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第26話 体調管理はしっかりと

どもどもダメ作者です

最近はモンハンばっかやってます

……え?クリスマス?家族で出かけてましたけど何か?リア充爆発しろ

ではどぞ

 風邪をひいた。

 理由なんか分からない。今朝起きたときから体がだるくてフラフラして倒れそうだった。てか朝食の後マジで倒れた。

 別に寒い中裸でいたとか汗を拭かずにいて体温が下がったとかではなかった。流行り病もない時期の季節外れの風邪。症状は熱だけなので医者は呼ばなかったため詳しくは分からないが、ユアンが言うには急激な環境の変化によるものじゃないか、とのことだった。俺こっち来てから数週間は経ってるけど。

 という訳で俺はおとなしく寝ているのだが………

「(じ~)」

「(じ~)」

「(じ~)」

 見られてる。メッチャ見られてる。ちっこいの三人にじっと見られてる。

 このアリス、ラン、リンの三人は最初はずっと騒いでいたけど、見かねたおばさんの一喝によって沈静化。以降ずっとこうして俺を見ている。

 やりずらい。ちょっと咳き込んだだけですごい慌てるし。心配してくれてるってのは分かるけどこの状況はストレス溜まる。相手が小さいだけに邪険にすることも出来ない。…はぁ……。

 そんなことを考えてるとガチャッとドアが開き、エルナとフィナが入ってきた。エルナの腕の中には水の入った桶がある。

「まったく…こんななんでもない時期に体調崩すなんて……日ごろからだらけてるからよ」

「…面目ないです」

「ごめん。私の魔法、病気は治せない」

「いいって。大体俺のせいなんだし」

 本当にね、と言いながら俺の額のタオルを交換してくれるエルナ。ああ……ひゃっこくて気持ちいいなぁ…。

「……エルナ」

「なによ」

「ありがとな」

「――!……ど、どういたしましてっ!」

 あれ?お礼を言ったのに怒鳴られた。なんでだ?

「トモヤ、あたしは?」

 いやアリス、お前何もしてないだろ……まいいか。

「よしよし」

 ベッドから手を伸ばして頭をなでてやる。

「えへへ~」

 おお、すごいいい笑顔だな。頭なでられてそんなに嬉しいもんか?

「…………」

「…………」

「…………」

 なんか残りの三人から無言の圧力を感じる…。

 そうそうに負けを認めた俺は、とりあえず三人の頭もなでてやる。三人ともものすごく笑顔だった。

「…そうよね。所詮トモヤだもんね……!」

 エルナさんが何か言いながらものすごい怒気を放っていらっしゃった。違うよ。それはこんなところじゃなくてもっと別のところで発揮しようよ。きっと世界を狙えるよ。

 俺が冷や汗をだらだらと流していると、部屋のドアがコンコンとノックされる。入ってきたのはクレアだった。

「失礼します。トモヤ様、お加減はどうでしょうか?」

「ん~、だいぶ楽になったし、もう大丈夫」

「そうですか…」

 心持ち嬉しそうな表情をするクレア。こういう反応されるとなんか照れるな…。

 クレアは落ち着いた動作で歩み寄ってくると、ベッド際の台に持っていたトレイを置くと、俺と自分の額に手を当てる。

「確かに熱は下がったようですね。よかったです」

 笑顔のクレアに微笑み返す。そして、クレアが運んできた器を見る。

「この匂いは……お粥?」

「はい。病人に食べさせるものだとトモヤ様が言っていた、とコック長が」

 ああ、そういや前にコック長につくり方を教えたな。

「そうか。それじゃ、ありがたく頂きま…」

 俺は器に手を伸ばした――が、直前で器を取り上げられた。

「あのぉ…クレアさん?」

 取り上げた張本人であるクレアはにっこりと微笑み、

「トモヤ様は病人ですし、ここは食べさせてあげるのがいいかと」

 瞬間、他の面々の目が輝いた気がした。

「そうよね。病人なんだし」

「無理はよくない」

「これも看病の一つだしね」

「ちゃんと食べないとダメだから」

「遠慮しなくていいですよ」

「いやあの……大丈夫だから…」

 俺の発言は全員に無視される。そして彼女達は匙へと手を伸ばした。―――一つしかない匙へ。

 まあ当然誰がやるかでもめるよね。

 ギャーギャー騒ぎながら誰がやるのか決めるエルナ達から目を逸らし、布団をかぶる。

「……………俺の安息は何処へ…」




 結局、お粥は順番に食べさせるという妙な結果に至ったらしい。拒否権の無い俺はかわるがわる女子勢に「あーん」をさせられた。むっちゃ恥ずかしかった。

 でもお粥はおいしかったんであっさり完食した。もうお昼の時間なので、今度はエルナ達が昼食をとりに行くことになった。

「では失礼します」

 クレアがそう言って出て行くのに続いてみんなも部屋を出て行く。出るときにみんな一声かけてくれるのだが、そのほとんどが「私達がいない間に無茶したりしないでね」っていう言葉なのはどういうことだコラ。

