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16話:洞窟の中をサクッと制圧していく

 ヤエン村を出てからしばらくして。


 俺は村長に貰った周辺地図を頼りに森の中にある洞窟を見つけていった。


「おぉ、ここが賊たちのアジトか。結構簡単に見つける事が出来たなぁ……って、うん?」


 するとその洞窟の中から大きな声が聞こえてきた。何やら大いに盛り上がっている様子だ。


 俺は早速洞窟の中に入って様子を伺ってみる事にした。


「ぎゃははは! 今回は大量でしたね、リーダー!」

「おう、そうだな! これは金が大量に手に入りそうだ! あはは!」

「う、うぅ……」

「こ、こわいよ……」


 洞窟の中では酒盛りをしながら盛り上がっている男たちがチラホラといた。それと大きな檻の中に若い人たちが囚われているのも確認できた。


 おそらくはあそこの檻の中に入っているのが村で襲われた人たちなんだろうな。


(ふむふむ、まぁ見た感じ賊共は皆酔っぱらっているようだし、これなら俺一人でも問題なく倒せそうだな)


 ぱっと見た限りだと賊共の身体付きはそれなりに鍛えてるように見える。


 でも今は皆酒を飲みながら楽しんでるようなので、皆それなりに酔っぱらっている。流石にそんな酔っ払ってる状態のヤツらに俺は負ける気はしない。ってかこんな状況でもしも負けたらセバスに滅茶苦茶怒られるからな……。


 まぁとりあえず敵の現状把握もちゃんと出来た事だし……それじゃあサクっとぶっ飛ばしてくる事にしようかな!


「あ、そうだ、リーダー。せっかくですし、奴隷商人が来るまでにちょっと捕まえた女たちを味見しても良いっすか?」

「あぁ、そんなの……はは、もちろん良いに決まってんだろ。壊さなきゃ何しても構わねぇぞー」

「おぉ、まじっすか! ありがとうございます、リーダー!」

「え……そ、そんなっ……」

「ぐすっ……い、いやだよ……」

「おうよ。俺も後で味見すっから壊すんじゃねぇぞー。ちゃんと皆で仲良く大切に使えよー?」

「あはは、もちろんわかってますって! よし、それじゃあリーダーの許可も貰った事だし、早速攫ってきた女を味見させて貰うとするかなーグハァアアアッ!?」


―― ドゴォオオン!!


「よし、俺も一緒に味見させて貰うぜー……って、なっ!? お、おい、スランツ!?」

「な、なんだよ今の轟音は!? そ、それにスランツが思いっきりぶっ飛んでいったぞ!? お、おい、スランツ! 大丈夫かっ!?」

「ぐがはっ……!」


―― バタンッ……


 俺はさっと賊共に近づいていき、囚われていた村人に手を出そうとしてたヤツを速攻でぶん殴ってみた。


「おー、何だかめっちゃ遠くまで飛んで行ったなー。はは」


 そしたら何だか思いのほか遠くまでぶっ飛んでいったので、俺は笑いながらそれを見届けていった。


「え……って、うわっ!? な、なんだテメェ!?」

「え? うわっ!? い、いつの間に!? テメェ誰だよ!?」


 それからすぐに残りの賊共はビックリとした表情で俺の事を睨みつけてきた。でも俺は特に態度を変える事もせずに笑いながらこう言っていった。


「んー? はは、別に誰でもいいじゃないか。今からテメェらをぶっ飛ばすヤツだよ」

「なっ!? テメェ舐めやがって……!」 

「俺たちが盗賊団だとわかっててそんな舐めた口聞いてんのか!? ふざけやがって……おい、テメェら! 今すぐコイツをブチ殺すぞ!!」

「了解です、リーダー! いくぞオラァ!!」

「オラオラ! さっさと死ねやぁ!!」


 そう言って賊共は一斉に俺に目掛けて攻撃を仕掛けてきた。でも流石にこんな酔っ払い共の攻撃なんて避けるのは非常に容易い。


 というか酔っぱらってなくてもコイツらの攻撃はそこまで強くなさそうだ。セバスの攻撃と比べたら雲泥の差があるな。


「はぁ、威勢が良いだけでこんな単調な攻撃じゃあ簡単に避けられるよなぁ……ふんっ!」

「え……って、ぐがはっ!?」

「えっ!? お、おいフレンダ!? く、くっそ、こいつ舐めやがって……し、死ねやオラァ!!」

「いやそんな生半可な攻撃じゃあ殺せねぇよ。そんじゃあな。とりゃああ!」

「え……グ、グギャアアアア!?」


―― ドゴォオオンッ!


 俺は襲い掛かってきた賊共の攻撃をひょいひょいっと避けていき、そのまま賊共の腹部目に目掛けて全力で殴りを入れていった。


 すると賊共は次々にぶっ飛んでいって、そのまま受け身をとれずに皆地面に倒れこんでいった。


(うーん、コイツら全然ダメだ。修行が足りてねぇなー)


 俺は次々に倒れこんでいってる賊共を見ながらそう心の中で呟いていった。こんな賊共の攻撃なんて、セバスの攻撃を毎日浴びまくってきた俺にとっては赤子同然のようなぬるい攻撃だった。悪党やるんだったらもっと身体を鍛えろよな。はぁ、全く……。


「な、なななな……なっ!? な、なんだよテメェは……!?」

「んー? おっと、まだ一人だけ残っていたのか。はは、それじゃあ最後にお前の事をサクっとぶちのめして終わりにするか……って、あ、あれ?」

「ひ、ひぇっ……う、うわああああああっ!!」


―― ダダダダダッ……!


 すると賊の最後の一人は俺に攻撃をしかける事なく、なんと踵を返して全力で俺から逃げ出していった。まさか賊が逃げ出すとは思わなくて俺は少しだけビックリとしてしまった。まぁでも……。


「いや逃がす訳ねぇだろ! ふんっ!」

「はぁ、はぁ……って、えっ!? グ、グギャアアアアアア!?」


 俺は逃げて行ってる賊の太ももに目掛けて短剣を投擲していった。すると俺の投げた短剣は賊の足に突き刺さっていき、その賊は動けなくなって地面に倒れこんでいった。


「ぐ、ぐぎぎ……な、なんでだ……? なんで短剣が刺さっただけで……俺が動けなくなる、んだよ……?」

「あぁ、この短剣には痺れ薬が塗布されてるんだよ。実は俺の義妹は薬作るのが上手でさ。それでモンスターと戦う時に是非とも役立ててくださいって言って、この痺れ薬が塗られた短剣をプレゼントしてくれたんだ。はは、どうだよ? こんな即効性のある痺れ薬を作れるなんて凄く優秀な義妹だろ? 俺にとって自慢の義妹なんだぜ」

「は、はぁっ……!? こ、こんな一瞬で身動きが取れなくなるような……痺れ薬を作れる妹だと……? な、なんだよ、そいつ……化け物か、よ……」


―― ガクッ……


 そう言い残して賊はすぐに気を失っていった。どうやら全身に痺れ薬が回っていったようだな。


「ふぅ、これで今度こそ制圧完了だな。何はともあれ穏便に制圧が出来て良かった」


 そして制圧をする最後にはエレノアから貰った痺れ薬の短剣が非常に役に立った。これは後でエレノアにしっかりと感謝を伝えなきゃだな。

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