2話 裏切り
馬車から逃げ出した俺達を、それに気が付いた数人の盗賊達が追いかけて来る。
俺は、敏捷力をかなりあげているから、ある程度は振り切れる。
それでも、ステータスアップ系のスキルを持っている奴は振り切れない。
俺とベレトは、森の中を左右に分かれて逃げているが、俺を追いかけて来たのは、スピード系のやつで、俺の方が敏捷力は高い筈なのに、相手との距離が全く開かない。
-加速-
盗賊がそう言った瞬間に俺との差が一気に縮まった。
そしてすぐにまた盗賊が-加速-を使うタイミングに合わせて、目眩しのつもりスキルを使った
-色彩-
俺が言った瞬間、普通は木や草の物質が染まる筈なのに、盗賊の周りの空気が黒く染まった。
空気が染まるなんて話は聞いたことない。
正直驚きは隠せないが、今は有り余る体力で全力で逃げ切るしかない。そして3分ほど追いかけっこをしていると、いきなり崖の目の前に出てしまった。
それと同時にベレトが、近くの茂みから出て来た。
そしてベレトに続いて盗賊達が茂みの中から飛び出て来た。
盗賊達にも周りを囲まれ、絶体絶命だと思っていた。
盗賊の頭に見える奴が前に出てきて、何がを弾くポーズを構えた。
「ボスから、誰も逃すなと言われてるんでねェ…
とっ捕まえて、奴隷として売りさばくのもいいが時間がねェからなァ…死ね!-石弾!-」
数発の石弾が放たれると同時に、-誘導-という声が横から聞こえ石弾がありえないカーブを描いて全弾俺めがけて飛んできた。
何発かは避けれたが、避けきれなかった数発が俺の右目と左足に命中し、血しぶきをあげて弾け飛んだ。
ベレトは誘導スキルを使い盗賊の意識も俺に向けさせたのか、まんまと逃げ去っていた。
-色彩-
色彩を駆使して俺自身を無色透明にし、逃げようとしたが、さっきの頭が俺の足元に向かって石弾を撃ち込んだ瞬間、俺の足元が崩れ去った。
足元の岩石と共に落下しながら俺は、異常な高さの体力を信じるしかなかった。
そして、走馬灯がよぎった瞬間背中に鈍い衝撃が走り、1tはあろうかと思われる岩石に押しつぶされ、俺は意識を失った。
やっと時間が空いて投稿出来ました。1週間に2話目標に書こうと思います。まだ最大アクセス数が25なのが寂しいですが、3桁目標に頑張ります。感想やレビュー書いてくれると、本当に嬉しいです。