登場人物08 妖精男爵の皇族姫
妖精貴族の皇族姫
外れ皇族と呼ばれるラキスは、子どもの頃、一度だけ行った王国で、妖精男爵の養子アランに婚約を申し込まれる。大臣によって妨害されるも、王族ポーを隠れ蓑にして、文通を続けることで、ラキスはアランへの想いを募らせることとなる。
十年に一度の舞踏会で、再会したアランは、皇族であることを証明し、ラキスの婚約を認めさせ、王国に連れ帰る。しかし、ラキスは妖精に命を狙われており、その妖精を捕縛するためにアランが婚約を申し込んだことを知ってしまう。そのため、ラキスは最後まで、アランの想いを受け入れられず、最後は目の前でアランを失うこととなる。
アラン
妖精男爵の養子。
死んだはずの皇族エリカと、死んだはずの男爵子息ロベルトの間に生まれる。本当は、生まれてすぐ死ぬはずだったが、リリィの加護により、役目を持って誕生する。その役目は、ある一族の寿命を盗る悪い妖精を捕まえて、神の御許に送ることだった。そのため、個がなく、人の真似事をしているだけだった。それも、王族のパーティで皇族ラキスに出会い、ラキスを強く求めた。ラキスが妖精に寿命を盗られる一族であることから、妖精をおびき寄せるためにラキスを側に置こうとしたとエリカは考えたが、実際はどうなのか、不明である。最後まで、神から与えられた役目を死を持って全うするも、最後までラキスのことを語っていた。
ラキス
皇族。
妖精に寿命を盗られる一族の血筋である。城では、迂闊に手を出せないため、妖精が、皇族たちを使って、どうにか殺させようと動いていた。そのため、一度は、王国に帝国代表として出されるも、アランの出会いにより、命拾いをする。
アランか散々、求婚を受けるも、悪い妖精の囮扱いだと最初に言われてしまったので、アランの死の際まで、受け入れることが出来なかった。そのため、アランの死後、アランに操を立て、アランの代わりに出来ること全てをやって、立派な皇族となった。
パリス
妖精の子孫。妖精男爵の使用人。
ラキス付きの使用人となった。アランの命令は絶対で、アランの死後も、ラキスの身の回り、護衛をこなしていた。
タバサ
平民。使用人
ラキスの曾祖母の代から代々、使用人として仕えている。雇い主は祖母の双子の兄である、皇族失格となった子爵である。
エリシーズ
皇族。女帝。
アランの母エリカの双子の姉妹でもある。エリカのことを嫌い、妖精憑きでなかった身の上だったために自らを低く見ていた。その隙を妖精に操られていた。アランによって、皇族に悪さをした妖精は排除されるも、エリカへの嫌悪は消えなかった。
クーデター時に妊娠していた子は無事、出産したのだが、妖精男爵の養子アランの転生体だと言われ、大変なこととなった。
ライアン
皇族。
皇族殺しのアランを師と仰ぎ、尊敬と敬愛を持っている。エリシーズのことは、頼まれたから気にはかけているが、それだけである。
妖精憑きの力があり、道具を使うことがそれなりに出来た。そのお陰で、クーデターの時、エリシーズの身柄を連れて、王国に逃亡し、妖精男爵の養子アランに助けを求めることが出来た。
テリウス
皇族。
皇族殺しのアランの弟子。腕っぷしだけは優秀である。皇族の処刑のほとんどは、テリウスが行った。
エンラ
皇族。
ラキスのことを蔑んで、嫌がらせまでしていた皇族。そのはてに、女帝エリシーズの毒殺まで協力してしまう。そのため、アランの犯人捜しで、妖精の復讐にあい、片手を異形化させてしまう。
オシリス
皇族。
ラキスのことを蔑んで、嫌がらせまでしていた皇族。アランの目の前でラキスを蹴ったため、アランの怒りを買い、痛めつけられた。そして、皇族同士の決闘で負けたことで、アランから責任問題を訴えられ、テリウスに、片腕両足を斬り落とされることとなる。それを恨んでいるところ、貴族に唆され、クーデターを起こした。結局、アランによってクーデターは失敗し、家族全てを殺されたオシリスは、見せしめのため、皇族たちの目の前で手酷い処刑をされることとなった。
ゴラン
帝国の外務大臣。
妖精男爵の養子アランのことが気に入らず、また、王国を下に見ていたことから、王国からのラキスの婚約の打診を全て握りつぶした。その事実を舞踏会で暴露され、外務大臣を罷免されることとなる。罷免の書類が出来上がる前に、逆恨みで女帝エリシーズの毒殺未遂を行い、その罪をアランに押し付けた。結局、アランがやる妖精の呪いの刑により、ゴランは有罪となり、一族郎党、滅亡することとなった。
サイゼル、ヒアート
妖精憑き。魔法使い。
二人で筆頭魔法使いと名乗っているが、実力が足らず、クーデターに組した魔法使いによって殺されてしまった。
リッセル
帝国の子爵。妖精憑き。
