登場人物01 契約紋の皇族姫 魔法使いの皇族姫 教皇長の皇族姫
契約紋の皇族姫
帝国の筆頭魔法使いが背中にされる焼き鏝の契約紋の元となった皇族姫の話です。
リーシャ
契約紋の元となった皇族姫。妖精憑きの一族を父に、皇族を母の間に生まれました。帝国との戦争で惨敗したところ、皇族であることから、そのまま帝国に保護されます。母ナーシャが真の皇族であるため、リーシャも真の皇族として、帝国にいる妖精憑き全てを支配出来る力を持っています。
エウト
父親不明の皇族。リーシャの母ナーシャの双子の妹ラーシャを母に持ちます。戦争でリーシャを保護します。とても頭がよいのですが、父親がわからないため、皇族間では蔑まれています。誰にでも礼儀正しく、優しい態度でしたが、リーシャに本性をさらけ出されたままとなりました。
父親は、母ラーシャの兄イーシャだと後に暴露されました。
イーシャ
帝国の皇帝。リーシャとエウトの伯父です。とても穏やかな見た目の人であるが、戦争で皇位簒奪をするという、恐ろしい一面を持っています。生き別れの妹ナーシャを探すため、帝国統一を目指しました。そのため、妹ターシャとの間に子を為し、エウトを誕生させました。
イズレン
皇帝イーシャの息子。皇帝となることを目指すも、結局、イーシャによって、皇帝の器ではない、と言われてしまいます。
エウトのことは、生まれから表向きは蔑んでいましたが、天涯孤独となってからは、イーシャと一緒に支えていました。
アイシャール
帝国の筆頭魔法使い。最後の女魔法使い。千年に一人誕生する力ある妖精憑きであるため、その美貌に歴代の皇帝は気狂いを起こし、アイシャールを手籠めとしました。それも、戦争時に、皇族だったイーシャによって終止符を打たれます。その後、皇帝となったイーシャに恋するも、イーシャは様々な理由から、アイシャールを拒みます。それも、最後、アイシャールが一生治らない傷を顔に受けた時、イーシャは自らの視力を捨てて、筆頭魔法使いの屋敷にある秘密の部屋に入り、アイシャールを受け入れました。
リウ
リーシャの弟。とてつもない力を持つ妖精憑き。妖精を殺し、妖精憑きをも殺せる力を神より与えられて誕生する。妖精憑きの小国の国王に洗脳され、帝国代表で話し合いにやってきたアイシャールの妖精を半分殺して、アイシャールの顔に一生消えない傷を与え、実の父カンダラの妖精を全て殺すという凶事を起こしてしまう。それも、話し合いでやってきた皇族エウトが小国に留まり、リウを説得して、洗脳を解いた。これにより、妖精憑きの小国はリウ一人のために、帝国の軍門に下ることとなる。
リウはアイシャールを傷つけたことを償うため、帝国の筆頭魔法使いとなり、皇帝となったエウトを生涯をかけて支えることとなる。
カンダラ
リーシャとリウの父。妖精憑きの一族。ただの人であるナーシャを溺愛し、妻と迎えるため、小国の王という立場を捨ててしまう。そのため、無力となったように見せるが、ナーシャのために妖精憑きの一族を滅ぼそうと画策する。ナーシャが妖精憑きの一族の企みによって殺されてしまったため、その復讐のために、命をも捧げる。妖精憑きの小国の王族たちが持つ妖精全ての支配を奪い、帝国にわざと処刑されることで、妖精を二度と、王族たちに戻れなくしてしまう。
ナーシャ
リーシャとリウの母。元は帝国の皇族であったが、五歳の皇族の儀式で皇族失格者となる。一度は皇族の儀式をやり直すことを皇帝は告げるも、ナーシャを恐れる勢力がナーシャの両親を唆し、誘拐し、殺害しようとする。ナーシャの機転により、命は助かるも、帝国より外の、最果ての辺境に捨てられる。そのままさ迷い、妖精憑きの小国で保護され、そのまま、カンダラの家族に育てられる。
