表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/94

第七十三話 付き添っていただいた殿下

気がつくと、わたしはベッドの上にいた。


「気がつかれましたか?」


なんと、そばには殿下がおられた。


窓の方を見ると、カ-テンの隙間から日が射し込み始めていた。


ということは、一晩中、わたしは寝込んでしまったということだろうか?


そして、殿下は一晩中、わたしに付き添っていてくださったのだろうか?


「殿下、わたしはいったい……」


「あなたは、昨日の夕方、執務室で倒れてしまいました。その為、侍女たちの助けを借りて、あなたの部屋に運ばせてもらったのです。そして、侍医にも診察をしていただきました。過労ということで、二日ほどは安静にしてください、とのことです。相当疲れがたまっていたのでしょう。わたしの思いやりが足らず、あなたにはご迷惑をおかけしてしまいました。申し訳なく思っています」


殿下はそうおっしゃっているが、ご迷惑をおかけしたのはわたしの方だ。


もっと殿下に尽くしていかなければいけないのに、恥ずかしい限りだ。


「侍医は、安静にしていれば回復してきますと言ってくれたのですが、無理をさせてしまったのは申し訳ないと思い、今まで付き添わせていただきました。ご迷惑でしたら申し訳ありません」


「ご迷惑なんてとんでもありません。こういう大切な時期に倒れてしまい、わたしの方こそ申し訳なく思っています。しかも、一晩中付き添っていただくなんて、光栄以外のなにものでもないと思っています」


「とにかく休んでください。あなたはもう、この王国にとっても大切な存在になりつつあります」


「そんな、わたしなんて。殿下こそ、お疲れだと思います。少し休まれてはいかがでしょうか?」


「ありがとう。疲れは少しありましたが、それも、あなたとこうして話すことができたので、もう大丈夫です。わたしにとってあなたは、力を与えていただいている大切な存在なのです」


殿下は恥ずかしそうに言った。


「力を与えているなんて……。そんな、おおげさすぎます」


「いや、全然おおげさではないですよ」


「そうおっしゃっていただけるとありがたいんですけど」


「とにかく休んでください。そして、回復したら、今度は無理をしないようにしていきましょう。これからもずっと一緒に仕事をしていくのですから」


そう言って、殿下は微笑む。


わたしも殿下と一緒に仕事をしていきたい。


これからもずっと。


いや、それだけではなく、恋人として、婚約者として、そして、お妃として殿下と一緒にすごしていきたい。


そう言う気持ちが湧き上がってくる。


殿下の気持ちはどうなのだろう。


付き添っていただいたのはうれしい。


でも、せっかく二人きりでわたしの部屋にいるのだから、抱きしめていただき、キスをしていただきたい、という気持ちはある。


いや、そうしてほしいという気持ちはどんどん強くなってきている。


それなのに……。


そういう雰囲気にはなりそうもない。


殿下は、わたしのことは恋の対象だとは思っていただいていない、ということなのだろうか……。


せめて、殿下の手を握りたい。


手をつないで、殿下のやさしさをもっと味わいたい。


そう思ったわたしは、


「殿下、申し訳ありませんが、一つわがままを言ってよろしいでしょうか?」


と言った。


「なんでも言ってください」


殿下は微笑みながら言う。


「ご迷惑だとは思いますが、殿下と手をつなぎたいのですけど、お願いできますでしょうか?」

今まで生きてきた中でも、最上級に近いくらい恥ずかしい言葉だと思う。


殿下は、どう思うのだろうか?


断ってしまうのだろうか?


心がますます沸き立っていく。


「手をつなぐのですか?」


恥ずかしそうに言う殿下。


「わたし、殿下のやさしい気持ちにもっと触れたいと思っています」


わたしは、恥ずかしい気持ちをなんとか抑えながらそう言った。


「よろしいのでしょうか?」


「お願いします」


わたしがそう言うと、殿下は、


「わたしでよろしければ」


と言った。


これで、殿下と手をつなぐことができる。


わたしはうれしい気持ちになりながら、


「よろしくお願いします」


と言った。


「では手をつなぎたいと思います」


殿下はそう言った後、恥ずかしがりながら、その手をわたしの手に近づけていった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


と思っていただきましたら、


下にあります☆☆☆☆☆から、作品への応援をお願いいたします。


面白かったら星5つ、つまらなかったら星1つ、正直に思っていただいた気持ちで、もちろん大丈夫です。


ブックマークもいただけるとうれしいです。


よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