用語集
用語集です。
だいたい作中に出てきた順。
作中でわからない用語がありましたら、教えていただけると助かります。(意図的に除外している用語もあります)
【星夜灯 せいやとう】
万星節の日没後に灯す角灯。戻って来る祖先や死者の魂が迷わないよう、目印として家の軒先に吊るす。
使われるガラスの材料は、石英、香木灰、石灰岩。さまざまな図柄がある。
【待ち人の星夜灯 まちびとのせいやとう】
万星節で灯せば、想う人に必ず会える特別な星夜灯。
作るためには、死者との思い出が宿る、強い結びつきがあるものと星屑が必要。灯し火が消えれば、相手も消えてしまう。
夜明けと共に砕ける。
【万星節 ばんせいせつ】
星の光が最も強くなる日。
この世とあの世の扉が開き、祖先や死者の魂が戻って来る。
人々は目印として星夜灯を灯す。墓地へ墓参りにも行く。街の広場でかがり火を焚き、歌い、踊る。
死者も生者も一緒に過ごす、特別な夜。
【かがり火 かがりび】
万星節の夜に、街の広場で焚かれる炎。
木材を井の字に組み、中央に紙飾りで装飾した柱を立てる。
点火する時と、柱が燃える時が見どころ。人々はかがり火の周りで歌い、踊り、星の夜をみんなで楽しむ。
【香茶 こうちゃ】
常緑低木の新芽を摘み、加熱せず(以下略)乾燥させたもの。ポットに湯を沸かし、煮出して飲む。透き通った紅の水色。花のような芳香がある。
【香り煙草 かおりたばこ】
すっとする、強い清涼香の紙巻き煙草。
効能は、眠気覚まし、気付け等。仕事に追われる職人たちがお世話になったりする。常用性はない。
【星屑 ほしくず】
天の星が地上に落ちたもの。「待ち人の星夜灯」の材料のひとつ。
丘の向こうの森に落ちることがあるが、数が少ない。雪に埋もれたり、湖に沈んだりして探すのが大変。星屑探しは、狼や雪崩に遭う危険もある。
【グレオ銀貨 ぐれおぎんか】
銀貨の一種。この他に、街では銅貨も流通している。
【白熊亭 しろくまてい】
料理が美味いと評判の酒場。店主は熊に似た男、ヤルノ。
主にガラス職人たちが集う。職種によって集まる酒場がなんとなく決まっている。
【油紙 あぶらがみ】
油を塗った紙。脂取り紙ではない。
撥水性があり、さまざまな用途で使われる。よく燃える。
【鰊の香草燻製 にしんのこうそうくんせい】
香草を使った鰊の燻製。リオンの好物。
【じゃがいもと豆のスープ じゃがいもとまめのすーぷ】
皮を剥いて一口大に切ったじゃがいもと水を鍋へ入れる。
ひと煮立ちしたら、大豆、ひよこ豆、エンドウ豆、レンズ豆などなどを、鶏の骨とローリエと一緒に入れ煮込む。塩と胡椒で味を整えれば、完成。
【小口鱒 こくちます】
川で採れるマスの一種。全長二十センチ。クセのない白身だが、冬は脂がのっている。
【サルタ さるた】
かまどの灰の中で作る、包み焼き。
ライ麦粉を練った生地の上に、切った玉ネギとベーコンと小口鱒を層のように重ねる。生地を楕円形に成型し、かまどの灰の中へ入れる。焼けたら皿の上で切り分ける。
【薬草のリキュール やくそうのりきゅーる】
蒸留酒に香草や薬草を加え、熟成させて香りや味を移した酒。
リオンが仕込んだリキュールは、琥珀色でほろ苦く、爽やかな香りのものになった。
【モミの葉の香茶 もみのはのこうちゃ】
香茶の茶葉とモミの葉を一緒に煮出した飲料。素朴な森の香りがする。
モミの葉は油分を含んでいるため、まろやかな口当たり。水色は濃褐色。体が温まる。蜂蜜や生姜を加えるアレンジも美味しい。
【ダール だーる】
長さの単位。
一ダール = 約一メートル。
【燃鉱石 ねんこうせき】
燃料となる石。高温になって燃える。黒く艶がある。
【コートファイ こーとふぁい】
半月状のミートパイ。
羊の挽肉、みじん切りの玉ネギ、一口大のじゃがいもを辛みのある香辛料で炒め、パイ生地で包んで焼き上げる。
冷めても味が変わらず、片手間に食べることができるので、働く者から絶大な人気を誇る職人メシ。
店によってオリジナルレシピがある。
【火吹き牛の革 ひふきうしのかわ】
火山地帯に生息する、火を吹く野牛の革。耐熱性と断熱性が高い。
【鈷青石 こせいせき】
くすんだ銀色の石。細かく砕き、青ガラスの色付けに使う。
【蜂蜜ウォルカ はちみつうぉるか】
蜂蜜を原料とし、十四種の薬草を添加した蒸留酒。特別製法のせいで、アルコール度数が高い。万星節や祝いの席で飲まれる。水色は金色。
【天の星の祝福を グート・シャーナ】
万星節で交わす挨拶。祝福の言葉。別れの挨拶でも使われる。
英語で例えれば「Good luck to you」の意味合いを持つ、「Mary Christmas」のようなもの。
【辻音楽師 つじおんがくし】
街中の楽器奏者。祭りや行事や祝いの席など、さまざまな場面で音楽は欠かせない。単独だったり、仲間とチームを組んだりして活動している。趣味ではなく、ちゃんとした技術職で組合もある。
【フェーレ ふぇーれ】
木製の弦楽器。大きいヴァイオリンのようなもの。
洋梨型の胴に五本の共鳴弦を張り、左手で弦を押さえ、右手の弓で弦を擦って音を出す。音色は華やかで、音域が広い。
肩紐を付けることができ、背負ったりできる。彫刻や螺鈿細工など、装飾が凝ったものも存在する。
【林檎酒 りんごしゅ】
強い酸味の林檎を使った果実酒。水色は鮮やかな赤色。アルコール度数は低い。
冬は温めて飲む。露店ではカップで提供され、飲み終えたカップを店に返せば料金の一部(カップ代)が返金される仕組み。
【組合 ギルド】
同業者の集まり。ガラス職人組合、商人組合などがある。代表者は組合長と呼ばれる。
組合会館を所有し、品物の値段や規則や人事などを会議で決めている。
【若頭 わかがしら】
職人の筆頭のこと。
経験や技術の高さから選ばれる。複数人いる。組合の会議に出席し、組合運営に関わる。
【天幕 てんまく】
木材を組み、フェルトを幕として張った円錐形の軽便なもの。テント。
天井は空いており、天幕内で煮焚きが可能。天井の木材から吊るし金が伸び、そこに角灯を掛ける。
万星節では、寒さをしのぎつつ広場のかがり火を楽しめるため、広場に張られた天幕は特等席。ほぼ時間制。天幕番という、客に使用時間を守らせる係がいる。
需要が高く、グレオ銀貨をはたいても席が確保できないこともある。
【乾杯 ヴォーラ】
杯を捧げ、酒を飲む際の掛け声。
この一言が書きたかった。




