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ファンタジック・エンデ  作者: 三富
第1章 『四人の冒険者』
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第05話 『東方都市タイタンについて』

 運良く足を見つけ、東方都市タイタンへ順調(?)に進んでいた。ゴブリンに襲われてからしばらく進み、野宿をすることになった。

 それから狼に襲われ、倒木が道を塞ぎ、盗賊はぐれに襲われ、馬車の車輪が取れ、食当たりで悶え、ゴブリンに襲われたり。


「なんかいつもよりトラブル多いなぁ、はっはっはー」

 馬車の男性は笑う、暢気だなぁ。



 馬車の男性、名前はマルフだそうだ。そして、彼の住んでる村の名前はツルハ村というらしい


 道中に食べたお米は美味しかった。マルフさんが出してくれて、村の特産品だそうだ。これを売りに行くのだろう。美味しいし評判も好評のはずだ。マルフさんの話によると野菜も育てているとのこと。『おいしいし、今度、ツルハ村へ立ち寄ることがあれば食べに来てくれ』とオススメしてくれた。


 それからマルフさんに副都市タイタンの事を聞いた。僕らは村からほとんど出たことが無いため持ってる情報が少なすぎる。知識として知ってても実際に知ってる人からの話の方が分かりやすいし信憑性もある。




 東方都市タイタン

 中央都市エンデより東方に位置する副都市。北方にはケルン、西方にはターチャ、南方にはロマ

 中央都市エンデより東西南北に副都市が存在する。


 そして東方都市タイタン、ここは樹木を使った物が発展している。木造建築や木工製品、それにワソウと呼ばれる服装が流行ってるそうだ。上と下が一緒になっててフリフリしてるらしい。本でしか見たことないがオーバーオールみたいなものだろうか?


 どうもイメージができない。


 それと都市というイメージに比べ自然が多い様に感じるそうだ。木に囲まれているせいだろう。俗にワフウと言うそうだ。詳しくは分からないがそう呼ぶらしい。もしかしたら僕らの村に雰囲気は近いかもしれない。


 『木造なら火事があったら大変ですね』と聞いてみたら、燃えにくい木を使ってたり、燃えにくく加工してるからそこまで火事は多くないし、大規模にならないと言っていた。それに町中に水が流れていて火事には備えているし、それが木造建築と相まって綺麗だともいう。

 だが、『基本は市場にしか行かないからそこまで詳しくは分からないのであまり力にはなれなかったかな』とマルフさんは言う。詳しくないという割にはたくさん教えてくれた。『いえ十分です。ありがとうございました』と返した。

 流行ってる物、特産品、街の作りを事前に知れたのは大きい。事前情報はあればあるほど良いが、これ以上はタイタンに着いてから、かな。

 

 馬車から外を眺める。


 見慣れたものだ、だが慣れても飽きない。自然を見るのは楽しい。今度スケッチでもしてみようかな。

 


 見慣れても、これだけは慣れないなぁ……


「うぅ、お尻が痛い……」「私も……」

 二人がお尻を庇っている


「こればっかりはしょうがないさ」

 笑いつつ目線を空へ向ける。


 いい天気だ。

 馬車の車輪が小気味良い音を奏でている。




「ほら、城壁が見えてきたよ」

 マルフさんが嬉しそうに言う。



 四人は荷台の前に行き、身を乗り出す。



「これが……」



 東方都市タイタン―――。



 木が盛んなだけあって壁も木製だ。


 初めての副都市、初めての村以外の場所。


 どんなところだろう。

 耳で聞いても目で見るものと一緒とは限らない。

 

 城門に目を向ける。 


 中に入ったらまずゆっくり休みたいし、宿とお風呂を探そう。




 あぁ――お布団が――恋しい――――。






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