#02 みんなで野営地に帰ろう(1)
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無事にゴールドバードを捕獲したエレノアは、ペーターとしばしの夕日を堪能した後、アッシュの元に戻ってきた。
えぇっと、確かこの辺から飛び立った気がするので、この辺にアッシュとテットがいるはず……。
いたいた。
「やっほ~。ただいま~。今日も捕まえてきたよ~。」
「おう、おかえり。今日は結構早かったな。」
笑顔絵で手を振るエレノア。手を振り返すアッシュとテトラ。
「ま、いつも通りってとこですかね~。」
そう言いながらもにやけながらと捕獲器ごとゴールドバードをアッシュに手渡すエレノア。アッシュは網からゴールドバードをそっと取り出して保護用の袋に移した後、リュックに丁寧に移した。ゴールドバードを弱らせてはいけない。生きたまま王立研究所に届けなければ何の意味もないのだ。
捕獲器をアッシュに手渡すやいなや、マントを放り出すエレノア。いい脱ぎっぷりだ。見せられないのが惜しい。投げっぱなしはよくないと思ったエレノアは、一応マントを丸めてアッシュに手渡す。
「今日はちょっと暑いから着てらんない。」
ってさ。本当は規則ではロングにしたマントで体を守らなければならないのに。しょうがない、今日は大目に見よう。マントを受け取りながらそう思ったアッシュ。ちょっといい匂いがしたような気がしたが、気にしないようにしてそれをリュックにイン。
アッシュ・ゴールドバーグ (Ash Goldberg) は、エレノアを護衛するための役割が与えられた兵士みたいなものだ。軍属ではないが、期限付きで任官された兵士といったところか。最初の頃はかなり無口であったが、今は普通に会話もできる。中年のおじさんらしいけど、あまりおっさんくさくないよね。左の頬には傷がある。なんでも古傷らしいが、エレノアは詮索してはいけない気がして、あまり深くは聞いていない。
で、だ。テットって何?
もしかして、あの謎の物体か?手を振っているようにも見えるが、人でないことは確かだ。ニコちゃんマークが球体の表見からオレンジ色の光を放っている。ロボットか?
そうですロボットです。正式名称はテット・ランド (Tet Land) というロボット。人一人なら乗せて運べる。また、通信機能とおしゃべり機能もある。AI搭載で楽しくおしゃべりできますよ。中央の球体表面に表示されるニコちゃんマークも動的に変化するので表情も表せる。ゆるキャラ。動力源は魔法力。これから帰る野営地で定期的にバッテリーみたいなもので魔法力をチャージする。もちろん、エレノアが魔法力をチャージすることも可能。テットの役割は少々長くなるので、別の機会にでも。
走行モードに移行したテットの頭に乗っかるエレノア。ちょっとうらやましい。テットはボディの各部を堅くしたり柔らかくしたりと色々と融通の利く不思議な材質でできている。エレノア曰く、乗り心地はまぁまぁだとか。
「おなかすいた~。お な か す い た ぁ ~。」
テットの上で足をばたばたさせるエレノア。テットに乗って帰路についている模様。
「今日は少し軽いからね。おなかも空くでしょう。」
テットが反応。
「ぶつわよ。」
「や め て~。揺らすよ~。」
テットの頭をコンコンしながらぶつとか言うのはずるい。既にぶっているではないか。何というショートコント。
一仕事終えてマントも脱ぎ捨てて開放感全開のエレノア。後は野営地に帰って、おいしいご飯を食べるのだ~。いつにも増して軽快におしゃべりを続けるエレノア。いつも通り、アッシュは聞き手に回ったり、時々話したり。平和のな夕暮れ時の風景。
だがしかし、この絵面は何だ。少女とおっさんとロボ1台と、ん?空に1羽。ペーターだ。しかも寝ているようだ。牽引ロープで引っ張られているペーター。ペーターは、反重力魔法を使って浮くことができるので、浮いてさえいれば後は人の手で引っ張って移動させることが可能。誰も乗っていない状態のペーターは、自分自身さえ浮かせるだけの魔法力があれば羽ばたかずとも引っ張ってもらえば移動できるので、現在、スリープモードでおねむの時間なのだ。魔法力の消費を最小限に抑えるために。
野営地付近での、一連のゴールドバード捕獲作業において、魔法力の供給源はエレノアただ一人。そのため、できるだけ魔法力の消費は抑えなければならない。そのため、ゴールドバード捕獲時以外には基本的にペーターには乗らない。テトラはバッテリー形式の魔法力チャージが使えるから定期的に物資補給時に受け取る際に交換用のバッテリーを使えばなんとかなるが、エレノアの体力の一部である魔法力だけは、万が一に備えてできるだけ温存している。
その理由としては、もう一つある。アッシュについてだ。アッシュには定期的に魔法力の供給が必要なのだ。命に関わる、というよりは、彼の記憶力に関わる。それについてはまた今度。
今日の更新はここまで。次回に続く。
イラストのペンをGペンに変えたので、少しはイラストっぽくなりました。




