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第31話 精霊

頑張った…頑張ったよ…俺。今までに無い速さで執筆できた。モンハンの方を入れればこれで三話目だよ。

でも読者の方を待たせてしまったのは事実なので、そこはしっかり謝罪しときます。ごめんなさい。

あと、早く書いた分だけ文章がやや雑になってしまっている感があるので、ご了承ください

「シルフィア、一つ聞いていいか」

 朝食のサンドウィッチを頬張りながら対面に座っているシルフィアに話し掛ける。

「はい。構いませんよ」

 俺とは違い、葉菜類のサラダを食べていた手を止めてから話すシルフィア。くっ、ここでも育ちの差が…。

 だがまあそんなことは気にしないので、継続して食べながら、

「シルフィアの魔法って、俺の知ってるのとなんか違うんだけど」

 思い出すのは昨日、気付かずに入浴中のシルフィアの前に出てしまったときのこと。お湯に浸かっていたせいで肌がほんのり桜色に染まってたり、髪が体に張り付いてるのが妙に色っぽかったりしたのはあまり思い出さないようにして。思い出さないようにして!考えるのはあの時はっきりと見たシルフィアの魔法。

 あれはどう考えても…電気だった。

 俺の記憶が正しければ魔法は炎、水、風、土の四つだったはず。俺まだ土は見てないけど。

 あれか?隠された属性、とかそんなんですか?カッコいいですね俺も使いたいです。

「ああ、あれは精霊魔法です」

「…………」

 本当にそれっぽいの来たよ。ていうか精霊て。俺は召喚獣とかの方が好きだけど。

 それはおいといて、

「なにそれ?」

「精霊の力を借りて使う魔法のことです」

「……じゃあ昨日のアレも精霊の力で?」

「正確には精霊の力を分けてもらって、ですけど」

 違いが分かりません。あ、今思うと湖のそばで気絶したのもシルフィアの魔法のせいか。

「何気にシルフィアってすごい?」

「そんな大したものじゃないです。きっとトモヤさんだって使えますよ」

 照れたように言うシルフィア。ふーん、俺でもねぇ………、

「…………え、マジ?」

「はい。ちゃんと手順を行えば」

「……なんか特別な才能とか試練とか」

「ないですよ。強いてあげれば精霊に認めてもらうことですけど、小さい頃の私にも出来たんで大丈夫だと思います」

「…そうか…そうか」

 俺は残ったサンドウィッチを一口で食べ、淹れてもらったお茶をぐっと飲み干して「ふぅ」と息を吐く。

 そして思い切り身を乗り出して手を伸ばし、シルフィアの両手を包み込む。

「是非お願いします!」

「……ふぇ?」



 それからしばらく、「早く行こうよ」とせがむ俺に対して「これが終わったら行きますから、ちょっと待っててください」と言いながらお皿を洗ったり洗濯を干したりするシルフィア。駄々っ子の子どもを持つ母親のようだった。その駄々っ子が俺だというのは情けないが。

 んでもってずるずると時間は過ぎて、ようやくシルフィアが「それじゃあ行きましょうか」と言った時は、両手を挙げて「やったー!」と大声を上げてしまった。

 そのことで自己嫌悪に陥りながらシルフィアに先導されて歩く俺。何故かグラもついてきた。《飛鳥》は家に置いてきたから俺から離れたりすることは無かった。

 ということでやって来たのは森の中の湖。

「ていうかここ、もしかしなくても…」

「そうですよ。私とトモヤさんが初めて出会った場所です」

「出会ったっていうか、俺がシルフィアに襲われた場所だけどな」

「うっ…ごめんなさい」

 見るからに落ち込むシルフィア。その姿を見ていると罪悪感でずきずきと胸が痛みます。

「き、気にすんなって。俺ももう気にしないから」

「…分かりました」

 シルフィアは笑顔になるが、やはり少し気にしている様子。どうしたもんか。

 うんうんと唸っていると、シルフィアが説明をしだす。

「この湖は古来より精霊たちの世界とつながっているといわれています。湖の中に入ると、自分と最も相性のいい精霊が現れます。そしてその精霊に認めてもらうと、精霊魔法が使えるようになります」

 へぇ~。案外簡単な内容だな。もっと大掛かりなものかと思ってた。

「認めてもらうって、具体的には何をすればいいの?」

「それは人それぞれだそうです。私の場合は質問をされただけでしたけど」

「どんな質問だったの?」

「確か…『大切な人はいるか?』でした」

「なんて答えたの?」

「…『お母さん』と答えました。そうしたらその精霊は私に力をくれました」

 お母さん、と言うときに少し辛そうだった。やっぱり、そう簡単に割り切れるものでもないのかな?

