3話 運命の輪
三話です~
奴がバランスを崩して倒れる。これで、少なくとも三分は立つことは出来ないだろう。私は巨人に顔の前まで行き、第三の目に大鎌を力いっぱい振り下ろす。
赤い目にひびが入り、割れ、細かく砕け散る。と、その瞬間巨人の体が黒い煙となって消えた。
「ふぅ。」
私はため息をついた。そして、急いで少年の所へ向かった。
・・・五分程前
「うわあああああああ!」
僕は地上八メートルの高さから落ちて、助からない、 はずだった。
なのに、いきなり体が軽くなった。そして、ゆっくりと落下していった。状況が呑み込めず、あたふたしていると、さっき僕を食べようとしていた巨人と、鋼色の鎌を持った人が戦っていた。女の人のようだ。
呆気にとられて見ていると、巨人の体が黒い煙となって消えた。
すると、さっきの女の人がこっちに近づいてきた。
「大丈夫?怪我ない?」
「は、はい。」
「君、名前は?」
「ルチ・シルスです。」
「じゃあ君もシルス村に住んでいるの?」
「はい。」
この世界では名前の後につくのが自分の住んでいる地名の名前を表している。
「あなたは?」
「私はルルミリア・レージュ。」
「レージュ?確か昔ここら辺にあった村ですよね?」
「うん、まぁね」
彼女は苦笑する。
僕はさっきから気になっていることを尋ねた。
「あの・・・さっきの巨人は何ですか?」
「ああ、あれはディスペア。見たことない?」
僕は首を縦にふる。
「そっか。ここら辺はあんまりでないんだっけ。」
「他の地域ではよく出るんですか?」
「うーん。場所にもよるかな?」
「で、そのディスペアって何ですか?」
「この世界には魔力があるのは知っているよね。」
「はい。」
「場所によっては膨大な量の魔力がたまっているの。その膨大な量の魔力を動物などが浴びることであのような怪物になるの。あと、ディスペアは人間を襲ったり人間に対してかなり凶悪よ。」
「じゃあ、ここら辺にも膨大な量の魔力があるんですか?」
「確かにあるけれど、ここ自体が人や動物などがうろつかない場所だからね。」
なるほど。だから来ては行けなかったのか。来てはいけない理由が分かった気がする。
「けど、あんなディスペア見たことないんだよね〜」
「そうなんですか?」
「基本は動物から変化したのがディスペアだからね。サル型ディスペアの亜種かな?あと、普通は人間を食べようとしたりしないし...」
「そ、そうなんですか...」
感謝の言葉
紅夜阿灸様 ご自身の作品があるのにも関わらず、私の原稿の見直し、添削、漢字の変換・・・
色々とありがとうございました。