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第27話゛俺、奢る

ホテルの中は暖房が効いていて暖かかった。


それまでは凍える帰路を四人で歩いていたのだが、永野が用事があるとかなんとか言って先に行こうとしたので有栖川はそれについて行った。

一人で歩くのは危ないとアーサーが言っていたので俺は消去法的に残りの道は古賀と二人きりで歩くことになった。

これもどこかデジャヴを感じる展開だ。古賀があまりにも身震いして寒そうにしていたので俺はブレザーを脱いで被せてあげた、ダウンジャケットとか持っていたらよかったんだけどごめんな古賀これで我慢してくれ。


「そんなことしなくても大丈夫なのですよ、ブレザーの上からブレザーをかけてもあまり暖かくならないのですよ、それよりミスター山本……そのワイシャツ姿ではこっちまで寒く感じちゃうのですよ。」

それもそうか羽毛布団の上から羽毛布団を被る人は居ないもんな、そんな偽善行為をした自分を恥じた。

そしてゆっくりとおもむろに古賀に被せていた自分のブレザーを剥ぎ取り袖を通し、しっかりと前のボタンを閉めた。


古賀と歩き出してから少しして自販機の光が見えてきた。俺は走り出しすぐに自販機に500円玉を入れた。 

「え〜と何がいいのかな?」

迷った末、午後の紅茶を2本買った。お釣りは200円丁度出てきた。

「急に走り出してどうしたなのですか?」

俺は2本買った午後の紅茶のうち1本を古賀に差し出した。

「はい俺の奢りだ遠慮なく貰ってくれ!」

古賀は少し困った表情になる。

「どうしたのですか?私奢られるようなことしてないなですよ。」

受け取って貰わなきゃ困る俺の偽善行為がまたしても無駄になるし手荷物が増える。なら買うなって、そう自分に心の内でツッコミを入れてみた。


「さっきのお詫びだよ。寒そうな格好して寒そうだな〜って思わせちまったお詫び。」

無理のある言い訳だった。しかしこの寒さに負けたのか古賀はその小さな白い手で午後の紅茶を握りしめる、手がほのかに赤くなる。

「ありがとうなのですよ。」

そう言って俺に笑顔を見せた。物理的な暖かさと心理的な暖かさの両方を俺は手に入れることに成功した。計画通りだぜ! 

 

こうしてやっとのことでホテルに到着した今日まではホテル代が親負担となっていたから気が引けたホテル生活だったが、学校負担へと変更されたから少しは気が楽になった。

そして10階でエレベーターを止め古賀と別れた。


その後はあのトラブルメーカーの猫アーサーが居ないこともあって何の問題もなく1日を終えようとしていた。しかし突如俺の部屋のドアをノックする奴がいた。面倒事の匂い。でなければもっと面倒事になる、俺は生返事で返事をし戸を開いた。 

「は〜い、戦ですか?戦争ですか?」

やはりそこにはトラブルメーカー猫アーサーがいた眠りから解放されサーヴァントを戦へと駆り立てようと赤紙の配布ですか?


「アーサー、戦か戦争か?」

「そんな物騒なことはそう毎回毎回起きないニャ、山本すっかり忘れているニャ、く・ん・れ・ん!」


そうだった休日の日曜日を挟んでいたからすっかり忘れていた、訓練があるということを。日曜休みで訓練か、ただでさえ月曜日はサザエさん効果、アメリカではブルーマンデーと言われるほど世界的に憂鬱な曜日なのにこいつのせいでその憂鬱感は増幅しそうだ。

「あぁそうだったな。わかったよ訓練すればいいんでしょ。」

「何故そんなに嫌がってるニャ、訓練しとかないと次襲われたら死ぬニャよ。」


なんちゅー脅しや。あぁ関西弁を話す人に出会うとモノローグまで関西弁になるのか。にしてもパワハラ上司アーサーの脅しは度を超えていた。

グチグチ考えながら訓練へと向かった、もうアーサーのことを考えると猫は愛らしくも可愛いらしくもない。


国内に入ると新旧サーヴァントが勢揃い。待てよ金印がないのにどうやって入って来たんだ新サーヴァント達よ。

「なぁオルド新サーヴァント一同は何故ここに来れたんだ証まで結構距離あるだろう。」

オルドは答えた甲冑なので表情は相変わらず分からない。


「パスポートさえあれば距離は関係ありません、以前はフランスに住んでいる方が日本にある証まで来れましたからね。」

疑問は深まるばかりだ、何故日本で戦うのにフランスのサーヴァントが必要なんだ?いても、訓練でバリ強くなっても実戦で駆けつけれないだろ。

「フランスにいるサーヴァントって必要なのか?」 


「実は証の出口って2つあるんですよ、一つはそのままいた場所に返す方法と証のある場所に転送する方法です。」

さらに疑問がある。結局どんなに答えが出ても疑問が出続けるのは仕方ない、そうでなきゃ人生おもんないもんな。サーヴァントやけど。


「それって証を複数持っている場合どうなるんだ?」

「簡単ですよ証のある場所ならどこへでもです。」

「えっ!マジ、それって『どこでもドア』じゃん!」

「どちらかというとロールプレイングゲームのセーブポイントに近いですかね。証を移動すればスポーン地点が変わるのは日本のアニメ、ゲームで見たことがないんですけど、だいたいそうですね、まとめると移動するセーブポイントと言ったところです。」


はぁ〜早く証欲しいなぁ、そうすれば日本旅行いや世界旅行だって交通費ただで日帰り旅行が可能になるもんな〜!パリ、ロンドン、ローマ、草津温泉、ニセコ、ニューヨーク!まだ行きたい観光地は沢山ある。とモチベーションを上げて訓練へと臨んだ。


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