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犯人発見

「調べるってどうするの?」


「まぁ、調べるって言ってもあなたについてる霊痕から逆探知して犯人をつきとめるんですよ。心当たりを聞いたのはたどり着いた犯人の身元を調べる手間をなくすためなんですよ。」


 俺がそう疑問に答えると明美さんは驚いた様子で聞き返してきた。


「霊魂ってそんなものが私についてるの!?さっきと話が違うじゃないの‼‼」


「あ~、たぶん明美さん字、間違ってますよ。霊の痕って書いて霊痕って言うんすよ。それと、霊痕自体には悪影響はないから大丈夫だし、ちゃんと逆探知後に消しますよ。」


「そ、そうなの⋯ごめんなさいね、怒鳴っちゃって。それでどんな風に逆探知するの?私、そういうのすごく興味があるの。南さんの話には君が仕事してる様子についての話はなかったから。」


明美さんは興奮した様子で質問してきた。


「そんなに大したことはしませんよ。ただ明美さんに触れて意識を霊痕に流し込んでたどるだけっすよ。」


 そう明美さんに説明していると麗が契約についての話をするように指示してきた。それにアイコンタクトを返し話題をかえた。


「その前に明美さん、今回の契約についてなんですけど、今回の場合怪奇現象の原因は物件ではなくてあなたに関係しているので依頼主は南さんからあなたに変更になるんですよ。詳しい内容については麗がします。俺そういうの専門外なんで。」


「ええ、わかったわ。それじゃあ麗さん、説明よろしくね?」


「はい。それではまずこちらの書類をお読みください。こちらの書類は⋯」


 

 麗が説明を始めたのでやることのなくなった俺はさりげなく部屋を見回した。明美さんの住んでいるこのマンションは賃貸ではない筈だ。けっして一般の30歳前の女性が払えるような額ではないはずだ。一体何の職業についているのだろうか。もしかして良いとこのお嬢様?確かに気品もあるし可能性は高いかな?

 そんなどうでもいいことを考えていると、話を終えた麗に声をかけられ意識を現実に戻した


「所長、契約がまとまりました。早速作業に入ってください。」


「ん、了解。それじゃあ、明美さん、どっちでもいいからあなたの手を俺の手に重ねて。」


「わかったわ。これでいい?」


「いいよ~、それでははじめまーす。」


 俺は目を閉じ重ねられた明美さんの手を通して意識を霊痕に流し込み繋がりを辿っていく。辿ること数秒、ここから八km程離れた寂れたアパートの一室にたどり着いた。その部屋はゴミが散乱し汚れていた。そんな中に薄汚れた男がいた。元はそこそこの優男だったのだろうが無精ひげが生え、濃いくまができていて浮浪者の様に見えた。


〈こいつか~、この感じを見るに予想は当たったみたいだね。まぁ、女に捨てられただけじゃなくて失業もしちゃって明美さんとよりを戻して養って貰おうとしてるのかな?それにしても部屋にいてくれてよかったー、表札を確認できる。〉


 犯人の顔を確認した後、俺は表札を確認して意識を肉体に戻した。目を開けると顔を赤くした明美さんが視界に入った。


「ただいま。いやー、美人の照れた顔はイイネ!モチベ―ションがあがるよ。」


 直後、後頭部に衝撃が!あまりの痛みに頭を抱える俺を未だに顔を赤くした明美さんと汚物を見るような目をした麗が見つめていた。




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