 最後に出ていったエルナの表情がいつもと違うような気がしたが、気のせいだと思い一眠りしようと布団に身を埋めた。


                    ◆                    ◇                


 振り返り、たった今通った扉を見つめる。

 自分が何をしたいのか分からない。ただ何かが引っかかっているのだ。

「エルナ、行こう」

「……ええ」

 フィナに呼ばれ踵を返す。何かに引っ張られるような感じがしたが振り払った。

「……」

 長い長い城の廊下を無言で歩く。他のみんなはそれぞれ相手を見つけて話したりしているが、今はそんな気分じゃなかった。

 歩きながら思うのは昔のこと。まだおばさんと二人で暮らしていたときのこと。

 当然だけどその時に自分も風邪をひいたことはある。そんな時、おばさんはしっかりと看病してくれた。たまに怖いところがあるけど、根はいい人なのだ。

 風邪をひいたときはおばさんが特製のスープを作ってくれた。温かくておいしくて、しかも栄養満点で。具合が悪いときには丁度いいものだった。

 トモヤにもつくってあげようか、と考え、

(あ………)

 思い出した。自分が何に引っかかっていたのかを。

「エルナ?」

 急に足を止めたアタシを見て、フィナが心配そうに声をかけてくる。

「…ごめん。先に行ってて」

 それだけ言ってもと来た道を引き返す。

 忘れていたのはそのときの気持ちだった。病気の時、一人でいるとどうしようもなく不安になってしまう。そのことを分かっていたのか、おばさんは出来るだけ傍にいてくれた。でもどうしても離れていってしまう時があって、その時は寂しくてしょうがなかった。

 だからという訳ではないけど、トモヤが心配とかじゃないけど。

(ただ…トモヤにはそんな気持ちになって欲しくなくて………あれ?アタシ何考えてんだろ?)

 そう考えながら歩いていると扉の前に着いた。そして、扉のノブに手をかけた。


                   ◆                    ◇                

(………ん?)

 扉の前に誰か立っている気配がする。一流のヒットマンとかなら誰なのか分かるだろうが、生憎と俺にそんなスキルは無い。

 まあここは城の中なので、曲者とかじゃないことは確かだろう。

 しばらくしてゆっくりと扉は開かれる。その向こうにいたのは、

「エルナ?なんで?」

「…なによ…悪い?」

「いや…」

 悪いとかそういうんじゃなくて、さっき飯食いに行ったばかりだろ。早食いは体に悪いぞ。

「……ご飯ならまだ食べてないわよ。アンタ、一人にしたら何するか分かったもんじゃないから戻ってきたの」

 さいですか。

 文句を言いながらもベッド脇の椅子に座って、額の濡れタオルを交換してくれるエルナを見て、少し笑ってしまう。

「何よ。急に笑い出して」

「別に」

 適当に返事をして誤魔化す。真実を言ったら病人とか関係なく殴られそうで怖い。

 実のところ、さっきわずかな時間一人でいるときは不安だった。風邪の時って無性に心細くなることがあるけど、それと同じだ。

 あの不安さは症状の重さと比例していくけど今回はそれにより拍車がかかった。なにせここは異世界。いつもはなんでもないように振舞っているけど(実際大して気にしてないけど)こういうときに不安を大きくする材料としては十分だろう。

 だから扉の前に誰かいると分かったときは少し安心した。エルナだと分かったときにはもっと安心した。

 この世界に来て最初に会ったのがこの少女だった。あの時彼女が助けてくれなければどうなっていただろうか。

 以来エルナとはずっと一緒にいる。やはり一緒にいる時間が長いと傍にいて安心するようになってくる。

「…エルナ」

「なに」

「傍にいてくれて、ありがと」

「――――! い、いいからさっさと風邪治しなさいこの馬鹿!」

「ぐべっ!?」

 な、殴られた。……何故に…?



 午後になり、病状は悪化した。

「トモヤ、大丈夫…?」

 心配そうに聞いてくるアリスに返事をしようとするが、うまく声が出ない。なので適当に頷いておく。

 正直大丈夫とは言いがたい。頭痛は頭が割れるんじゃないかって程ひどい。体温が高く、濡れタオルを氷嚢に変え、脇の間も冷やしているのに一向に下がる気配が無い。汗がとめどなく噴き出してくる。髪がべっとりとくっついて気分悪い。そろそろ切りたい。

