第一話
次回更新は11/1です お楽しみに!
「ソフィア、手を掴め!」
「ザカリー!今いくわっ・・?!」
燃える皇宮から逃げるため、婚約者・ザカリーの腕を掴もうとすると、反対の腕を後ろから掴まれる。
「・・・やっと見つけた、俺の花嫁」
その男は、「悪霊」という言葉がピッタリな見た目をしている。
片角に真っ黒な長髪で深紅の瞳。動く事にしゃらしゃらと音がする、装飾が沢山付いた露出度が高い服を着ている男が、わたしの腕を掴んでいた。
「や、やめて!助けてザカリー!」
「ソフィア!なにがっ・・・?!」
ザカリーがこちらを振り向く。
「俺の花嫁が世話になった。じゃあ」
悪霊のような男が私を連れて燃える皇宮の方へ行こうとするのを止める。
「ちょっと待って!あなたは誰?わたしには・・・」
「ああ、名乗り忘れていたか。俺は悪霊・・・ロマーノだ」
「「悪霊ロマーノ・・・?!」」
「なんだ、存在ぐらいは知っていると思ったが。自分たちに都合がいいことしか教えないんだな」
「というか、わたしの婚約者の手を離して頂けますか?彼女は・・・」
「彼女がなんだ」
「わたしはトルティア帝国の皇女、ソフィア・トルティアよ。なぜ花嫁と言っているのかは分からないけれど、その手を離してもらえる?」
「ははっ。・・・こんな山なんて一瞬でまっさらだぞ?」
ロマーノがわたしの耳元に顔を寄せて囁く。
わたしの作った帝国を山呼ばわり・・・
身を守るために彼のことを知らないふりをしていたけど、もう限界だ。
「・・・あんたがその気なら躊躇しないわ」
「ソフィア、危険だ!」
「ザカリーは私の前世のこと知ってるよね?」
「でも・・・」
「やっぱお前はフィオナの生まれ変わりだったんだな」
「フィオナってもしかして・・・」
「わたしの前世の名前よ。ザカリー、ここはわたしに任せて国民を避難させなさい」
「でも・・・」
「皇女の命令よ。それに、こんな奴に負ける気しないし」
「ソフィア・・・頑張って。何もしてあげられなくてごめん」
「ううん。ザカリーが国民を守ってくれたらそれで十分よ」
「おいおい人間、俺の花嫁に手を出すなよ〜」
意地悪い笑みを浮かべながら肩に手を回してくるロマーノを、魔法を使って引き離す。
「言っとくけどロマーノ、あなたの妻になることは無いわよ」
「おいおい、悲しいこと言うなよ〜。だって、なんでもいいってお前がいったんだろ?」
「あれは別。・・・というか彼らへの脅しに使っただけよ」
「おぉっ、聖女フィオナ様怖い〜」
「その呼び方はやめてって言ってるでしょ。ただ魔力属性が特別だっただけなんだから」
次回更新は11/1です お楽しみに!