帝「ワイの正体は怪人300面相や!」七鞠「帝って話盛らないと死ぬ病気なのか?」
「ん?小春。これは何や?」
帝がポケットをいじった時、違和感を感じた。
「あーそれはねー、皆がシャッフルしてた時に、みかどんの学校に落ちてたんだ。」
小春は、入れ替わりの時に手に入れた『予告状』のことを話した。
「なるほど。『予告状:□月○日午後3時、プールの水を盗みます。 怪盗ARK』」
怪盗ARKの名を聞いて、有海が食いついてきた。
「なんだと!?怪盗ARK‥‥ユーフォリアの手先か!?」
「待てよ。小春の話しやと‥‥。プールの水をグラウンドに打ち出の小づちから注いだのは、小春やんか!!つまり、小春が怪盗ARK‥‥?」
「違う!打ち出の小づちにそのような効果があるに違いない!!」
「そういえば、電柱の事件のときもそうだった‥‥。」
『社会情勢への知見が足りぬな。ARK。最近騒がせている怪盗ARKだ。ARKはちょうど昨日、電信柱を盗むという予告状を市役所に届けている。つまりなんとなく電信柱を盗んだはいいものの、大きすぎるため処理に困り、何の罪もない中学生の股間にくっつけたのだ。怪盗ARKはよく意味が分からない物を盗む傾向にある。しかも必ず予告状を送りつけるマメさを見せている。』
「つまり、みかどんが取り出してるものってー、どっかからとって来たものじゃないかなー。わたしはそう見込んで、プールの水を大量に投下できたわけだけどねー。」
小春にしては鋭い考察。
「おそらくだが、あのカラーコーン‥‥打ち出の小づちの仕組みはこうだ。」
有海は打ち出の小づちの推測を語り出す。
「例として、打ち出の小づちからアルミホイルが欲しいとしよう。まず、帝が僕のアルミホイルを1月1日15:00に打ち出の小づちから手に入れようとする。すると、何らかの時空改変が起こって『12月31日15:00に僕の元に予告状が届いていた』ことになる。そして、1月1日15:00に、電気が消えてアルミホイルが消滅する。こうすれば帝が何かを手に入れようとするたびに、怪盗ARKは盗みを行うことになるのだ。」
「なんやって‥‥。ワイ、泥棒やったんか‥‥。」
「そういうことになるだろう。」
「どうにかならんのか、なななな様。」
「うーん‥‥。打ち出の小づちは実は私と七鞠さんが共同で作っていたものなのです。」
「『なんの変哲もないものから、何でも出てくるのがおもしろいんだ』って七鞠さんが言っていたので作ったんですけど、外に放置していたら普通のカラーコーンにまぎれちゃって、見つからなかったんです。」
「それを偶然ワイが拾って来たってことか。」
「結局、既にあるものを取り出していただけだったってわけかよ‥‥。せっかく作ったのになあ‥‥。」
七鞠も、真相を聞いてがっかりしたようだ。
「なあ、なななな様、七鞠教授。じゃー逆にカラーコーンの中に入れたらどうなるんや?」
「考えたこともなかったぜ。」
「銭湯で電信柱を戻した時も、結局どうなったか確認してなかったしなあ。」
「とにかく、せめてものワイの罪滅ぼしや。いままで打ち出の小づちで盗んできたもの、全部入れ直すで。」
「そうですね。そうしたほうがいいです。」
そして、更に帝は何か思いついたようだ。
「そうや、これならいけるんちゃうか‥‥‥?」
「まあ、どっかからとるのが嫌なら、使わない方がいいかもしれませんね。」
そう言いながら特にすることが無いので、なななな様はテレビを付けた。
「昼王ニュース!!」
「どうも金田四四です。」「園沢アナウンサーだ。」
「とてもいいニュースがあった。素晴らしいニュースだ。騎士道精神に則っている。」
「孤児院に怪盗ARKが予告状を送り付けました。その内容とは‥‥。」
「昨日の昼12時、孤児院に怪盗ARKから予告状が届いた。『予告状:頑張っている君たちに文房具を上げよう。×月□日の12時を楽しみにしたまえ。』という内容だ。」
「実際に、12時になった孤児院には文房具が大量に出現した。怪盗ARKは福祉活動を行ったのだ。いままで電柱や宝石を盗んできた罪を悔い、新たな人生を歩み出すのだ。」
「以上、昼王ニュースでした。」
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翌週の日曜日のお話し。
「ん?何やこれ。」
帝が打ち出の小槌を見ると、『打ち出の小づちMKⅡ』と書かれていた。
「‥‥。ワイ、『BE』以外の英単語読めへんねんや。」
「凛ちゃん!!これ何て読むんや!?」
「マークⅡッスね。つまり、前より少し進歩したってことッス。」
「なるほど‥‥。お、よく見たら何かカードがあるで。」
「読むッス!」
『予告状:帝くんはいいことをしたので、この打ち出の小づちマークⅡを差し上げます。これはどこかから盗んだものではなく、本当に0から物体を生成できます。(一応土とかを消費します)ただし精度が悪く基本パチモンしか出てきません。一応盗むこともできますが、あんまりしないように。怪盗WEEK』
「なんやこれ、洒落たことするなあ。初行七鞠教授も。」
そう思った帝は、七鞠教授の元へかけよった。
「ありがとう!教授!すごいええのもらったわ!」
「‥‥は?俺こんなもの作った覚えねーぞ。前の打ち出の小づちにMKⅡって書き足しただけじゃないのか?」
「ちゃうちゃう!じゃあ試しに、1つしかない物複製したるわ!」
「そーだな。じゃあ、なななな様の寝顔を取った写真を俺から盗まずに複製してみろよ。」
「分かったで!ほい!!」
帝は打ち出の小づちMK2(これからはMK2は省略)に手を突っ込むと、もう一枚、写真を取り出した。
「おお‥‥‥‥。なんだこれ。モザイクかかってんじゃねえか!なななな様が卑猥みたいじゃねーかよ!」
「うーん‥‥。精度か‥‥。難しいなあ‥‥。」
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おまけ
「な、な、な、七鞠さん!たしかに七鞠さんと一緒に、MK2作りましたよ!」
「何だと?そんなこと、絶対にしてねえ!」
「してました!じゃあ再現VTRをどうぞ!!」
そう言って、なななな様は紙芝居を取りだした。
「VTRの意味分かってねえだろ!」
『なななな様研究会!』
ペラッ『なななな様、あれは改善した方がいいとおもうのじゃが‥‥。』
「いやおかしーだろ口調がよお!」
ペラッ『そうですねー。あんまり盗みは良くないです。まあ、殺人鬼に比べれば‥‥。いや、それは考えないことにしましょう』
「お前、意外と自分のことをボンキュッボンに描くんだな‥‥。」
「それが、レディです!」
ペラッ『そうかそうか。じゃあ、ワタシと打ち出の小づちを改造しようではないか。』
ペラッ『な、な、な、なんですと!改造なんてできるんですかーっ!?』
「そこは外さねえんだな。」
「キメ台詞なのです!」
ペラッ『おわり』
「‥‥。もう少し、画力をみがこうぜ。」
「‥‥はい。」
つづく。