ナーシャは神が帝国に与えた真の皇族である。真の皇族は、帝国中の妖精憑きを支配する力を持つ。そのため、妖精の魔法が効かない上、神の加護を持っている。妖精憑きの小国では、ナーシャを殺すことも出来ず、また、ナーシャに与えられた悪事は全て、妖精憑きに返されてしまうため、ナーシャを保護するしかなかった。それも、妖精憑きの小国で生まれてしまったただの人には、ナーシャも無力で、二人目の子リウの出産時、無防備となった所を殺害されてしまう。
ラーシャ
ナーシャの双子の妹。五歳の皇族の儀式で皇族と認められる。ナーシャのことを心底、愛しており、大人となってからも、ナーシャを探すことを諦めなかった。
神が定めた皇族との組み合わせにより誕生するという特別な皇族の母体に選ばれる。皇族では、兄イーシャの他に、二人の男が候補としてあがるも、ラーシャは復讐心から、イーシャを父親にして、特別な皇族エウトを誕生させる。兄妹での子を誕生させたことで、ラーシャは気狂いを起こし、エウトをナーシャの生まれ変わりとして、女の子として育てるも、エウトが五歳の頃に死んでしまう。
ランテラ
イーシャとラーシャの従姉妹。自尊心だけは高く、能力が低いため、皇族に嫌われてしまう。皇族教育も終えられないほどの頭の悪さで、皇族になれないところをイーシャが戦略的婚姻のために利用される。イーシャと結婚し、一人は子を産むも、次の妊娠は浮気からだったため、子を出産後、秘密裡に処刑される。
アンカル
戦争の小国の国王。リーシャに一目惚れするも、振られてしまう。一度は帝国と戦おうとするも、妖精憑きの小国の心無い一言により、帝国に下る。
エイカーン
海側の道具の小国の女帝。見た目は男で、口調も男前なのだが、内面はやはり女性らしい優しいところがある。帝国の軍門に下り、同じ道具の小国である山側の国王と結婚する。
ヘリウッド
山側の道具の小国の国王。見た目は女で、口調はとても丁寧だが、その内面は冷酷である。帝国の軍門に下り、同じ道具の小国である海側の女帝と結婚する。
マリス
妖精殺しの小国の国王。見た目は男とも女ともいえない。性別はここでは語られることはないが、リーシャの母ナーシャのことを愛している。妖精憑きの小国のことを一族としても、個人としても恨んでおり、わざと戦争を誘発させた。
魔法使いの皇族姫
魔法使いに愛される皇族アリエッティの話とされていますが、どちらかというと、魔法使いに溺愛される隠された皇族レンの話。
アリエッティ
次期女帝とされる皇族。血筋だけの皇族キハンと婚約するも、愛する子爵家次男レンが帝国を追放されると、レンを追いかけて出奔してしまう。
見た目は男のような姿だが、実は、妖精憑きの力で自らに呪いをかけていた。真に愛してくれる人には、真の美しい姿が見えるという呪いだ。それも、婚姻をすれば、呪いが解けるようになっていた。そのことを知らなかった皇族キハンはアリエッティを嫌った。
ダルン
妖精の子。子爵家次男レンが奴隷として虐げられているところを有り金全部で救った。そのままレンの妖精となるはずだったが、筆頭魔法使いハルトの策略により、アリエッティに譲渡されてしまった。子爵家次男レンが帝国を追放されると、アリエッティと一緒にレンを追いかけて出奔してしまう。
ダルンは妖精の子であるため、長く生きて、レンと瓜二つの子孫に看取られて死ぬこととなる。
キハン
