第45話゛妬み。
私は恨みを買っていた、小学4年生にもなると身体差が見える形で多くの人に知られる。 心ちゃんもまたその特徴を気にしていた。女子の中でも可愛い子、ブスな子、イケメンな男子、生理的に無理な男子などを格付けたノートが出回りもはや規範を元にした平和な教室は虚構と化していた。
そのノートにはもちろん私の評価も記載されている。
学年で一番、美人で頭が良い。いつも優しくて助けてくれる。慕っている友達も多いという一方で。
正義面をしていてどこか気に食わない、発言が強すぎて浮いた存在、羨ましいと思うと同時に憤りを感じる。
という妬みの感情が募っていた。
そして先の事件でその感情が表面化することになる。
私は昼放課に担任の先生に報告をした、男子達はすぐにしょっぴかれ反省した模様だった。そして帰りの会で担任の先生は再発防止のためにこの題材を取り上げた。
「えー今日はとても悲しいことがありました……」
詳しいことまで説明する先生、今にして思えば余計なことだった。心ちゃんはバカにされたことを公に晒されたのだ。憤怒の感情がこみ上げる、そしてその矛先は私に向けられた。
次の日から私は惨状を目の当たりにする、それは自分に対するイジメだった。目の当たりどころか体験をした。すぐに児童相談所や警察にお願いして制裁をしたい気持ちでいっぱいだったが、私は慕われていた、そして慕ってきた仲間までもがイジメに加担までもはしないが黙認する構えをみせる。
しかしまだ加担はしていない仲間との関係性を壊したくない、だからこのイジメは一時的なもので、すぐに収束するだろうと信じ堪忍袋を切らずにいた。
だが次第に群衆の狂気はエスカレートした、遂に主犯格のクラスメイトがピリオドを打つ。私の古くからの親友で家も近かった亜希子ちゃんは特に信用していた、子供会のイベントでもずっと一緒にいるほど仲がよかった、そして亜希子ちゃんは裏切った。
母はたまに実家に帰ってくる、そのたびに世界各国の土産を買ってきてくれる、まるで万国博覧会のようで我が家の密かな楽しみでもあった、特に私が気に入っていたのは5歳の時に買って来てくれたトルコ産のシルクハンカチでいつも持ち歩いていた。
それを目の前で燃やされた。亜希子ちゃんはライターを右手で持ち私に塵と化す瞬間を見せながら言った。
「前から思ってたんだけどね、あんたのこと嫌いだったのよ。」
私は悲しかったとは言ってもハンカチを燃やされたということよりも、亜希子ちゃんが不登校になったことの方がもっと私の心を締め上げたリーダー格の女のことは邪悪な蛇だと思った、早いうちに私も不登校になった。
ハンカチが塵に返してから2週間後主犯のいじめっ子は逮捕された。亜希子ちゃんも起訴されそうになっていたが私の頼みで示談で済まそうと進めた結果、ハンカチの弁償代4620円を払うという形でそれ以上訴追されることはなかった。主犯格の供述によると心ちゃんから、私を最も蔑んだのは望であいつが全て悪いと相談を受けていた。主犯格の子には好きな男の子がいた、しかしその男の子は私に好意を抱いており、大変嫌な思いをしていた。そういう過程もあり主犯格の子はクラスの女子を動員して私をイジメた、クラスの女の子達には妬みの感情を持つ者も多く賛同が得れた。
この供述を聞いて私は中学受験を決めた。この時は結局、恋というものが私に苦しみの結果を与えたと感じたから、女子校へと進学すればこういう騒動は起きないと信じて。




