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Vacation day  作者: 睦月火蓮
10/13

Story memoryⅨ

ファイ「…あの方が会いたがっている、『シャドウ・トワイライト』と会わせるには…

 …『僕』が直接、あの方に会いに行かないといけないのに…」


自分でもわかるぐらい混乱して、その状態でシャドウとしての魔力を戻した。

感覚としては、シャドウだった頃に近い。


アクア「まさか…だ、だが…仮に貴方がシャドウ殿だとしても…!」


ファイ「『20年前と変わらない姿なのか、そしてシャドウ・トワイライトはあの日亡くなった筈』。

 …言いたいことはだいたい分かるよ」


チラッと二人を見ると、僕の意思に気がついたのか黙って頷いた。


ファイ「…良いよ。全部、君に話してあげる」






──あの日、君達も知っての通り…僕は姫様を守って死んだ。


でもシュテや姫様、君達が心配で…暫くこの世に留まった。

あの悪夢の本…魔道書【ナイトメア】に触れるまでは。

君なら知っているかもしれないけれど、あの本は人の心に『闇』をもたらす本だ。

それに気付いた時にはもう遅かった。


『影の王』。僕は影一族の者…光に属する闇でありながら、闇に君臨した。


そして何百年もの時…待った。君達が…あの方が生まれ変わった存在を。

その時はただ、力が欲しかっただけかと思ってたけど…本当は止めてほしかったのかも知れない。

…僕は沢山、未来の君達に酷い事をした。

 信じてくれないかも知れないけど、君に結構色々と言われたよ…あ、土下座しようとしないでくれる?……冗談だから、うん。


その後、君達のおかげで目が覚めた。…しばらくは、王子君と影がリンクさせられて…まぁ、色々あって、何の未練もなくなったからその後はちゃんと成仏した。


それから、少し経ったぐらいかな。


僕…ブライトとディアマもだけど、ある科学者…マスターの実験として、選ばれた。

『死者蘇生』…禁断の実験さ。


アクア「『死者蘇生』…?……まさか…」


ファイ「…ナイトシェイド国、国王ブレイブ・トワイライト。妃ディアマリア。

 …つまり、シャドウだった時の父上と母上さ」


ブライト「…」


ディアマ「…」


フィー「…」


ファイ「……二人共、無言やめてくれないかな」


ブライトは『時空操作能力』。

ディアマは『能力模擬』。

俺は『物質変換・具現能力』。

それぞれ能力を与えられた。


マスターは、やっぱりしてはいけない事として、実験を中止。

…ちなみに、マスターはフィーの祖父。


まぁ、中止の原因になったのも…ある意味俺のせいかな。

ブライト、ディアマ。二人は記憶はちゃんと残っていたけど…俺にはなかった。

マスターは大切な誰かを蘇らせたかったらしいからね、記憶がないリスクがあったから…かな。


…俺として目覚めてから、フィーに名を貰った。

『ファイ・リュミエール』…それがそうさ。


アクア「…ナイトシェイド国、古代語源で、ファイは兄。リュミエールは…」


ファイ「記憶。…シュテは本が好きだったからね。

 俺に思い出してほしかったんだろうね」


フィー「…」


…それから、しばらくは研究所にいた。フィーが俺になついていたからね。その時は疑問だったけど。


でも…

別の実験中、何か不具合が起きたらしく…俺とフィーは、ブライトに別の世界へ逃がされた。


その時だよ。

ルビーに会ったのは。


…ルビーは、本当に幼い頃の姫様そっくりのお転婆姫だったよ。…おかげて俺の記憶は、次第に戻った。

一週間前、姫様が『大切な人の墓』と言ったその場所にあったシャドウの像を見て…全部思い出した。


そんな時──


ファイ「…この手紙が、組織に届いた。依頼書としてね」


…差出人は無かったけど、内容を見ればすぐに分かった。

その言葉は黙っておこう。


アクア「…」


ファイ「…最初、ここに来ることには迷った。

 でも……仲間に背を押されて、向き合おうって思った」


……来世の、二人の曾孫に言われたら余計、ね。

ま、彼の血縁も多少混じってるけど。


アクア「…」


ファイ「…でも、もう良いんだ。姿が変わって…

 …何より、目の前で死んだ人間が現れても…信じてくれるとは思えないし」


アクア「…シャドウ殿…」


ファイ「…なんか、悪かったね。こんなことに付き合わせて」


…本当は、怖いんだ。

俺が俺じゃなくなるような気がして…





「──そんな簡単に逃げるのかい?シャドウ君」


ファイ「…!」

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