第47話゛仙石撫月。
1年生が自宅へと戻されてから2週間、学生寮が復活した。予定じゃ来年度までかかる予定だったが、その日の夜に一夜にして復活したのだ。
家に帰ってからというもの毎朝妹になんか言われて面倒ながらも退屈はしなかった。それに映像授業で普通に学校はあったし、部活だって俺の入部していた旧ボードゲーム同好会の者はオンラインで繋いで中学の頃と同様にボードゲームを楽しんだり、新入部員獲得のための会議などをしていた。
長門高校の部活システムは高校と中学に別れていて高校でまた入部届を出さなければならない、高校からの入学生に対しての配慮なのだと言う。高校と中学の部活はそれぞれ独立しているが、それぞれの部活で後輩先輩の関係を持つ部員が多いため、殆どの部活が積極的に協力している。
そして我がボドゲ同好会も新入部員獲得の企みを企てているのだ、企みを企てる?小泉か!
「お兄ちゃん!ボードゲームしよ!」
俺は自室の鍵を外側から閉めて学園特区へと赴いていた、そしてボドゲオタクの俺の部屋には何種類かのボードゲームが格納されている。
「だってお兄ちゃん帰ってこないと、あれで遊べないじゃん!それに今日は若い子可愛い子入ってますよ〜お客さん〜。」
「やめろその言い方!どこのガールズバーだよ!若い子ってJCだろ!・・・いやいいか、よし承ったすぐに我が部屋へいくぞー!」
若い子、即ち妹の友達は何人かいるが今日はそのうちの一人、『仙石 撫月』は妹の友達衆の中で最も物静かな人間だ。物静かな人間、ボードゲームにおいては、なかなかの才覚で感情が読みづらい、だから大人気ない俺は撫月がいるときはポーカー系のゲームは決してやらないことにしていた。なお他の友達が来なかったのは単なる偶然、塾や用事が重なった結果、来たのは撫月一人になってしまった。
撫月は物静かなこともあって妹以外の友達を見かけたことはない、もちろん妹の友達とは仲が良いような感じを出しているのだが、その時は必ず近くに妹がいて、どちらかと言うと友達の友達という感じだなと思った。
だがこれは俺が見る限りのことで、もしかしたら俺が見てない間に他の友達と会っているのかもしれない、妹が常にいると思い込んでいるのは撫月を家に来た時にしか見ないからだろう。
「はいこれで10ポイント撫月の勝ち〜!」
カタンならポーカーフェイスでそう有利にならないと思っていたが、資源がカードで他者に見せないというルールがあり、且つプレイヤー同士の資源交換があるというのを忘れていた。
撫月の持ってるカードについて見解が及ばなかった。次に俺が上がったそこはボドゲ同好会の意地、妹に負ける訳にはいかない。
「よし!上がり〜!炎火、悪いがこれが兄の実力だ〜!」
「お兄ちゃんの意地悪〜!」
意地を見せたら意地悪と言われた!確かに大人気なさは認めるけど!
「いや!これがゲームだ!大人気ないことは確かだけど!」
炎火は頬を膨らませてプイプイしていた。
その様子を見てクスクス笑う撫月であった、全くどういう心情なのか甚だ疑問だ。




