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第55話゛宣戦布告。

 5月3日、三国宣言は公式に宣戦布告を行った。同盟国、尾張連合は岐阜、三重を攻めることをお望みで背後を突かれないように、愛知県東部つまり三河へと侵攻を開始して欲しいと通達された。

「あの野郎、背後を防御するのと同時に俺達を潰そうとしてるぜ。」

 戦力差は圧倒的に不利と言える状況だった、桶狭間の戦いを再現するかのように、こちらの戦力サーヴァント16名、対して岡崎を根城にするルーラ松平明信は西三河を統一しサーヴァント数は280人から300人と推定される、約15倍の戦力差だが救いと言えば、松平は東三河のルーラと交戦状態に入っており、二面作戦を遂行しなければならず、全戦力は尾張方面に集中できないということ。

 第二に三国宣言がやらなければならないことは松平の首を取ることではないということだ。西方総司令官『石川 数多あまた』を討ち取り松平の西方進出に対する野望を挫くこと、それが俺達に課された目標である。


 宣戦布告をしたということは双方のサーヴァントが宣戦布告した相手に対しては名乗りを上げずに攻撃を開始できるようになるということだ。本物の戦争なら敵国を攻撃することは許されるが民間人を攻撃したら国際社会から厳しく糾弾されるだろう、サーヴァントは兵士扱いだ、いつ攻撃されるか分からない。


 機関銃手が二人で一組なように、偵察隊が一人じゃないように、三国宣言は二人一組制を導入した。決められた組は畳三枚以上離れることができない、破れば軍規違反となる。学生寮のペアには気の毒だが、三国宣言でないのなら追い出すことにした、まぁ八代はロリのサーヴァントだから俺の生活は変わりそうにない、武器は攻守両面に対応できる洒落ていながらも実用性の高い鉄扇だそうだ。


 永野はペアを追い出し、古賀を入居させた。

「さっさとで行きなさい!変更しておいた部屋は318よ。」

 強引な永野だからできる荒業で会合が終わってから30分で締め出すのに成功した。


 ハルナは学校でのイメージがあるため強引な真似はできなかったけど、学内では名士なのでペアに頼めば温和に出ていってくれた。

霧島は扶桑の部屋に、金剛は比叡の部屋に入居した。


 ハルナ程の名士でもなければ永野みたく強引に追い出すこともできない有栖川には猫を派遣した。


 サーヴァント同士で同じ部屋になり、二人一組制が完全に施行されたのは会合終了からたった2時間以内という驚異の早さで実行そして完了した。


 6時半頃ルーラ、サーヴァント合わせ19人は俺と八代の部屋へと集まり作戦会議を始めた。学園特区内にいなければ3日は接敵することはないが、学園特区内に松平方のサーヴァントが存在するということも考慮して、角部屋で学生寮の5階という襲われにくい場所が選ばれた。さらに部屋の外では扶桑、霧島の二人が護衛をした、敵が来ても首を飛ばせる人材だ。

 部屋の中では金剛が窓や扉付近を中心に魔紙を貼っつけて対策をした、魔力を吹き込めば小さな爆発が起こるように設計されているらしい、部屋が元に戻るような魔紙も設置されているので安心たぜ!とは言われているがやや心配。

 妹はドローンで周辺を哨戒して、迫りくる脅威の即時発見を担当した、そうドローンである、妹に与えられた武器はドローンだ。

 魔力の発信源を探知するサーモグラフィーを搭載し、カメラ内蔵で写真偵察も可能、味方には専用チップを持たせることで識別ができる。

 向かいのおばさんに渡したチップは黄色を示し、塩沢に用意したチップは緑色、そして三国宣言のサーヴァントとルーラが所持しているチップが青色を示す。

 背景色が白色で表されるため濃い色合いである、チップを持っていない他の勢力は赤色が指標だ。

 妹が偵察する限り、学園特区内は緑一色とのことだ。

 その他3人のサーヴァントが部屋内で護衛をしてくれる。部屋は狭いので他のサーヴァントは寮周辺を散策して警戒を強めた。緑一色とはいえまだいるかも知れないからな、それに同盟だからと必ずしも尾張連合から攻撃を食らうか分からない、連合組員は500人にも及び統制が取れているか怪しいし、あのチョビ髭親父のことだ、刺客を送って統制ミスという建前で謝罪してくるということも無きにしも有らず。塩沢は自分のサーヴァントでなければ見捨てることも多いと向かいのおばさんは言っていた。


