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第五十二話 わたしの悩み (ルワンソワサイド)

公爵家の跡取りで、既にその権限の大半を手中におさめているわたしだが、悩みがある。


婚約者のことだ。


わたしはモテるので、わたしと付き合いたいと思っている女性はたくさんいる。


今までに十人の女性と付き合ってきた。


同時に二人の女性と付き合ったこともある。


しかし、長続きはしなかった。


みな付き合いが長くなってくると、わたしと婚約したいと言い出す。


わたしは遊んでいたい。


婚約して結婚したいということは、ずっと先のことだと思っている。


こっちは、一生懸命女性たちの機嫌をとり、楽しませてあげているのに、何が不満なのだろう。


わたしと遊び続けていればいい、と思うのだが、付き合ってある程度の時間が経つと、みな婚約者の座を要求する。


わたしにとって、そこまでの魅力的な女性はいない。


いや、いたとしても婚約というのはしたくない。


自分の自由を制限するものだと思うからだ。


その為、わたしは付き合っていた女性と全員別れてきた。


嫌いになったからだ。


「ルアンソワ様、わたしはあなたと婚約したいほど大好きなのです。別れないでください!」


「わたしは、ルアンソワ様と婚約し結婚する為に生きてきたんです。この想いが届いてほしいです!」


別れる時、女性たちはそのようなことを言っていたが、わたしの心には届かない。


別れた後、十人とも心が傷ついたということだが、そんなことはわたしには関係のない話だ。


とはいうものの、半年前、十人めの女性と別れた時は、さすがに少し落ち込んだ。


この女性は、今までの中でも結構いいなあ、と思っていたのだが、結局婚約を要求しきたので、冷めてしまった。


しかし、落ち込んだのもわずかの間・


また誰かが別の女性を紹介してくれるに違いない。


そう思って心を切り替えた。


だが、その後はなかなか女性の紹介はこなかった。


女性を捨ててしまうというイメージが強くなったのが影響しているようだ。


わたしと婚約したいと要求するから嫌になるのだ。わたしは遊びたいだけなのに……。


そう思っていたところで、婚約の話がきた。


リランテーヌ子爵家との縁談だ。


父親の主導だった。


遊び好きの跡取りを、ここでしっかりとした跡取りにしたい、という思いのようだ。


「公爵家の跡取りとして、恥ずかしくない男になりなさい」


それを父親に厳しく言われた。


わたしは嫌だった。断りたかった。


しかし、父親の体調があまりいいとはいえず、権限移譲の話が進んでいたので、わたしはおとなしく受けるしかなかった。


でも一旦受けるだけだ。


婚約をして、もし気に入らない女性であれば、権限移譲後に別れてしまおうと思っていた。


そして、別の気に入った女性と付き合う。


いや、婚約破棄してからではなく、婚約しても、気に合った女性がいれば、同時に付き合えばいい。


今まで二人同時に付き合ったこともあるわたしだ。


もしわたしが婚約者のことを気に入ったとしても、別の女性も気に入っているのであれば、そのまま付き合っていけばいいだろう。


婚約者がそれを嫌がるのであれば、その時は、婚約を破棄すればいい。


とにかくわたしは遊び続けたい!


そう強く思いながら、わたしは正式に婚約することになった。


「面白い」


「続きが気になる。続きを読みたい」


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