第36話゛俺、登場しない3
「うっし、ここからは早回しでいくぜ。関西弁を使うまじ関西人比叡はな、大阪府堺市出身の16歳、身長162センチウエスト60だ。
武器はヒバの魔杖でこの武器は48センチのいわゆるワンドという種類の杖で、わかりやすい例はハリー・ポッターの不死鳥の杖と酷似している。
比叡曰くユニバの魔法の杖なんやないか思ったで、だそうだ。」
早回しというだけあってかなり早口だ。
頭のいい人は早口になりやすいというが、ここまで早口か、その様子はオタクが好きな分野に聞かれて答えているのと同じような感じだった。
「はぁん、よう知っとるな。」
「中学からの付き合いだからな。」
「それにしてもいかさんにしてそんな細かいこと知っておるん?」
不思議そうに、長年連れ添ってきた仲間だが怪しく思って比叡は問いかけた。
「それはだな……あまり言いたくないんだけど……言っても怒らない?」
「なんや言ってみ……」
静かながらも怒りを前面に押し出す比叡、明らかにもう怒ってる、だいたいわかってるようだ、もう怒ってるなら言っても怒らないことには変わりないが。
「それがな……私結構洞察力がよくて教室くらいの広さにある情報わかっちゃうんだよね、それで身体測定の時にちらっと見えちゃって……済まない!」
「違うクラスなのによう見えたな、あぁ同じクラスだったら先に身体測定が終わる金剛はんは見えへんもんな……」
そうやって静かに、その時の状況を把握しながら同じく静粛ながらヒバの魔杖を机の下から現し、金剛に向けたかと思うと小さくはないが、店内にいるので迷惑をかけないようにしようと大きくはない声で呪文を唱えた。
「炎よ弾となりてとべナパーム!」
比叡は魔導書を膝に置きながら炎弾を出す、サーヴァントで魔法使いなら誰でも使う初心者用の魔法ナパームを使用した。
山本が失敗したあれだ。使用者即ち比叡は魔法使いとしての才覚があった、ただし古賀とは種類が違う。
古賀が長杖で比叡はワンドである。古賀はマイペースながら自分の中で魔力を組み上げ顕現させるのが得意な一方、比叡は悪くいえば短気、よく言えば「聞き取れない」と言えるまでの瞬間に呪文を唱え、瞬く間に自分の思うままに魔法を現実へと引っ張り出す。
古賀が大砲だとすれば比叡は機関銃である高度な魔法を使用できない初心者の状態である二人にとっては比叡の方が実用性が高い。
だがいくらその勝っている要素を含む比叡であろうと金剛に対しては無力だった、魔法使いにとって最も苦手な相手は何か?
それは魔術師である。
「火を消し我に安寧を、アボカド!」
ゴウゴウと燃えたかる炎は消火などできない勢いだった、その軌道上に可燃物である筈の紙をかざす金剛、触れた瞬間光は煙へと変貌を遂げた。
しかし初速は変わらず白い煙が浦島太郎バリの濃度で金剛の顔に吹きかかる、おじいさんいやおばあさんになってしまうのではないか。
「げぼっ、げぼっ!ま〜た失敗しちまった、おい!比叡いきなり人を焼き殺そうとするなよ!」
そうこれは失敗なのだ真に成功すれば炎は魔力へと回帰し魔術の使用者が吸収できる、さらに高等テクニックとして吸収した魔力を作り変え自分の魔力同様に扱い反撃を喰らわすことも可能なのだ。
しかし魔術師つまり魔紙を主武装とする場合かなり鍛錬が必要となる、サーヴァントの持つ武器で現在最も扱いが難しい武装なのだ。
「すまん、すまんついかっとなってまってな〜やってまったんや。」
「比叡そんな犯罪者じみたことをするな!火を使う犯罪は罪が重いんだからな!」
「なんや、まだ焼き殺されたいんか?」
「うぐっ」
遠距離武器じゃ短弓よりも扱いは楽なワンドに比べてみれば未成熟な魔術師は相手ができなかったのだ。
そういう具合でレコードの魔術師からほんまもんの魔術師になった金剛は言及をすることを恐れ早々と安心するために安堵するために自分の武器などについて話すことに決めたのだ。