血筋だけの皇族。見た目が男のアリエッティと婚約され、それを嫌って、貴族の学校で出会った男爵令嬢ジェシカに傾倒してしまう。ジェシカがいうこと全てを信じて、アリエッティを舞踏会で悪者にしようとするも、逆にキハンとジェシカが手酷い罰を受けることとなる。最後まで、ジェシカの嘘を信じて、子爵家次男レンを帝国から追放させる騒ぎを起こす。
最後は秘密裡に皇帝アンツェルンによって処刑される。
レン
子爵家次男。騎士団に入団するも、人を傷つけられない心優しい騎士であるため、戦争に出ても、無傷で捕虜を捕らえるという、とんでもない技量を見せた。皇族アリエッティの想い人である。
実は貴族に発現した皇族。母親の腹に宿った時から、筆頭魔法使いハルトによって見いだされ、胎教の段階から、ハルトの支配を受ける。それも、子爵家の”妖精に寿命を盗られる”という呪いを知って、レンは皇族での名乗り上げ出来ないように、皇族だと知る者全ての口封じをする。そのため、アリエッティとの婚約もなくなる。
アリエッティを影から支えるために騎士となるも、皇族であることをキハンに知られてしまい、やってもいない罪を被せられるも、これ幸いと罪を受け入れ、帝国から追放された。追放先は王国にある妖精に支配される領地・妖精の安息地であるも、レンは妻となったアリエッティと妖精の子ダルン、そして、生まれ持った神からの加護により、妖精と共存の道をたどることで、子爵家の”妖精に寿命を盗られる”呪いすら打ち破ってしまう。
アンツェルン
アリエッティの父であり、皇帝。筆頭魔法使いハルトのご機嫌とりを上手にしつつ、善政をしくよい皇帝である。ハルトの要求を受け入れ、将来は皇帝位を子爵家次男レンに譲位する計画まで立てるも、レンの皇帝教育により、計画は潰されてしまう。結果、死ぬまで皇帝であり続ける。
愛娘アリエッティの心から愛しており、唯一、アリエッティの真の姿をアンツェルンは最後まで見ていた。
ジェシカ
男爵令嬢。貴族の学校で皇族キハンに見染められ、それから皇族となることを目論む。妊娠した、と大騒ぎしたりして、キハンとの婚約をこぎつけようとする。子爵家次男レンが皇族であり、実は皇帝になれるほどの能力があることを知って、レンのせいで流産した、と冤罪をしかける。レンが認めたことで、うまくいったかに見えたが、レンの正体を知ったために、逆に秘密裡に殺されてしまう。
レゼク
子爵家長男、レンの兄。レンが皇族だとは知らなかった頃、レンのことを酷く嫌っていた。それも、子爵家の呪いを知り、レンのお陰で筆頭魔法使いハルトの恩恵を受けていることを知ることで、蟠りがなくなる。長男であるため、レゼクは生き残り、そのまま血筋を残すこととなる。
ナツル
レンが飼っていた魔狼。森で生き残ったところをレンが拾って連れて帰った。魔狼は妖精を食い殺すということから、不吉と言われたが、筆頭魔法使いハルトの首輪と躾をうけ、レンには絶対服従するようになる。子爵家の”妖精に寿命を盗られる”呪いでやってくる妖精を食い殺していたが、最後は上位の妖精によって、レンを救うために死んでしまった。
ハルト
千年に一人誕生する化け物妖精憑き。気狂いをしているところに、母親の腹に宿ったばかりの子爵家次男レンを見つけ、そこから強い執着を見せる。レンを唯一の皇族として慕い、将来は皇帝にしようと画策するも、レンによって潰されてしまう。レンが自らの血筋が妖精に呪われていることを理由に皇族にその血筋を入れない、と強固に拒むため、レンの執着をさらに強めた。その強い執着は、レンが食べる物、身に着ける物、身の回り全てをハルトが作り、与え、世話するほどだった。そのため、妖精の子ダルンがハルトの元に来た時は、わざと人前で正体を教え、ダルンの所有権をレンからアリエッティに譲渡させるように働きかけた。
