6話 覚醒
ウルフが俺に襲いかかる直前
-色彩-
俺の意思とは裏腹に体が勝手に動きそのまま自分の右腕に文字を描いていく。
なんと書いてあるか分からないが、古代文字のような形をしている。
右腕に力が込み上げて来る。
目の前にいるウルフに短剣の柄で殴ると10m くらい吹っ飛び、木にぶつかって気絶した。
再び戦意がみなぎり、ウルフと互角に渡り合う。
相手が怯んだ隙を見逃さず、一旦門の方へ逃げる。
「大体、150体ぐらいまで減らしたぜ。ほれ、予備の薬草だ。どうせまた突っ込むんだろ」
「サンキュー」
キュロさんからもらった薬草で、体力を半分以上回復させ、目の前にいたウルフに斬りかかった。
敵が攻撃して来るのよりも先に倒せるので、ほとんどダメージを受けずに倒すことができる。
そして、残った数体のウルフが逃走して、魔物の集団との攻防戦は俺らの勝利で終わった。
安心した瞬間俺は、魔力欠乏でぶっ倒れた。
後から聞いた話なのだが、俺が目覚めるまでの間、魔物の後処理、今後の会議や壊された所の修理で宴のようなものを行う暇はなかったらしい。
俺が目覚めた後も数日は後処理に追われていた。
あの色彩の能力を支えられれば作業が楽になると思い、何度か書いてみたものの、なんの効果も得ることが出来なかった。
そして後処理がおわったと同時に村長の家に呼ばれた。
部屋に入ると同時に村長から声がかけられる。
「後処理まで手伝って貰ってすまなかったな」
「これくらいなら全然大丈夫です」
「早速本題に入らせて貰うが、村を救って貰ったからな。それ相応の礼をしなければという事になり、取り敢えずその短剣ともう一本武器をお前に渡す事にした。キュロープス今渡しておけ。次の話が最も肝心なんだからな」
村長があまりにも真面目な顔をして言うので、次の話が何なのか、不安で仕方がない。
「こいつのスキルは、魂″堕・破壊不能・成長の3つだ。武器のスキルは人間のとはかなり違うからいろいろ試してみるといい」
「破壊不能がついているのか‼︎本当にありがとう!」
「これでも礼が足りないくらいだよ。なんたって村を救ってくれたんだからな」
短剣を少し抜いてヤイバの色を確認してみる。
なんと色は黒ではなく、真紅色の刃だった。
「キュロさんこれ赤くない?」
「あぁ。黒色になるかと思ったんだが、なぜか赤色をしていたんだ」
「とにかくありがとう!」
「おう。絶対に手入れは怠るなよ」
「もちろんだ」
「そろそろいいかな?」
村長に声を掛けられ、不安が再び押し寄せる。
「大丈夫です」
「では、単刀直入に言おう。眼を受け継ぐ気はないか?」
中々PVは伸びませんが、めげずにゆっくり更新していきます。