「どうして熱が下がらないのでしょうか…?」

 そう呟くクレアの声も不安で一杯だった。

 もともと俺の体は頑丈な部類に入ると思う。風邪も一年に数度ひくかひかないかだったし、なったとしても風邪薬飲んで数時間も寝ればかなり回復していた。風邪薬を飲まないだけでここまで悪化するものだろうか。抗生物質を少し尊敬――あれ?熱で思考が変になってきた。

 あー熱い。すっげー熱い。ん?「熱い」だっけ「暑い」だっけ?「厚い」は違うしな…。「暑い」は夏とかそういう気温が高いときに使うんだっけか?じゃあ「熱い」でいいか。あー熱い。額と脇は冷たいけど他の場所はものすごい熱い。

 みんなめっちゃ心配そうに見てるよ。……………やめて、そんなに見ないで。照れる。

 ぼーっとする頭で自分でも変だと思うようなことを考えていると、コンコンと部屋のドアがノックされる。入ってきたのはユアンだった。

「おーっす。見舞いに来てやったぞ……って、これはひどいな」

 つかつかとベッド際にやってきてはそんなことを言うユアン。だがこのバカの参入によって部屋の中の重い空気が払拭されたは事実なので、内心で僅かばかり感謝しておこう。

「症状はどんなもんだ?」

「はい。昼前は熱も下がって安定していたのですが、午後からまた熱がぶり返してさらに酷く」

「そうか……」

 お医者さん?と言いたくても言えない俺の前で、ユアンは着流しのすそからなんか出した。つか石ころ出した。

「トモヤ、これ握ってみろ」

 なんで、と聞くのもだるいので、とりあえずは言われたとおりに石ころを受け取る。

「ユアン様、それは…」

「いいから。俺の考えが正しければこれで何とかなるはずだ。トモヤ、その石に意識を集中してみろ」

 高熱で意識が薄いんですけど、と言っても聞き入れてもらえないだろうからなけなしの意識を手のひらに集中させる。すると、

「……おお…」

 石ころが発光している。かなり眩しい。石ころが光り続けるにつれてどんどん気分がよくなってくる。すげーと思いながらさらに意識を手のひらに集中させ――

バキン

「あ……」

 石ころが砕けてしまう。石が輝きを失うと体調の回復も止まってしまうが、先ほどよりもだいぶ楽になった。

「…ここまでとはな…」

 ユアンがなんか驚いてるっぽい。まさか、この石貴重品だった!?

「いや、その石ころはそんなに高いものじゃないぞ。むしろ探せばいくらでも出てくるものだ」

 …どうして考えていることが分かるんだろう…?

「いやお前モロに顔に出てるからな」

 マジでか。

「マジだけど。とりあえず説明だ。まずお前が壊した石だが、握った者の魔力を吸収して光を放つという代物だ。これはまだ小さいからいいが、あまり大きいものだと体中の魔力搾り取られるから気をつけろ。これが砕けた理由は…はっきり言って処理し切れなかったんだな」

「どゆこと?」

「それは、今回お前が体調を崩したことに関係がある」

 そう言うとユアンはびしっと俺に指を向ける。

「お前の固有魔力が多いんだ」

「………なんだっけそれ?」

 ぱしーん。ユアンが俺の頭を引っぱたく。痛ぇ。

「はぁ……この前説明してやっただろうが。平たく言うと体内にある魔力のこと。お前はその量がバカみたいに多いんだよ」

「バカとは失礼だなこのバカ」

「うるせーバカ。で、その石っころに魔力を吸い取られて体調がよくなったってことは、なんらかの理由でお前の中の魔力が暴走してたんだろうよ」

「へー。まあどうでもいいけど。とりあえずありがと」

「おう。どういたしましてだ。んじゃ、俺は忙しいから、これで」

 ユアンは笑顔で返すとそのまま部屋を後にした。……………カッケェ。

「……トモヤ、本当に大丈夫なの?」

「おうすこぶる元気だ。なんなら今ここでムーンサルト決めてもいいぞ」

「お願い」

「すんません勘弁してください」

 予想外の切り返しをしてきたフィナに思わず謝る。ムーンサルトなんて出来ません。

「ほら、アホ言ってないで寝なさい」

「だから大丈夫だって」

「何言ってんの。風邪は治りかけが一番大事なんだから。おとなしく寝てなさい」

 言いながら俺を布団に押し込めるエルナ。軽く抵抗してするが、俺はあっさりと根負けした。

「分かったよ。おとなしく寝るから」

 確かに大分よくなったとはいえまだ平熱ではないのはなんとなく分かる。だから寝ることに――しようとしたのだが、

「(じ~)」

「(じ~)」

「(じ~)」

「(じ~)」

「(じ~)」

「(じ~)」

 ……………………………俺を一人にしてくれ。

どうでしたか?

今話は一度全面的に書き直しをしたので遅くなってしまいました

他にも短編小説をいくつか書こうとしているのですがうまく指が進みません

所詮自分の才能なんてそんなものです

ではまた次回

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