第42話゛学園特区中央駅
俺が自家用車。
永野、古賀の二人が航空機で帰宅する中、別の交通機関で帰宅する者がいた。
「だぁ〜検問だりぃ〜。」
電車では様々な方法で犯罪行為が出来てしまうため、自動車に比べて検問が厳しかった。荷物を全て検問して、金属を見つける機械をくぐり、検問官による物色を入念に受け、書類を提出と徹底的な検査が行われる。
そして検査を全て乗り切り有栖川は2番ホームからJR名古屋方面大垣行へと乗車した。
その後電車は鉄輪を回し線路との摩擦音を轟かせながら北上を始めた。残念ながら有栖川を乗せた列車の前を走る列車が人身事故を起こしてしまい1時間の遅延をしてしまった。
自殺だろう、全く迷惑なこった。そんなこんなで有栖川とその母親は指定席を予約していた新幹線を逃してしまった。
「え〜まもなく名古屋〜名古屋〜でございます3番線の到着でございます。列車は57分の遅延で到着いたします、ご迷惑をおかけしまして大変申し訳ごいませんでした。
本日も東海道本線をご利用頂きありがとうございます。」
有栖川は名古屋駅に到着した、ここから新幹線に乗り換え、自由席だ。
「とその前に腹が減ったから、おやつの『きしめん』を!母さん5分くらい待っててくれ。」
「若いのはいいねぇ、いいよもう指定席の新幹線は行ってしまったし。」
名古屋駅ホームと言えば『きしめん住吉』がありワンコインきしめん、蕎麦を楽しむことができる。名古屋駅に行くなら最もリーズナブルなローカルフード住吉のきしめんを食べるべきだ。
こうして有栖川は食券を購入し、ものの40秒で提供された、勢いよく麺をすすり、湯気を立て『きしめん』を3分で平らげた。ムスカ大佐も驚愕のスピードで。
「さぁ食った食った。」
JR本線から東海道新幹線までは直接行けるが
有栖川の母は祖父祖母から頼み事をされていた。
「そうそう、おじいちゃんとおばあちゃんに頼まれていたんだけど『ぴよりん』を買ってきて欲しいんだって。」
『ぴよりん』とは崩れやすい、ひよこ型のプリンである。
「えっ!京都まで持ち帰れるの!?」
そう『ぴよりん』は崩れやすい、ぴよりんチャレンジと呼ばれる自宅まで無事に持ち帰れるかを競う遊びが流行るほどだ。しかし有栖川の母はそのことを知らない。
だって頼まれただけだもん、ただでさえ有栖川の迎えだけでも大変なのに、買い物まで頼まれて多少なれどうざったく感じていた。 だが買い忘れれば祖父祖母のしつこい京都弁で責められる母も学生時代から悩まされていた。
「京都まで1時間半よ、大丈夫大丈夫。」
有栖川はそれ以上言及はしなかった。
『こだま号』に乗り岐阜羽島を超え、俺と同じ風景を見て、琵琶湖の南をぐるりと回って彦根に到着。
「まもなく彦根てす、本日も東海道新幹線をご利用頂きありがとうございます。」
有栖川はおやつの駅弁を食べる。
「もうすぐ京都か近いなぁ、こんなに近いとリニアができたら駅弁食べる時間がねぇぜ。」
東京と名古屋には来年リニアモーターカーが開通する、大阪〜名古屋間にも開通する日は近い。
京都に到着すると有栖川の兄が車に乗って出迎えてくれた。有栖川の兄は現役京大生でよく気の利く兄だと言う。
「ありがとねぇ、智也が車出してくれて助かるよ。」
有栖川の母は車の免許を持っていない。そのまま有栖川家は帰宅したのだった。
その頃俺は中学1年生の妹に土産をねだられていた。




