね。ブス。


はい!どうでもいい!


また次回のあとがきでお会いしましょう!


See! You! Again!


12/26、夜のコンビニのトイレにて。(なんもいかがわしいことはしてないぞ!?)

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