ハルトは筆頭魔法使いの跡継ぎがいないため、追放されたレンはハルトを置いていった。いつかは迎えに行く、という約束を信じて、ハルトは気狂いに帝国を滅茶苦茶にしながらも、千年に一人の化け物妖精憑きを見つけ、教育し、最後はレンの子孫で、レンと瓜二つの、レンの記憶を持った迎えを受け入れ、帝国から去っていった。
教皇長の皇族姫
十年前に皇位簒奪された教皇長カイサルの側仕えとして孤児院から引き取られたリオネットはシスターとして平穏に過ごしているも、十年に一度の舞踏会で、平民から発現した皇族として筆頭魔法使いハズスによって宣言されてしまう。舞踏会会場はそこから皇位簒奪の場となり、カイサルはリオネットの代理戦争を起こし、皇位簒奪を成功させてしまい、リオネットは女帝とされてしまう。
実はリオネット、皇族ではないのだが、ハズスがリオネットのことを一目惚れしてしまい、どうしてもリオネットを囲いたいばかりに、リオネットを皇族だと嘘をついた。リオネットはその嘘を見破るも、そのまま、戦争を起こしたいカイサルの道具として、偽物の女帝となった。
戦争後は、次期皇帝レオンが大人になるまでの代理皇帝としてリオネットは立つこととなった。レオンが皇帝として立てる年齢となった頃、そのまま皇帝位譲位となるはずだったが、亡き筆頭魔法使いハズスの教育に毒されたカイサルが皇位簒奪を行われてしまい、レオンは仕方なくカイサルを武力で失策させ、最後は緩やかな死を迎えるという牢に幽閉し、世話をリオネットにまかせた。
リオネット
元孤児。孤児院で教皇長カイサルに気に入られ、そのまま側仕えとして引き取られる。十年、両腕のないカイサルの身の回りの世話から、筆頭魔法使いハズスから様々な教育を受ける。時には自害の練習もさせられたりして、リオネットはハズスのことを嫌っていた。
それも、十年に一度の舞踏会でハズスから皇族と宣言され、そのまま、政争に巻き込まれるように、女帝に仕立て上げられる。
実は皇族ではないのだが、ハズスがどうしてもリオネットを手に入れたいばかりに、嘘でリオネットを皇族、はては女帝に仕立て上げた。
ハズスの死により、戦争が起こり、そのままリオネットはお役御免で口封じされるはずだったが、次期皇帝レオンがまだ幼いことから、レオンがそれなりの年齢まで、リオネットは代理として女帝に立つこととなった。それも、レオンが成長して、立派な皇帝となる頃、皇族に戻ったカイサルの反乱の煽りを受け、リオネットはレオンに皇位簒奪されてしまう。一度目の皇位簒奪ということで、レオンはリオネットの体の一部と称して長い髪を切り、さらに牢に幽閉されたカイサルの世話を命じて、リオネットは生涯、城から出られなくした。
カイサル
娘の裏切りにより、皇位簒奪された元皇帝。背中に失格紋を施されてしまったため、筆頭魔法使いの加護を受けられなくなっただけでなく、両腕を斬り落とされ、誰もがやりたがらない教皇長に十年間従事させられる。失った両腕の代わりにつけた義手は魔法によって動く代物で、魔法使いがいないと不自由な生活を強いられる。魔法使いがいない場合の時のために、側仕えとして孤児院からリオネットを引き取った。物凄く妖精憑きに好かれる体質で、神殿でも、城でも、妖精憑きによく囲まれていた。
十年に一度の舞踏会で、リオネットを女帝にする口実で、代理戦争を行う。義手の両腕は魔法使いでないと使えないはずだったが、十年かけて、妖精の目を使いこなし、自らで魔法を施し、魔法使い必須という欠点を克服し、見事、皇位簒奪に成功した。
