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Vacation day  作者: 睦月火蓮
11/13

Story memoryⅩ

(フレア視点)


…気のせいだろうか。一瞬だけ、あの人の気配がした気がした。


カーディ「…どうかしたか?」


フレア「…いや、何でもな…」


懐かしい声がした。…そんな気がした。



「はい、これだね」

「ありがとおにーちゃん!」

「もう放しちゃ駄目だよ」



カーディ「…あんな奴いたか?」


フレア「……?」


あのマントを羽織った男…いや、青年か少年ぐらいか。

まったく、気配が感じ取れない。


「…!」


どうやらこちらの視線に気がついたらしい。

少しだけ口元が見える。その直後だった。


「…__」


フレア「…えっ…?」


カーディ「…!?」


あの口の動き。あの手を口元に持っていくクセ…もしかしたら、いや…もしかしなくても…


フレア「まっ…待って…!」


…この目で、確かめないと。

------------------------

…この湖畔…昔、迷子になったりしたな…


カーディ「…?」


「カーディ様ー、フレア様ー」

「いたたた…」

「探しましたよー」


「あれ?皆どうしたんだ?」

「すごい偶然だねー」

「…」


…なんか、一気に賑やかになったな。


カーディ「…リーフ、ライト、アクア。門の方に行くって言ってなかったか?」


アクア「…色々あって、僕は一度抜けましたが、戻ってきたら例の黒龍に乗った男がいて」


カーディ「…例の黒龍?」


アクア「…聞いてなかったんですか?」


…呆れられてるな。

話を聞くと、あの人の黒龍らしき龍に乗った男がいたらしい。

…そんなまさか…だが…


「…『全てのものには、光と闇が存在する』」


フレア「…!?」


ライト「誰!?」


リーフ「こんな時でも女々しい…」


この詠唱…いや、そんなまさか…


「…『影は光に近い闇。我らは影を扱う者…』」


アクア「…」


「キューイ!」


…幼い頃よく乗せてもらっていた…あの黒龍と同じ、懐かしい鳴き声。

泉の方から、突然風が吹いてきた。

…振り向くと、あの黒いマントを羽織った少年が黒龍とともにいる。


カーディ「…誰だ」


カーディが私の前に出て、あの少年に言う。

既に剣は腰の鞘から抜かれている。


「…」


しかし、あの少年は一度こちらを見ると再び黒龍に視線を戻す。

…そして。


「…ありがとう、『シーヤ』」


「キュイ♪」


…シーヤ。

あの人が乗っていた黒龍…でもどうして…


リーフ「…どういうことだ?」


ライト「…さぁ…?」


「…驚かせてしまいましたか?…『姫様』」


フレア「…!」


間違いない…あの人だ。私のことを姫様と呼ぶ、唯一の…


フレア「…シャドウ…」


カーディ「…何?」


「やれやれ…あれほど僕やスティーリア達と指導したのに、わかってないのですか?

 カーディナル様?」


カーディ「…えっ…」


あの人…シャドウだけだった。カーディのことを『カーディナル』と呼ぶのは。

私だけじゃない、皆も気付き始めた。

…そんなタイミングを見計らったかのように、ある声が聞こえてきた。


「どー?、シャドーウ?」


シャドウ「…ゲッ…」


今『ゲッ』って言ったか?

ということは…


「久しぶりだねーぇ、カーディ?」


カーディ「…兄上」


タンジャリーン・フレイムバレット。

つまり、カーディの兄で私のお義兄様。シャドウが唯一苦手な存在らしい。


シャドウ「…タンジャリーン様」


タンジャ「んー?」


シャドウ「…今更ですけど…この姿の意味は」


タンジャ「特にないよ?」


シャドウ「…そうですか」


カーディ「…『この姿』というのはいった…

 ……!?」


タンジャ様がシャドウにフードを被せたかと思うと、シャドウの姿が変わっていた。


リーフ「…あー!!」


ライト「門の前の人…」


カーディ「知ってるのか」


アクア「…剣術で僕を敗った者ですから。それも完全に僕の癖等を見切って」


アクアはこの国で最も剣術を得意とするカーディの次に優れている者だ。

そのアクアの癖を見切り、打ち負かすとは…


シャドウ「…何故に今姿を戻すんですか?」


タンジャ「いやー、この方がシャドウも話し易いかなって。結果的にはどっちもどっちだね、あははー」


シャドウ「あははー。って…はぁ…」


アクア「…」

タンジャリーン・フレイムバレット

 カーディナルの兄。性格は飄々としてる、あとドSだったりする。少年期によく弟置いて城を脱走した。

 シャドウが苦手としていた理由はやたら絡んでくる事、真面目なのかふざけているのか分からない、酷い事をしても全部許そうとすること…等々。

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