第十九話゛俺、走り押し入る。
午後の授業には若干の空腹感を残していた、やはり助け舟を出すべきではなかったのか?と思う程飯の量が少なくなったていたからな。
5時間目、6時間目が過ぎとうとう終礼の時がくる。藤田先生が諸所の連絡を入れ終わろうとする時、俺は藤田先生に呼ばれた。
「山本はこのあと私のところまでくる来るように。」
朝のことだとは思うけど先生呼ばれる時って測り知れない緊張感があるよな。俺なに言われるだろう。
「起立!礼!」
号令係りの礼で解散すると俺は教卓のところまでトボトボと歩いた。
「山本、最近大丈夫か学生寮の件からだよな、学生寮の件でのカウセリング保健室でやってるから行ったらもう少し楽になるんじゃないかな。」
やはり朝の件だった、カウセリングとは精神科送りの一歩手前、執行猶予というところまで来ていたか。俺は丁重にお断りした、だいたいそんな学校が用意したカウンセリングなんか当てにならないハルナのライブで心を震わせたほうがずっとカウンセリング能力が高い!
「大丈夫ですよ俺はちょっと疲れているだけだから、いや〜昨日遊びすぎたな!」
朗らかに答え、近くにいた米内の肩を組ませる。俺は米内の耳元で。
「今は合わせてくれ……」
と言い米内もこのノリに合わせる。
「そうなんですよ、コイツ遊びすぎですよ俺ももうヘロヘロで。」
証人がいることもあり、藤田先生は俺をすぐに解放してくれた。こんなところで足止めを食らっている場合じゃないハルナのライブが始まっちまうだろ!
永野は終礼そうそう走り去って行ってしまったし、あいつもなかなかミーハーなところがある。廊下ダダダという大量の人間が走る音が轟いていた。米内の肩を返して走り出す。
「ちょっ!待てよ!」
俺は聞こえず走り去り敢えて遠回りするルートにはいった正規ルートでは渋滞に巻き込まれ遅れることは必死。
ここでいう遅れるとは開始時刻に間に合わないという話ではない、講堂の席が満席となれば遅刻というのだ。もうこの時には定員の半分が講堂の席に着席していた。俺が階段を1階まで下りきり学園講堂の入り口の反対側まで走りきったところであのバカ猫が妙な行動をしだした、学園講堂側面の半開きになったドアの中へと走り出して行ってしまったのだ、追いかけては間に合わない俺は悩んだが、猫のためというよりはハルナのために追いかけることにして生ライブは諦めた。
「クソが!このバカ猫が!」
というのも側面のドアの先には演者の控えとなっている。つまりそこには万全の準備をしたハルナのメンバーがいる。あのバカ猫を乱入させる訳には行かない!全力疾走で追いかけるが人間が猫に追いつけるわけがないなんたってかのウサイン・ボルトでさえ家猫の平均的な走りに追いつけないのだから。
結局、俺は控え室まで走ることになってしまった。
今回字数少なめですいません。