第二十話゛俺、控室で待たされる。
いつか言った言葉をもう一度言おう
「猫は可愛いが愛らしいという表現は間違っている。」
そうだ猫は可愛い、売れないユーチューバーでも猫の動画出せば一定数の再生を期待できるほどだ。
だからデフォルメ化された猫が戦うゲームが流行ったり、主人公のお供と言えば猫キャラというイメージがある。
イメージということは俺の感想になってしまう、つまりだ俺は猫は可愛いという主観を持っている、あのバカ猫を除けばの話だが。
「おいおい、あの猫どこまで行くんだ?場所間違いにも程があるぞ!猫だから目線が低くて見えなかったか?」
講堂側面の半開きとなっていた扉にはしっかりと、
「ここは控室です関係者以外立ち入り禁止」
と書かれていたじゃないか。
少し薄暗い講堂の裏の道を走り抜けて行くと縦状の一筋の光が見えてきた。
「みんないい?私たちの音楽であの事件の被害者のケアをしようじゃないか!」
「リーダーさすがや!気合入ってんな〜!」
「よ〜し私も頑張っちゃうぞ〜!」
「あんまり張り切りすぎんなよ京子、お前が肩の力入ってるときにはだいたいロクな事が起こらないじゃないか。お前のドラムが音外したらハルナは心臓発作起こしたみたいになっちまうんだからな。」
「うわ〜藍ちゃんがコードのような口調で私を虐めてくるよ〜、助けてよ〜リーダ〜。」
「まぁまぁいいじゃないか金剛、そんなに言わなくても、確かに霧島は音外すこともあるけど万全の支度をしてきたんだから、なっ大丈夫だよな霧島。」
「たくっうるせぇな流石はハルナの心臓と言ったところだな。」
「こらっ!バンドメンバーに悪口を言っちゃいけないでしょ!」
「ちぇっリーダーが言うなら仕方ないか。」
「り〜だ〜!あり〜が〜とう〜!」
「いいってことよ、あんたは私のバンドメンバーなんだから守って当然よ。」
「リーダーさんよ!なら私もバンドメンバーだぜなんで霧島ばかり贔屓するんだよ!」
「今回は金剛に非があると判断した、もちろん判断は私基準だ!すまんな金剛!」
これを聞いた金剛は不貞腐れていた。
「ほんとこの猫いい子ですね〜。」
アーサーは比叡結那の膝の上で四肢を広げた状態で腹を撫でられていた。
「ちょっと待った〜!その猫どこから出してきたんだよ比叡〜!」
ハルナのメンバー3人は揃って渾身のツッコミを入れてきた。比叡は関西弁を使うんだから立場逆だろ。ほんま感じちゃうわ〜。
「猫さん普通に正面から入って来てたで、そんなんほんま可愛いな〜。」
そう言ってなおも撫で続ける。
タッタッタッタ。
「誰か走ってきているみたいだな。」
「なんや猫さん飼い主おるんか〜?」
俺はようやくあのバカ猫に追いついた。
「おいバカ猫!こんなとこまで走らせやがって!」
ハルナのメンバーがいることは考慮していなかった。
「ほんまひどいなあんたの飼い主さん、そないなこと言うやつはロクな奴やないで、絶対動物虐待しとるで!」
俺はやっと人がいることに気づく。
「済まなかった!いきなり入って来てしまって!」
比叡は俺に説教を始ようとした。
「うちが怒っとんのはそないなことやない!」
しかしライブのまでの時間がなかった。扶桑が止めに入った。
「おい比叡!説教はあとにしてくれライブの時間だ!」
「しゃ〜ないな、あとでみっちりこってりお説教してまうから、ちょいと待っとんな!」
比叡はぷいぷいしながらライブへと向かっていった。




