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第46話゛アナキラフィシー

 永野の受験は成功した。無事に第一志望の中学校に入学したのだ。これで恋敵として逆恨みされることもない、救われたのだとそう思っていた。

 入学してみると公立とは違うモダンで綺麗な校舎に胸躍る気分になった、永野はバスケットボール部に入った。集団スポーツそれは永野にとって危険だった特に向上心と自尊心の高い人間が多かったその中学校において。


 真面目人間なところがある永野は毎日の朝練やテスト期間中でも勉強するのと同時に自主練を怠らなかった。その甲斐もあり成績はぐんぐん伸び、授業態度や学業成績もいいことから顧問に気に入られ、創設以来5人目の1年生としてのレギュラー入りを果たした。

 だがレギュラー選考を僅差で落とされた3年生の北条桜は悔しさを抱えていた。選考は本当に僅差だあと1本シュートを決められてさえいれば桜が選ばれていたことだろう、彼女も彼女なりにこの2年間努力を続けてきた、望意外のレギュラメンバーは全員3年生でその殆どが桜の友人であるという意味では悔しさそして寂しさがあった。


 永野がレギュラー入りしてから最初の試合桜はアシスタントリーダーとしてチームを支えていた。選手たちの健康状態や休憩中の差し入れなどチームにおいて重要なポジションである。

「はーい、ポカリ取っててね〜!」

 前半戦で永野達の中学は快勝していたこの調子でいけば負けることはない。そして予想通りその後も失点などせず、予選突破を果たした。永野はスリーポイントから3本も得点を入れ大きく貢献していた。

「いや〜望ちゃんは期待の新星だな。」

 キャプテンからの労いの言葉が嬉しくてたまらなかった。


 予選を突破したあと準々決勝、準決勝と首尾よく勝ち進み、決勝戦を迎えていた。永野の中学校はいわゆる進学校で毎年準決勝止まりだったこともあり、学校全体が応援していた。

 相手校は毎年、全国大会出場の強豪校で勝てる見込みが少なかった。にも関わらず永野の中学は準決勝で沸き立っており、期待の新星と噂されていた。永野に大きなプレッシャーが懸かる。

 しかし蓋を開けてみると相手校は去年の3年生が抜けて弱体化されており前半戦で勝機を得ていた。

「これ〜学校から届いたの!見てみて!」

 そこには大きな布に応援メッセージがびっしりと書き込まれていた。

「よし!勝って全国大会いくぞー!」

「おう!」「おう!」「おう!」「おう!」「おう!」

 キャプテンの激励で奮い立つレギュラーメンバー確実な勝ち筋が見えていた。


 だが相手校は全国に通用する強豪校だ作戦を練り直し、本領を発揮、巻き返してきた。

 そして両校3ポイントずつ取れば、どちらかが勝利を収めるという白熱の展開に、キャプテンがスリーポイントを狙うしかし、それはブロックされた。

「あぁ〜欲しい〜!」

 そしてボールを取り返した相手校の選手たちの見事なパス裁きでアタッカーにボールが渡りスリーポイントを狙う、ブロックに入ったのは永野だった、しかし後半戦に入ってからしばらくして靴ずれが酷くボールを逃してしまう、勝利は逃げて行った。


 決勝戦から1週間後のことだ永野は再び人間からのイジメに合うようになる、あの時の記憶がフラッシュバックする。そして永野は中学を中退し家に引きこもるようになった。心理的にアナキラフィシーショックを受けたのだ。桜は永野が辞退した日に全てを明かした。

「実はね永野さん、靴は敢えてズレる様にしていたの、私だって古くからの友人とは同じ立場でありたかったからね、中退してくれてありがとう。」

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