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第48話゛共同作戦

 1時間半後、撫月は日も暮れてきたので帰ろうとしていた。

「ほのちゃん、陽希お兄ちゃんまたね。」

しかし、ま〜たあのバカ猫が出しゃばる。

「ニャン!」

「きゃっ!」

 撫月に懐くアーサー、驚きと重みで撫月は倒れてしまった。

「おい!何やってんだこのバカ猫が!」

俺はアーサーの首を子猫づかみして撫月から引き剥がした。

「バカ猫とは何だニャ!このバカ殿が!」

「バカ殿っ!懐かしっ!やっぱりお前おじさんだろ!」

 アーサーが言う殿とは殿方という意味で男の人の二人称として1%の確率でそう呼んでくれるレア演出である。

「それより離すニャ!このアホ家臣!」

 アーサーは乱れ引っ掻きを繰り出した、俺には2回当たった。そして猫なので当然の様に足から着地した。

「きゃっ!猫が喋った?でも、私の空耳かしら。」

 撫月はきょとんと不思議そうにアーサーを見つめる。妹が全部説明してくれた、アーサーはサーヴァント獲得チャンスは絶対にのがさない。

 妹は一週間前にアーサーの配下に入った。毎日、野良猫が家に遊びに来るようになったということにしてアーサーに妹を懐かせ、しばらく戯れさせた。そして完全に猫を信用し家で飼おうか両親に相談しようかと思わせたところでアーサーは契約を持ちかけた、見事成功。


「へ〜、ほのちゃんも、陽希お兄ちゃんも……なんなの?そのサーヴァントなだ〜、撫月もなれる……かな?」

「いや、やめた方がいいサーヴァントってのはとても危険なんだぞ!お前の安全の為にも勧めることはできない!」

 撫月は申し訳なさそうにする。

「そう、そうだよね撫月なんかがなれないよね……多分弱いし。」

「そんなことないニャ!撫月とか?言ったかニャ?うぬは人間のサーヴァントとしての素質を感じることができるニャ、うぬの感によると……中々の素質ニャ!きっといいサーヴァントになるニャ!」

「ほ、ほ、ほ、本当?私、武術なんてやったことないよ。」

「武術?関係ないニャ、サーヴァントの感覚と人間の感覚じゃまた別ニャ!……で、どうするニャ?あとは撫月の希望しだいニャけど?」

 撫月は嬉しそうに言った。

「はい、喜んで。」

 計画通り。本当はサーヴァントとしての素質なんて分からない、全てはサーヴァント獲得のための作戦だ!

 俺が安全の為にサーヴァントになれないと言えば自信控えめな撫月は残念がるに違いないという予想は的中、毎回ボドゲで勝利すると喜んでいるのは自信のなさの表れだ。

 そしてアーサーが交渉を持ちかければ堕ちるという予想もまたまた的中、アーサーは帰宅中にもサーヴァントを二人獲得した。

 

 因みに俺や永野などアーサー配下の1年生が敵のルーラに襲われる心配がないのかというと証を学園特区に置いてきたからだ、長門高校に最後に登校した日、俺は体育館に行く直前に扶桑陽葵に証を手渡した。

 それにアーサーはこのビジュアルでもルーラの知人がおり(その多くは先代の友達らしい)

各地の知人ルーラにサーヴァントを守って欲しいという内容で連絡をしていた、しかもそのことを他のルーラにも分かるような形にした、おかげで反撃を恐れて敵襲は一件もなかった学園特区外では。

 いやそれにしても実家の向かいのおばさんが岐阜市内最強のルーラだなんて思いもしなかったが、安心感半端ない。

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