ラキスの貴族となった血縁。実際は、賢者ハガルの孫。ラキスにとって、祖母の兄。書類上で世代交代しているだけで、百年以上生きる才能ある妖精憑きである。本来ならば、もうそろそろ寿命であったが、 妖精男爵の養子アランが悪い妖精を支配するたびに、寿命を返すように命じていたため、返された寿命は全てリッセルが受けていた。そのため、とんでもない寿命持ちとなってしまった。妖精男爵の養子アランのことは、裏で繋がっており、アランのことを皇帝にしようと画策していた。それも、死んで断念することとなったが、エリシーズの子に転生したことで、その子どもに夢中となった。
サラム ガラム
子爵の重臣。
リッセルの護衛役もしている。実際は、賢者ハガルが作った戦闘妖精。
ザクト
王族。王国の国王の弟。
元は第四王子。現在は、貴族となって海の領地の領主となっている。王国の代表として、帝国の舞踏会に参加することとなったが、女帝エリシーズの毒殺未遂の罪を着せられる。それも、妖精の子アイリスがやってきたことで、帝国は手が出せなくなった。
エリカ
妖精男爵領の平民。皇族。エリシーズの姉妹。妖精男爵の養子アランの実の母。
帝国の聖域の穢れによって死んだこととされた皇族。実際は生きて、妖精男爵領に落ち伸びて、五人もの子を授かった。六人目の子は、最初から死ぬことを知っていて、わざと、大嫌いな父から名をとって”アラン”と名付けた。結局、妖精憑きリリィによって、アランは役目持ちとして産み落とすこととなる。普段は、アランを領地に閉じ込めるために力を注ぐ夫ロベルトの力の制御役として、常にロベルトの側についている。
ロベルト
妖精男爵領の平民。エリカの夫。妖精男爵の養子アランの実の父。
過去の呪われた伯爵家の問題解決のため、男爵領から出られなくなってしまった。妖精男爵領では最強で、アランも、エリカも勝てない。しかし、エリカが制御役をしていないと、廃人となってしまうので、不自由な生活を送っていた。
アランのために、男爵領地の侵入を制限することで、悪い妖精の侵入だけでなく、悪意ある人まで侵入出来なくした。
シャデラン
王国の貴族。リスキス公爵の養子。
妖精憑きリリィのことを愛する人。妖精男爵の養子アランからは、教師役として見られていた。王国の暗部の統括のため、貴族の学校の校長もさせられていた。そのため、皇族であるラキスがいるクラスの担任もすることとなった。
セイラ
リスキス公爵の末娘。
ラキスの同級生。父親であるリスキス公爵の命令で、ラキスに近づいた。ラキスもそのことをわかっていたが、仲良くしていた。しかし、妖精に狙われるラキスのことも、その妖精を支配するアランのことも恐ろしくなり、一度、離れることとなった。
アランがラキスの命を狙う妖精を全て支配して死んだことを知ったセイラは、もう一度、ラキスの元に行き、友達となった。
アインズ
王国の国王
ロベルトは、王子時代、側近であった。ロベルトが王国で生きていることを知ったアインズは、ロベルトを側に置こうとしたが、結局、それが敵わなかった。しかし、ロベルトから妖精男爵の養子に出したアランと帝国の皇族ラキスの婚約を頼まれると、見返りを求めることなく、アランが舞踏会に行くまで、打診し続けた。
セリム
公国の貴族。リスキス公爵。
ロベルトはリスキス公爵の養子としていた時、セリムが誕生した。そのため、ロベルトはセリムのことを義弟として可愛がっていた。死んだはずのロベルトが男爵領で生きていることを知ったセリムは、それなりに繋がりを持つ手段の一つとして、末娘セイラを皇族ラキスに近づけさせた。
アンティ
王国の妖精憑き。
お試しとして、貴族の学校に通わせたのだが、妖精憑きとしての自尊心が高すぎて、最上の扱いを求めた。その最上を皇族ラキスにとられたことから、逆恨みして、嫌がらせをするも、全て失敗してしまう。結局、妖精と契約してしまい、ラキスの寿命を盗ろうとするも、妖精男爵の養子アランによって捕らえられ、そのまま、妖精男爵領にある邸宅型魔法具の地下牢に閉じ込められ、悪い妖精を捕らえる窓口として使われてしまう。最後は、皇族ポーによって、失敗した妖精憑きとして、見せしめに処刑される。
ポー
王国の王族。ザクトの養子。
ザクトの叔父の孫。王国最強最悪の妖精憑きと呼ばれている。子どもの頃、あまりにも手がつけられなかったため、魔法使いアランに預けられた。その際、妖精男爵の養子アランが同い年だから、と一緒に教育をされることとなった。その時、ポーとアランがぶつかったが、ポーはアランに散々、負かされたという。そのことがきっかけで、ポーは大人しくなり、アランのことは友達と仲良くなった。
裏では、ザクトの跡継ぎとして、後ろ暗いこともしている。それと並行して、王国に発現した妖精憑きの教育の責任者をしていたが、失敗に終わってしまう。
ロイド
妖精男爵。
ロベルトの兄。ロベルトに頼まれ、アランを養子として受け入れた。