第32話゛俺、斬り合う
「来たれ明治維新!」
俺は走りながら武器コードを叫び散らし、その速度を維持するどころかより速めながら帯刀し薩摩武士の格好となる。
西郷隆盛に比べてウエストがない俺がこの格好をすると少し不格好な感じがするのだが、そんなことはいつものこと永野を葵の紋に見立てて本気で殺しにかかるモノローグなので仲間の殺害もいとわない、そして抜刀する居合ではない薩摩拵は打刀だ。
居合には向いていない「るろうに剣心」では薩摩示現流が完全に噛ませ犬になっていたが今度は大丈夫だ俺は主人公なのだから。
訓練の甲斐があり前の戦いさらに前の前の戦いに比べてより正確に刀を振り上げ人を斬るモーションへと入る、よかったモノローグでも自分の腕前が反映されるみたいだ。
だがしかしそれは永野にも言えることだった永野はスカートについているポケットに携行していた刃渡り13センチほどのナイフをポケットを鞘に見立てて抜刀し薩摩拵の側面を叩いたと同時に身体をくねらせ体躯を活かし俺から見て2時の方向に避けた。
ズドンと刀が地面に落ちる、永野の髪とスカートが揺れる。
「モノローグは返して貰うぞ!」
刀を構え最後通牒を言い渡しモノローグの返上を頼む。
「わかってる?ここはもうモノローグじゃないわモノローグっていうのは独り言ってことでしょう?私と貴方がいる地点でこの場はモノローグから対話を意味するダイアローグへと化したのよ!」
くっくそ!あいつの言ってることは間違いじゃないってなんであいつはこの俺のモノローグに入ってこられたんだよ!
そして元モノローグの中で俺はモノローグを語っている、マトリョーシカだここにまた永野が入ってきてダイアローグになってその中にモノローグができてどんどん小さなマトリョーシカが作られていくじゃないか!
ダイアローグの中のダイアローグの中のダイアローグの中のダイアローグの中のダイアローグの中のダイアローグの中の………………モノローグみたいな紛らわしい世界ができてしまうのではないかそういう危機感を感じる。
「陸奥平泉!」
とうとうどちらも抜刀してしまった、永野は戦闘着を明治時代風の袴に変更しており動きやすさが前よりも高くなっていた、武器を構え戦闘は避けられない状況。
俺は二の太刀を振りかざす右足で地面を蹴り上げ左足を前に出して急加速した、永野も刀の先を後ろに下げ助走をつけてきた。俺の上からしたに振り下ろす稲妻と表現できるような太刀が雷光の輝くかの如く落ちる。
それに対して身体をくねらせ刀を右から左へと回転させる永野の刃は水に波紋ができるようなきれいな円を描いた。
雷が落ちそこに波紋ができる。水の色と雷の色が混ざり合う場所には火花が散った。 それと同時に風を斬るような轟音が響いた。
そして三の太刀、四の太刀と幾度か刃と刃が当たる、そのたびに鋼の打ち合うやかましい音が伝わった。
薩摩示現流は二の太刀いらずで知られているが一撃で倒せない相手にはちゃんとその対策方法がある、といっても俺は薩摩拵を使っているが薩摩示現流自体は使っていないからあまり語る意味もないのだが。
そして50回ほど打ち合いを続けたことかとうとう俺の勝利が訪れたそれも望まない形で。




