第七話
「あっ、その手があったわね・・・!」
「どうした、フィオナ。」
「・・・・わたしのそばにいられる方法が一つだけあるわ」
「・・・!方法ってなんだ?」
「悪霊じゃなくなればいいのよ」
「どうやって?」
「浄化の魔法を使うの。・・・ただ、力を消すのは痛いだろうし、魔法も使えなくなるよ」
「いい、どれだけ痛くてもいい。フィオナと一緒にいられるならなんでもいい」
ロマーノがこんなにわたしのことを思ってくれていたのに、どうしてわたしはずっと逃げ、避けてきたんだろう。
「分かった。・・・・スキャル」
魔法を放つと、ロマーノの体が黄金色の煙に包まれ、眩しくて直視できないほど光る。
しばらくすると煙が消え・・・元々の黒髪が綺麗な金髪になり、深紅の瞳が薄い桃色へ変わった。
「これで終わったわ。」
「なんだか、生まれ変わった気分だ」
「そうかもね。じゃあ、世界をつくろう。あなたが皇太子でわたしは公爵令嬢ね。それなら聖女のままロマーノと結ばれるし。」
「やっぱり俺の事好きだったんじゃん」
「ち、違うわよ!・・・で、名前はどうする?」
「俺はロマーノがいい。」
「じゃあわたしもフィオナにしようかしら。」
「・・・ありがとう。願いを叶えてくれて」
「いいのよ、わたしもいつかこんな結果にたどり着けないかなって思ってたから」
「フィオナ・・・」
「まあまあ、ここからが勝負よ。わたしの魔力を回復するために、空白の時間を作るわ。そしたら転移して人生スタートだけど、そのまま結婚・・・ではないから、頑張って。」
「なんで俺が頑張る設定なんだ?」
「だってあなたのために悪霊から人間にしてあげたのよ。それに、白馬の王子様はお姫様を迎えに来るでしょう?」
「はあ・・・。わかったよ」
「じゃあまた30年後に会おうね、ロマーノ。」
「ああ」
本編完結
続編もございます✨️
「聖女と皇太子」という名前で投稿してます!!
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