第四十六話 きれいな夜空を、殿下と二人だけで眺められるようになりたい
今、わたしは、王宮の中にある部屋のベッドの上に座っている。
五日前に追放されたことを思うと、別世界にいるような気持ち。
それにしても、運命がここまで激変するとは……。
婚約破棄されたことは、全くの想定外だったし、追放されたのも全くの想定外だった。
そして、王都で職を得ようと旅をしてきたところで、賊に襲われてしまった。
これについては、想定はしていたものの、まさか自分が襲われるとは思ってもみなかった。
次から次へとよく苦難が襲ってきたと思う。
ルアンソワ様の婚約者として、そして夫人として生きていく。
それがわたしの歩む人生だと思っていたのに、それは閉ざされてしまった。
もし、あの時、殿下に救けていただかなかったら、それだけでなく、生命も失ってしまっていただろう。
殿下には感謝してもしきれない。
もうボトルンド公爵家やリランテーヌ子爵家のわたしはいない。
今ここにいるのは、殿下のアドバイザーとしてのわたしだ。
これからは殿下の為に生きていく。
好きな殿下の為に、尽くしていく。
まだ心の準備が整いきっていないが。殿下に求められたら、この身も捧げていこうと思っている。
自分で思っていて恥ずかしくなってくるが、そういう気持ちは乗り越えていかなくてはいけないだろう。
殿下と相思相愛になれる日。それはいつ来るのだろうか。
あれほどの魅力のあるお方だ。
殿下のことが好きな女性はたくさんいるだろう。
素敵な女性もたくさんいるに違いない。
その中には、殿下の好みの女性もいるかもしれない。
わたしがそういう女性に太刀打ちすることはできるのだろうか?
わたしは殿下に大切していただいている。
好意をもっていただいている。
でもそれは、アドバイザーとしてであって、異性としてのものではない気がする。
もしかして、既に好きな人がいるのではないだろうか?
その人と婚約したいと思っているのではないだろうか?
そういう思いがわたしの心に浮かんでくる。
しかし、もしそういう人がいても仕方がないだろう。
わたしは殿下と知り合ってまだまもない。
殿下の生きてきた年月からすれば、この二日間は、ほんのちょっとの時間でしかない。
好きな人がいたとして、その人に勝つことができるのだろうか?
そういう気持ちはどうしてもある。
いや、そんなことを思ってはいけない。
わたしは思い直した。
殿下が他の人を選んだとしても、二人の幸せを願わなくてはいけない。
それが、殿下を想うということだと思う。
それに、わたしはまだまだ殿下への想いが足りない。
殿下に好きな人がいるかどうかで悩んだり、殿下のことを好きになる女性に太刀打ちできそうもないということで悩んでいるよりも、想いをもっと強くすることに力を入れていかなければならない。
そして、自分の魅力をもっと上げる為に、もっと努力をしていく必要がある。
素敵な殿下に釣り合う女性になる為に。
まず明日から、殿下の為に、一生懸命お仕えしていこう。
わたしは、カーテンを開け、窓の外を眺めた。
こういうきれいな夜空を、殿下と二人だけで眺められるようになりたい。
わたしはそう思うのだった。
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