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泥棒

作者: 月村幸世
掲載日:2022/03/02

私は下劣な泥棒だ。

他者から金品を奪い取り、自分の至福を肥やす。

そこらにいる泥棒はまだマシだと私は思う。

彼らは自分が生きるために盗みをしている。

盗みをしなければ死の危険を感じるため渋々やっている。

それはある意味働くこととなんら変わらないのかもしれない。

一方、私は今の生活に死の危険を感じてはいない。

今の生活に満足できないため、泥棒をしている。


泥棒をした日は一日中涙が出てきそうになる。

酷い吐き気に悩まされる。

自分を嫌いそうになる。


今日もまた泥棒をした。

今日の稼ぎは5000円だった。

少ない?

いや、多すぎて困る。



泥棒をする上で大切にしていることがある。

被害者への感謝を忘れないということだ。

これを欠いてしまえば、私はきっと狂人になってしまう。

それだけは嫌だ。

あそこへはあまり近づかないようにしよう。


あることに気づいた。

とても大事なことだ。

私と同職のものはこの国に多くいるらしい。

なんという発見だ。

吐き気がする。


狂人をみた。

醜く哀れなやつだった。


またあることに気づいた。

狂人は日々増えているのだ。

特に子供の増加量は他の世代の比ではないような気がする。

私もいつかあぁなるのだろうか。


今日初めて被害者への感謝を忘れた。

とても眠かったので、サボってしまった。

明日にしよう。


明日にしよう。


明日にしよう。


明日にしよう。


金を貰った。

ここにくればいつも金が入る。

どれだけ愛想が悪くても金が入る。

なに?

申し訳ないと思わないのか、だって?

あっちが好きで渡しているのに、なぜ申し訳ないと思うんだ。

俺は大切な孫なんだから。

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