Silver925
某フリマサイトで、お気に入りのブランドの指輪を見つけた。箱と袋込みで五千五百円。
ずっと探していた物だった、コメント欄。
「コメント失礼します、こちらのお品は新品に近いとありますが、使用済みでしょうか?お時間のある時にお返事お願いします」
「コメントありがとうございます‰≠≧∬∜∦なのでご了承ください」
「すみません文字化けしているようで、よく分かりません、もう一度お願いします」
「いえいえ、どうもすみません、こちらの物は‰≠≧∬∜∦ですので、お願いいたします」
二度目以降はさすがに躊躇われて聞けなかった。
私は以前から探していた物だと言うことと、売主さんの早い返信に納得して購入した。
夜だったのに、即日発送してくれた。
二日後例の指輪は届いた。
とても可愛くて正に理想通りだったこともあって、気分が上がっていた。
受け取り評価には「迅速丁寧な対応をありがとうございます」
と評価させてもらった。
さらに二日後、指輪をつけた指が重い。
裏側にもブランド名の記載がなかった、質屋に鑑定してもらう。
どうやら偽物のようだ。
取引相手のページを見るとブロックされていた。
偽物だとわかっていても、長く探していたものだからいいだろうという気持ちが湧いてきた。
私は指が重くても指輪をつけることにした。
よく見るとSilver925の部分に赤茶色い何かがついている。
細かい細工なのでいくら拭いても取れない。
私は別のアカウントを作って例の取引相手に接触した。
全く同じ指輪が出品されている。
「コメント失礼します!こちらの商品はシルバー925でしょうか?出来れば写真の追加をお願いいたします」
「コメントありがとうございます、写真追加しました!こちらは¿Å∧∦∪になります、よろしくお願いします」
相手はわざと特殊記号を使っているのだと気づいた。
写真を確認するとSilver925の部分が血の色に染まっていた。
サイトに報告する、そのIDは存在しませんと返ってきた。
指輪が回しても抜けそうにない、ぐいぐいとくい込んでいく。
Wリングになった隙間から血が溢れ出す。
ここまで来ては指輪を切断することさえ難しいだろう。
みるみるうちに血が固まりだす。
固まった血の上から新しい血が流れていく。
なぜ私はこの指輪を探していたのだろう?
それさえ分からなくなってきた。
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