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第六十八話 殿下にふさわしい女性

おいしい紅茶とお菓子を食べながらの、ラディアーヌ様とのおしゃべりはまだまだ続く。


「まあ、まだまだこちらに来られて時間がそれほど経っていないので、おにいさまへのアプローチもこれからだと思っています。期待していますよ」


「期待されるとちょっとつらいところもありますけど。いずれにしても、殿下の仕事への貢献がまずできないといけないと思っています。ここをしっかりしてからでないと、恋というところには、なかなか入っていけない気がします」


「あなたの気持ちは理解しています。でも両立が大切だと思っています。仕事としておにいさまを支え、恋人としてもおにいさまを支える。とても素敵なことですわ」


わたしのことを高く評価していただいているのはうれしい。


しかし、自分では、どうしてもそこまでの人間ではないという気持ちがある。


殿下のことが好きだし、恋をしているわたし。


しかし、それは殿下にとって、迷惑なことでは?


もっと、殿下にふさわしい女性がいて、このまま恋し続けていると、その方との恋をさまたげる存在になってしまうのでは?


ラディアーヌ様と話をしている内に、そういう気持ちも心の中に湧いてくる。


「ラディアーヌさんのお言葉は理解させていただきました」


「理解されたなら、明日、おにいさまに告白いたしましょう」


「それは、ちょっと難しいというか……。両立ということは理解できるのですけど」


胸のドキドキが大きくなってくる。


「両立するということが理解できるのでしたら、後は、その想いをおにいさまに伝えるだけです。大丈夫。おにいさまは、あなたのことが好きで恋をし始めてますが、奥手で、自分からはその想いを伝えようとしていません。あなたにはその気持ちが伝わっていないだけです。恥ずかしいのだと思いますし、仕事を優先させているところもあると思います。まあわたしからすると、想いを伝えればいいのにと思います。権限のほとんどが移譲されたので、仕事優先になるのも理解はしていますけど」


ラディアーヌ様は紅茶を飲んだ後、続ける。


「おにいさまは、王国の為、一生懸命仕事をされています。わたしは、そういうおにいさまが好きです。でも仕事も大切ですけど、伴侶を決めるのも大切だと思っています。せっかく素敵な女性がそばにいるのですから、恋人にして、伴侶にしていけばいいのにと思っています。おにいさまがそういう状況ですので、あなたの方からそう想いを伝えれば、もともともっているあなたへの想いが一気に沸騰して、恋人になり、結婚できると思っています」


「でも殿下には、わたしよりふさわしい女性がいる気がどうしてもしてしまうのです。その方に失礼になる気がしまして。あきらめた方がいいのでは、と思うこともあります」


「フローラリンデさん、もっとあなたは、自信をもたないといけないと思います。才色兼備で、しかも心がやさしい。わたしがおにいさまだったら、あなたをすぐに婚約者にしていると思います。そう思うと、おにいさまの奥手ぶりをちょっと残念に思ったりします。もう少しおにいさまは、あなたに対してアプローチをしてほしいと思っています。でもおにいさまは、そういうところも魅力の一つではあるので仕方がないですね」


そう言うと、ラディアーヌ様は微笑んだ。




「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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