この十年に渡る皇位簒奪劇は、実は帝国内にいる裏切者を炙り出すための計略であった。両腕、片目まで失ってでも行う策略には狂気としか思えないが、カイサルはそう教育を受けているため、全く気にせず、その後も戦争を起こさせるために、妻、娘を見殺しにし、貴族内だけでなく、皇族内の反乱分子も全て排除した。それでも戦争を渋る敵国に、寿命で死んだ筆頭魔法使いハズスの遺体を差し出し、無理矢理、戦争を起こさせた。
一度は失格紋により、皇族でなくなったが、ハズスが死の際にカイサルの背中にある失格紋を引き受けることで、再び、皇族に戻り、戦争後は、女帝を続けるリオネットの補佐をしていた。しかし、亡き筆頭魔法使いハズスの教育から抜け出せず、レオンが皇位の譲渡を受ける頃に、皇位簒奪を行い、失敗し、牢へと幽閉され、残りの余生をリオネットに世話されて過ごすこととなった。
皇位簒奪をわざとされて、十年もの苦汁を飲むことをしたのは、暗殺された元使用人親子の復讐か、とリオネットに言われたが、カイサルははっきりした答えを出さなかった。
ハズス
千年に一人生まれるという化け物妖精憑き。皇位簒奪された皇族カイサルに付き従う風変りな筆頭魔法使い。あまりに力が強すぎるため、カイサルの後に皇帝となったシズムですら制御出来なかった。
孤児院から引き取られたリオネットに一目惚れするも、自覚がなく、様々な教育をしてしまい、嫌われてしまう。そういうことは気にしないハズスは、強引に手に入れるため、リオネットを偽物皇族、果ては女帝にしたてあげてしまう。最後は、死後まで道連れにしようとするも、結局、リオネットを殺せず、ハズスは一人で寿命を迎えることとなる。
師であり、化け物となった妖精憑きハルトに憧れを持ち、たまたまお腹に宿った頃から皇族だとわかったカイサルを皇帝にしようと画策する。そのため、妖精の誘拐を行い、お腹に宿ったカイサルを皇族でないと嘘をついて、家族を試した。カイサルの父親と兄弟たちは、カイサルが皇族でなくても育てるというが、カイサルの母は育児を拒み、それどころか赤ん坊のカイサルを殺そうとしたため、そのままハズスが秘密裡に育てることとなった。それも、カイサルが五歳の頃に、妖精の誘拐だったと暴露すると、カイサルの母はカイサルを取り戻そうとして、当時の皇帝に処刑される。そうして、ハズスは、カイサルが生まれた頃からずっと皇帝であれ、と洗脳のような教育を施した。その延長として、自らの死を使って、戦争を起こさせるように、カイサルに指示した。
シズム
カイサルの次の皇帝。カイサルの娘を人質にして皇位簒奪を成功させる。十年に渡り、貴族に言われるままに政治を行い、人事において、敵国の息がかかった貴族を重陽していた事実が十年後の皇位簒奪後に発覚する。
十年に一度の舞踏会で、またもカイサルの娘を人質にするも、カイサルは容赦なく娘を斬り捨て、シズムの利き腕を斬り落とされ、皇位簒奪されてしまう。そして、背中に失格紋を押され、筆頭魔法使いの加護を失う。そのため、飲むことも食べることも出来ないまま、疑心暗鬼となり、食事会では、偽の手紙に踊らされた昔の仲間の反乱により、命を落とすこととなった。
リズ
カイサルの娘。シズムの皇位簒奪を成功させるために、わざと人質となった。シズムが皇帝となると、リズは皇妃となった。カイサルのことを警戒して、様々な嫌がらせをし、暗殺までしたのだが、全て、カイサルと筆頭魔法使いハズスによって防がれてしまう。
