6話 短剣
大変遅れました・・・
6話です・・・
「先手必勝!」
私はシックル・オブ・アダマズを展開しながら、ミルに向かって走り出す。
そして、彼女に向かって鎌を振り下げる。
しかし、彼女が近くの樹木に触れると次の瞬間彼女の姿が消えた。
「まずい!」
私が先手を打つはずが逆に先手を打たれた。このままでは、すぐに死角から殺られてしまうだろう。
とりあえず、シックル・オブ・アダマズで自分の周りの重力を大きくする。これで多少被弾率が下がるだろう。
背後からの殺気を感じ、とっさに振り向いた。
思った通り飛んできたナイフは重力の影響で地面に突き刺さる。
「やった!!」
「重力を大きくしていたんだ。」
喋りながら木から出てくるミル。
「足元見てみ。」
「へっ?」
言われた通り足元を見る。
「あっ!」
私の足元には氷が張ってあった。もちろん、その影響で私の足は動かなくなっていた。
「何これ!」
「氷属性の魔法をナイフにかけてみたんだ。」
ミルは多少魔法が使える。
「本当はその部位に当てて、その部分を凍らせたかったんだけど、こんな使い方もあるよ。」
「もしかして今日これを試すために私と戦おうって・・・」
「えっ?そうだよ。」
満面の笑みでミルは言う。
「・・・・・」
私は魔法弾の対象を彼女にし、放つ。
しかし、すぐに彼女は木の中に入り込む。
「ミルの奴~!」
私はすぐに足元に張ってある氷を割る。
一見、ミルの能力には欠点がないように見えるが、何回も連続での能力の使用は体に負担をかける。そのため、絶対にどこかで能力を使う為の魔力をチャージする必要性がある。きっと、能力を使わずに私に接近戦を仕掛けて来るだろう。
さっきのように自分の周りの重力を大きくしたまま、あの氷属性ナイフを投げられてはたまらないので、色々な方向から飛んでくるナイフを鎌ではじき、重力を使い避ける。
しかし、飛んでくるナイフの数が多いため、数本のナイフが体をかすめる。
彼女の能力は持続性が高いので、なかなかナイフによる攻撃が止まらない。
すると、いきなりナイフの襲撃が止まる。
「あれっ?」
間髪いれず、ミルは真上から短剣「アゾット」二本で攻撃をしてくる。
アゾットは、そのものをコピーし、そのコピーしたものを収納する能力がある。彼女が使うナイフはアゾットを小さくコピーしたものだ。もちろん、銀で出来ているので、ディスペアにも有効だ。
真上から攻撃してきたミルをはじき飛ばし、すぐに鎌を横に振るが、彼女の短剣に受け止められる。
彼女は鎌を受け止めていない方の短剣で私を刺そうとする。
私はその攻撃を回避しつつ、魔法弾を「通常型」に切り替え、放つ。
「通常型」は威力がそこそこだが、反動が少ないため、連射がきき、射程も長い。ただし、魔法弾が当たる範囲が狭いので、ある一定の部位を狙うのは得意だが、広範囲に魔法弾をあてるのは苦手だ。
ミルの武器「アゾット」は神話から取りました。