5話 恋人
5話でーす。
「お帰りなさい。ルル。」
「はーっ、疲れた!」
私はベッドに飛び込んだ。
「夕食食べる?」
そう聞いてきたのは幼馴染のミルニシア・レージュ。名前からも分かるように、私と同じレージュ出身だ。また、ミルは生まれつき「植物を通じて移動できる」能力を持っている。それを駆使して戦うのがミルの戦法だ。
「うん。いただく。」
私が夕食を食べている途中、ミルが尋ねてきた。
「今日はどうだった?」
「うん。男の子を探しに森に入ったらディスペアがいた。」
「えっ!?いたの!?」
私は首を縦にふる。
「珍しいわね。戦っててどうだった?」
「うーん・・・まあまあかな?」
私はまあまあな反応をする。
「ふーん。そう。」
ミルもまあまあな反応をする。
「そっちはどうだった?」
私が尋ねる。
「うーんと、見回りだけかな。」
トルミアの南西地方のさらに、私たちの担当の地方はディスペアがとても少ないのだ。
「そう言えばルナは?」
「まだ戻ってきてないよー」
「そっか。」
「あぁ~、もう眠いから先に寝るね~。」
ミルはおやすみ、と言ってベッドに飛び込んだ。
「私も眠いから寝よ。」
私もベッドに飛び込む。目をつぶると意識を手放した。
次の日、ミルが私に声をかけてきた。
「ねえねえ、ルル今から戦わない?」
「えっ・・・。」
「だ・か・ら、戦わない?」
「い、いやなんでいきなり?」
「返答は!」
「う・・・うん。分かった!」
私の笑顔はひきつっていなかっただろうか。
私は憂鬱な気分で家を出てミルと一緒に、この前ルチを助けた森へ向かう。
「はぁ・・・」
本当はあまり戦いたくなかった。
ミルの能力は「植物を通じて移動できる」能力だ。また、投げナイフを武器として使用する。さらに、今から戦う場所は森。相性は最悪だ・・・。
というか何故いきなり私と戦おう、と言い出したんだろう。
そんなことを考えているうちに、森についてしまった。
「それじゃあ、いくよ!」
ミルは左手にはめているブレスレットに右手をかざす。すると、ミルは光につつまれて、今まで着ていた服がの戦闘用の服装に変わった。
私も同じように左手のブレスレットに右手をかざす。
このブレスレットはハンターの装備の一つで、制限時間内なら身体的外傷を無効化にすることができる。しかし、「無効化」と言っても実際に無効化するわけではなく、ブレスレットによる戦闘用の服装を解除した時に、変身前の状態に戻ることができる。また、あまりにも負担が大きいと強制的に解除されてしまう。ちなみにこのブレスレットはハンターをやめるまで一生外すことはできない。
私の服装が戦闘用の服装に変わり、シックル・オブ・アダマズは私の手の中にいた。
「よしっ。」
私は気合いを入れた。
作中に出てくる「ルル」「ミル」はルルミリア・レージュとミルニシア・レージュが呼び合っている名前です!