「よし分かった。とりあえずこの湖に入ればいいんだな」

 言うが早いが俺は湖に飛び込もうとする。女子の前で全裸になるほど俺は変態じゃないので服を着たまま。

「あっ!待っ――」

 シルフィアの制止の声は遅く、俺の体は湖面に向けて飛んでおり、

「おぐっ!?」

 湖面よりも上の空間で、見えない壁にぶつかったかのように止まってしまう。

「大丈夫ですか!?湖に入るのは少しやることがあるんです!」

「あたたた…早く言ってよ…」

「うぅ、すみません。言おうとしたらトモヤさんが飛び込んでしまったので」

 はいすみません。俺の責任です。人の話は最後まで聞いたほうがいいね。自分の身の安全のためにも。

 反省する俺の前でシルフィアは湖のふちにしゃがみ、両手を器の形にして湖の水を掬い上げる。不思議なことにシルフィアの手は見えない壁になど当たらなかった。

 シルフィアはそのまま水をこぼさないように気をつけながら俺の前に来て、

「どうぞ。飲んでください」

 笑顔で言って、両手を突き出してくる。え?飲め?この水を、アナタの手から直接?

「無理」

「ええ!?で、でも、湖の水を飲まないと入れないんですよ。湖に触れられるのは湖の水を飲んだ人だけですし」

 何そのメンドくさい設定!一番最初の人はどうやったんだよ!?つか手から飲まなくてもコップとか使えば…

「それと、この水は何故かコップなどに移すと消えちゃうんです。だからこのままで飲んでください」

 最後の逃げ道が断たれた!

「で、でもさ…」

「?」

 首を傾げないで!貴方は恥ずかしくないの!?羞恥心とか無いんですか?いやあるか。入浴シーン見たときは恥ずかしがってたし。いやそんなことはどうでもいいんだよ!

「さあ、どうぞ」

「うっ…」

 ずいと差し出される手。白くて細くて、こういうのを白魚のようなっていうんだっけ。

 ここは…腹をくくるしかないのか。

 自分自身に活をいれ、ゆっくりと顔を近づけていく。

 そして、



「…いってきます」

「はい、いってらっしゃい。頑張ってきてくださいね」

 やや赤い顔をシルフィアに見られないように気をつけながら湖の縁に立つ。またぶつかったりするのではないかと一瞬不安がよぎるが、シルフィアの言葉を信じることにする。

 たん、と軽く地面を蹴って跳ぶ。今度は、ちゃんと入水することができた。

 水しぶきが上がらなかったことに疑問を持ったが、いまさらそんなことを気にすることも無いと判断し、先を急ぐ。

 といっても別にあてなんか無い。何処に行けば精霊さんとやらに会えるのかさっぱりである。こんなことならもっと詳しくシルフィアに聞いとくんだった。

 むっ、そろそろ息苦しい。とりあえず上がって息継ぎを――――あれ?進まない。

 上だけでなく前にも下にも右にも左にも後にも動かない。いくら手で水をかいても動くことが出来ない。

 ちょっと待て…これ…マジでもう息が………

「……ごはっ」

 俺の口から空気が漏れる。いくつもの気泡となったそれはあっという間に浮上していき、水面で消える。

 ああ…もう……ダメ…か………………

 ………………………………………………………………………………………………………………………………

「…………………………………………………………………………………あれ?」

 生きて…る?苦しくない?普通に息が出来る。よく考えると、今更ながら、服がまったく濡れていない。

 ………………なるほど。

「……ファンタジーだなァ…」

 気がつくと普通に体も進む。さっきより断然楽になった状態で泳ぎを再開する。

 と、そこで、

「なんだありゃ…?」

 見つけたのは光の塊。水面から入った陽光などではなく、ただ純粋に光が集まっていた。

 おそるおそる。しかしどこか確信めいたものを持ちながら、光に近づいていく。

 光との距離が数メートルほどのなったところで変化がおきた。光の塊。最初見たときは球体に近い形状だったのだが、今は少しずつ変形している。

 ただ見ているだけの前で、光は変化を止める。最終的な形は人の形だった。

【―――ようこそ。異世界の迷い子】

 どこからか声がする。声質的には女性だろう。どうにも音源がはっきりとしなかったが、おそらくは目の前の存在であろうことは容易に想像できた。

【ここに来たならば、目的は一つ。そうでしょう?】

「……そうだな」

 警戒心や緊張感はあるものの、さりとて怖いとも思えない。いい感じに毒されてきたな、俺。

【では貴方に問います。貴方は力を欲しますか?】

「…ああ」

【どうして力を欲しますか?】

 精霊の問いかけ。なんと答えればいいのだろうか。カッコいいセリフか?正義感に満ちたセリフか?

 …あぁ、もう、まったくもって、めんどうだ。

「――知らん」

 口から出た言葉はあっさりとしたものだった。表情なんか分からないが、どこか驚いたような雰囲気が相手から伝わってくる。

【知らない、と言いますと?】

「知らない。分からない。少なくとも今は理由は無い。ただ、今得られる力があるなら欲しい。いざ、というときに望んだって力が手に入るなんて限らない。だから、今欲しい。………最も、そんな事態にならないのが一番だけどな」

 するすると、何も考えずに言葉が出てくる。俺ってこんなこと考えてたのか、と自分の事ながら思う。

【ふふっ。貴方は面白い人ですね】

「そうか?」

【ええ。今までここに来た人たちは「誰かを守りたい」「悪いやつを倒したい」といったようなことを言っていました。それはそれで認めてきたのですが、ふふっ、貴方のような考え方もあるのですね】