 さて、会議はいつものリビングで伊藤、俺米内、ロリ、猫、の5人で進めた。

「まず敵情を知りたいニャ。」

 塩沢はある程度の情報は共有してくれた、 総司令官『石川数多』の所持する武器は2つでそのうち一つが刀系統の武器であるということ、松平には強力なスレイヴがいて、どんな兵器が投入されるか分からないということ、 学園特区の東隣の刈谷市には会合をした時点で10人以上は待機していること、などだ。

 勿論その後書面で宣戦布告状を書かされ、塩沢のサーヴァントを通して開戦したので松平方の戦力は相応に集結していることだろう。

「敵の大将の首を取ればいいんだよな?それなら刺客を送ればいいんじゃないか?石川は女に汚いと噂されているんだ。どうやら松平も金や女に汚く、そこんところじゃ意地汚い奴から出世するんだとか。」

「なら、永野を送るニャ!永野なら近接戦向きで迷わず殺せる性格ニャ!」

「まてまて、永野だと敵に取り入ることができるか怪しいぞ、あぁいう辛辣な言わゆるツンデレちゃんが受けるのか?」

 正直しばらく接して慣れてないと受け入れれないよなあの性格は。

「なら、比叡だニャ!将兵ともども焼き尽くしてくれる筈ニャ!」

「どんなサーヴァントであれ駄目だ!石川の居場所が分からないから無理だとは思わないか?敵の偵察隊も察知してくるだろう戦力を無駄に割くだけになるぞ。」

 伊藤の明確な指摘に提案者米内は俯いてしまつた。次にロリが手を挙げる。

「お前に作戦なんかあるのか?ルーラと言えども所詮小学生だろ。」

 ロリは伊藤の顔面を凹ませて、立ち上がった。

「な……なにするんだよ……」

見た目に似合わず鉄血君主である。

「えっとね〜袋の鼠作戦だよ!」

「いや……作戦名だけ言われても……」

 次は伊藤の腹が凹んだ、おっとここでロリのko勝ちだ〜。

「学園特区って出れる場所限られてるでしょ!だから入ってきた敵さんを出られないように交通機関を爆破するの!そうすれば食料不足でいつか死ぬでしょ!」

 戦争では兵站が切られるとまず負けることは確定する、だがルーラやサーヴァントの兵站は容易に断ち切れるものではない。

「米内、否定してくれ国への入国システムによって補給され作戦は水泡に帰すと。」

 ロリが腕を組んでドヤ顔をしている間に、俺は米内の耳元で囁いた。

「不可能だその作戦の本旨は達成されない!入国はパスポートがあれば世界中どこからでも出来るだろ!すぐに補給されちまう!」

 ロリはあっそっかと言う顔をして座った、ドヤ顔で合理的に否定されたがまだ幼いので羞恥心というものは発達してないようだ。


 その後も色々作戦を立案しては却下した、封建体制下の寡頭政治であっても時間がかかるのだ、いちいち国民に是非を聞いていたら間に合うどころかアルキメデスが円を見つめて数学に取り組むかのように、まさに考えている最中に殺されてしまいかねない。何か良い策はないか?会議の末、考慮しなければならないことはだいたい分かった。


・石川数多を殺すことの出来る策。

・相手より先に情報を得るような策。

・相手の性質に左右されない策。

・サーヴァント、ルーラであることを考慮した策だ。


 この全ての条件を完全に網羅できたかは分からないが、策を出さねば敗北必至だ。俺は次の作戦を提案した。







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