シズムが皇位簒奪されると、リズも協力者として、失格紋を背中に押されてしまう。その後、母親に保護されるも、カイサルは一切、保護には関与しなかった。兄弟姉妹からも援助を受けられず、母親のみの保護で生き繋いでいたが、途中、母親も幽閉により失い、絶食が続き、食事会ではちょっとした攻撃による衝撃で、ショック死してしまう。
リサ
カイサルの妻。カイサルが皇位簒奪された後も、一切、カイサルを手助けすることはなかったが、離婚はしていない。
元は太って可愛い感じの女性であったが、カイサルと結婚してから、どんどんと痩せて綺麗になっていったため、カイサルから避けられていたが、リサはその事実を知らない。カイサルは可哀想な元使用人親子を愛妾に迎え、手をかけたことから、それに嫉妬したリサは元使用人親子を暗殺してしまった過去がある。リサが暗殺に手を出したのは、これ一回きりであるが、この事が、リサの心を病ませ、気狂いを起こした。
リオネットが皇族となり、食事会の手伝いをリサにお願いするも、リサはわざと間違った席順にして、問題を起こした。リオネットは一度は、リサとカイサルを和解させようとするも、カイサルは皇帝としてリサを牢に幽閉し、そのまま、緩やかな死を与えた。
ズーム
王都の教皇。妖精憑き。教皇長カイサルに物凄く苦労させられた。妖精憑きであるが、リオネットのことは娘のように可愛がっていた。
レオン
リオネットの次の皇帝。元はリオネットのことを孤児と蔑んでいたが、筆頭魔法使いハズスによる妖精の誘拐により、皇族でないと嘘をつかれ、家族から捨てられるも、唯一受け入れてくれたのがリオネットであったため、リオネットのことを姉のように慕うようになった。
妖精の誘拐より一年後、食事会で、実は皇帝となるほどの血筋であると暴露され、家族がレオンを取り戻そうとするも、皇族カイサル主導で、レオンの目の前で、家族全てを処刑されてしまう。その頃には、レオンは家族の情もなく、血の繋がりのある家族をむしろ邪魔と思ってしまうほど、筆頭魔法使いとなったヒズムに教育されてしまっていた。
それなりに成長して、次の皇帝として立てる年頃になった頃、リオネットから皇帝位の譲位する話となっていたが、カイサルの暴走のため、皇位簒奪することとなってしまう。結局、レオンはリオネットとカイサルのことは斬り捨てられず、カイサルは牢へ幽閉、リオネットは城から一生出さないことで、生かすこととなる。
ヒズム
ハズスの次の筆頭魔法使い。百年に一度生まれるかどうかの才能ある妖精憑き。ハズスほどの実力はないが、帝国にいる魔法使いの妖精を奪えるほどの実力はある。ハズスが寿命を迎える前に筆頭魔法使いの儀式を受け、レオンを唯一の皇族として受け入れ、仕えることとなる。
ハズスの死を使って行われた戦争では、業火で敵を燃やし尽くしたが、それでもハズスには及ばない、と笑って言ったとか。
残念ながら、ハズスほどの非常識はなく、ヒズムはそれなり常識のある筆頭魔法使いとして、レオンを側で支えることとなる。それなりの常識なのだが、レオンへの教育は、血のつながりのある家族を斬り捨てるほどの非情さをたった一年で埋め込んでしまう。
ランセル
レオンとそう歳の変わらない皇族。レオンとは真逆の生真面目で、気の弱い子どもであったが、レオンが妖精の誘拐によって、家族から見捨てられた時、唯一、レオンを助けようとリオネットのところまで連れて行った。それから、レオンはランセルとは友達となろうとする。
皇族の儀式の時、ランセルは気が弱すぎたため、筆頭魔法使いヒズムに命令が出来なかったため、皇族失格になるところだったが、結局、ヒズムが皇族だ、と宣言したことで、皇族として残った。実際、皇族であったかどうかは、謎のままである。