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1話 再会と不運

あと少しで人生が決まると思うと、頭がスキルのことでいっぱいになる。

そんな感じで緊張がマックスな俺に、不意に声が掛けられた。

「おぉ!お前もスキル今日ゲットすんのか!偶然だな!」

いきなり緊張してるところに喋り掛けてくんじゃねぇ!とか思いながら顔を上げると、そこには、一生会えないかと思っていた懐かしい友の顔があった。

「なんだお前かよ!びっくりさせんなよ!」

久しぶりのベレトとの再会で、緊張を吹き飛ぶくらい、嬉しかった。

俺が毎日走ってることが噂でベレトの町までひろまっていたことや、新たなスキルが発見された事など、色々な話をしているうちに、馬車はメテオラ修道院に着いた。

いつもは強気なベレトも、今日に限っては弱気だ。

「や、やばいな。流石に緊張してきた…」

「俺もだ…」

今にも死にそうな表情の俺たちを連れていよいよスキルが授受される祭壇の前に来てしまった。

ここまできたら、あとは祭壇の上で手を合わせるだけでスキルがわかってしまうのだ。

しかもそのスキルは、横にいる大神官を通じて国に報告されてしまうのだ。

スキルが戦闘向きだと、軍への推薦状が届く。

また、技術系統のスキルもランクが高いと、国のお抱え職人の弟子になることが出来る。

また、戦闘スキル持ちだと、軍の推薦が届かなくともクランに入ることが出来るかもしれない。

技術系スキルなら、持っていれば跡取りを募集している職人になら、入れることが多い。

そしてクランにも入れずに、技術系スキルも持っていない人は、冒険者クランに入ることになる。

しかし、そこに入ってしまうと、依頼されたクエストに対して、所属人数が多いため、一ヶ月に数回しか依頼をこなすことはできず、年収は、50万マーター程度らしい。

平均年収は1000万マーター程度なので、最下層に位置してしまう。

これが、スキルが人生を決めると言われる所以だ。

そして、ついに俺の番がきた。

心臓が耳の横にあるんじゃないかっていうくらい大きな鼓動が聞こえてくる。

祭壇の階段を、登り切ってしまいあとは手を合わせるだけだ。

鼓動を落ち付けようと深呼吸するも、全く収まらない。

そして手を合わせた瞬間にステータスは目の前に表示された。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

モロス

ステータス

筋力:67

体力:1035

敏捷:100

魔力:129

技能:スキル強化・成長″熾・色彩″熾

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


あまりにも弱い構成に落胆しながら、祭壇の下に降りていった。

筋力は平均が確か57だった筈だから平均を上回っているからいい方になるし、体力は世界でも4桁台は4人しかいなかった筈だから、世界で5人目の4桁台だ。

敏捷はだいたい平均は55くらいな気がするから、平均を40くらい超えている。

魔力はトレーニングでは伸ばせないステータスとして有名だが、平均値が100なので強い方には入れた。

しかしスキルに内容は酷いもので、まずスキル強化だが、内容としては、スキルごとにクラスがあり、俺のスキルのクラスは両方、熾というクラスになっている。

そのクラスを一つ上のクラスにするという効果だ。

しかしこのスキルが無くても、クラスが高ければいいので、外れスキルと呼ばれている。

色彩は、触れた物の色を自由に変えるという効果らしく、技術系スキルに分類される。

しかし技術系スキルの中で、底辺に位置するスキルだ。

しかも、このスキルは国からのお抱えがいない為、クラスが高くても、城下街の職人に弟子入りするしかないのだ。

3つ目の成長は、成長だが、このスキルは筋力、体力、敏捷力しか鍛えられないので大して強くない。これもやはり外れスキルの1つに数えられている。

一応冒険者クランに入ることになってしまうというルートは避けられたが、色彩職人として一生生きていくのかと思うと、絶望しか感じられない

そうして、ベレトの番も終わり、ステータスウィンドウを見せ合った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ベレト

ステータス

筋力:54

体力:256

敏捷力:50

魔力:89

技能:誘導″座・不老不死・剣術″力

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「不老不死持ってんのか。羨ましいなぁ」

「でも、石化スキルとか攻略方法はいくらでもあるからなぁ」

石化スキルは、相手を石像にするスキルだが、石像にしたあとに破壊して、原型をなくせば、そこらへんの石と変わらないので、死んだのと変わらない状態にすることもできる。

また、拷問をされても死なないので捕虜にされた時は、地獄を味わうことになる。

「お前の体力4桁ってやばいな。どんだけ走り込んだんだよ。世界トップレベルじゃねぇかよ」

「でも、それを生かせる職業に就けないんだよ…」

2人で落ち込みながら、帰りの馬車に乗った。

そして山を下り森に入った瞬間に、いきなり前の方が騒がしくなった。

俺は、全く状況を飲み込めないでいた。

「おい、早く逃げるぞ!」

ベレトに言われて、やっと大体の状況が飲み込めた俺は、慌てて馬車から飛び降りて逃げ出した。

スキル習得は、この国では、あそこの修道院でしかできないため、それを狙った人攫いがたまにいるのだ。

のんびり更新していきます。

全体的に短めだと思います。

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