 なんだろう。精霊とかじゃなくて普通の女の人と話してるみたいだ。

「で、俺はどうなんだ?認めてくれるのか」

【そのように返事を急かすような人も貴方が初めてです。……分かりました。貴方を、信じます】

 人の形をした光が腕に当たる部分をすっと上げ、人差し指であろうものを向けてくる。眩し過ぎてよう分からんが。

 指の先端に少しずつ別の光が集まっていく。何故分かるのかといえばその光が青いからだ。

 光はバスケットボール大になると指先を離れ、俺に向かって飛び、すっと胸の中に入ってくる。

【―――貴方の歩む道に幸多きことを願います】

 どこからかそんな声が聞こえてきたと思うと、目の前の光は爆発的に眩しくなって、何も見えなくなった。



「………ぷはぁ」

 いつの間にやら仰向けで水面に浮かんでいた。ぽけーっと空を見つめる。

 いつまでもぷかぷかと浮かんでいるのはそれなりに気分が良かったのだけれど、シルフィアを待たせているのを思い出して慌てて泳ぎ始める。

 しばらく泳いでから「あ、正確な方向とかわかんないじゃん」と思ったものの、そのまま泳いでいたら無事に到着できてしまった。

 岸に上がり、やっぱり服とかがまったく濡れていないことにやや感動。そのまま歩くとグラが眠るように横になっていた。

「おー ――」

 声をかけようとしたが、咄嗟に自分の口を抑える。

「………ぅん…」

 グラに包まれるような形でシルフィアが眠っていたのだ。普段見ることに出来ないシルフィアの無防備な姿をついつい見つめてしまう。

 この子はいつも家事とかをして、俺のためになにかしてくれて。俺が増えたから家事の量も多くなっただろうし、その疲れがここで出たのだろうか。

 きっと休めといっても聞いちゃくれないだろう。だから今ぐらいは休ませてあげよう。そう考え、静かにシルフィアの隣に座り、その寝顔を見る。

 前々から思っていたのだが、シルフィアは髪の毛で顔の半分を隠すようにしている。そういうオシャレなのか何か事情があるのか。

 なんとなく、ほんの少し魔がさして、その下を見たいと思ってしまう。

 ゆっくりと、ゆっくりと手を伸ばす。そして指先が髪に触れ、

「……ぁう」

 神懸かり的なタイミングでシルフィアがぼんやりと目を開ける。慌てて手を引っ込めたお陰でバレずに済んだらしい。危ない危ない。

「…あれ?トモヤさん?いつの間に…もう終わったんですか?」

「おう。なんとかな」

 そうですか、と言って小さくあくびをしながらぐぐっと体を伸ばす。それで胸が強調されるカタチに――げふんげふん!

「……あっ!私眠っちゃってましたか!?」

「気付くの遅っ」

「す、すみません」

 急いで立ち上がるシルフィア。そんなに急に立ち上がると立ちくらみするぞ。釣られるようにして俺、そしてグラも立ち上がる。

「それでトモヤさん、精霊とはどうでしたか?」

「大丈夫。ちゃんと認めてもらったから」

 光の球が入ったところがまだほんのり温かいから、あれが夢なんかじゃないと分かる。

「それじゃあ、トモヤさんも精霊魔法が使えるようになったんですね」

「……いや…そのことなんだが…」

「?どうしました」

 その…なんていうか………

「精霊魔法って、どうすれば出るの?」

「どうって……こう…ぐっ、て感じです」

「分からない!」

「えっと…じゃあ、ぐっ、はっ、って感じです」

「より分かんねぇ!」

「え、えっとですね、私の場合は手の先に魔力を集中させる感じです」

 ………それで分かったら苦労しないんだけど、ま、やってみっか。

 手ごろな距離にある木に向けて手を伸ばす。魔力を集中させるってのがいまいち分かんないが、とりあえずは神経を集中させてみる。

「…………………」

 何も起こらない。やや落胆しながらも、一応木目掛けて何かを撃ち出すようにイメージする。


 ――― 一瞬で、その木が凍りついた。


「………は?」

「…わぁ……」

 俺はいきなりのことに驚きながら、シルフィアはその光景を見て感動している。うん、確かにキレイに氷が出来てるけど。

「…これ…やったの……俺?」

「きっとそうですよ!トモヤさんの使う精霊魔法は氷ですね!おめでとうございます!」

 まるで自分のことのように喜んでくれるシルフィアの気持ちはとても嬉しいんだが、流石にこれは…ちょっと…危ない。使いどころ間違えるとヤバいよこの魔法。使い方がまだよく分かってないくせにかなりの威力がある。まあ持ってしまった以上は使いこなせるようにならないといけないんだけど、

「…なんだかなぁ」

 俺はぼりぼりと頭を掻き、はぁ、とため息をついた。

ぶっちゃけますと、自分、受験生です。入試が三月にあります。

本当なら小説書いてないで勉強をしなければならないのですが、

めんどくさいんで三月に入ったら頑張ろうと思います!

なので二月一杯は執筆を進めていくので、よろしくお願いします。

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