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11話:夜にエレノアが俺の部屋にやって来る

「相変わらず坊ちゃまとエレノアお嬢様は仲が良いですね。ふふ、兄妹仲が良いのはとても素敵な事ですよ」

「いや、そりゃあ仲が良いのは素晴らしい事だとは思うけど……でもちょっと仲が良すぎる気もするんだが……」

「ふふ、別に良いではありませんか。数年前までの険悪だったあの頃と比べたら今の仲良しの方が遥かに良いでしょう?」


 俺とエレノアのやり取りを見ていたセバスは優しく微笑みを浮かべながらそんな事を言ってきた。


「ま、まぁ、そりゃあそうだけど……あ、そうだ。それでセバス。今の俺の身体ってどれくらいまで鍛え上がっているんだ? そろそろ俺のトレーニングはもう終わりでも良いんじゃないか?」

「ふむ、そうですね。まぁ坊ちゃまの身体能力はかなり向上していますよ。肉体的にも魔法の強さ的にも相当強いと思います。正直に言ってそこら辺の冒険者よりも遥かに強いと言えますね」

「え……ほ、本当か!? 俺ってそんなに強くなってたのかよ!? そ、それじゃあさ……そろそろこのトレーニングも卒業させて貰えるって事で良いのかな……?」

「トレーニングを卒業? ふむ、そうですね……まぁトレーニングを卒業したいのであれば、この老人である私と同じくらいの強さを手に入れたら卒業にしてもよろしいですよ?」

「え……は、はい? セ、セバスと同等の強さってそんな無茶な……ちなみに今の俺の強さってセバスと比べたらどれくらい差があるんだ?」

「そうですね……まぁ今の坊ちゃまの強さは私の半分くらいですかな?」

「ぜ、全然卒業出来ないじゃん!!」


 7年以上も修行してきたのに、今の俺はまだまだセバスの半分くらいの強さしか得れてないという事を知って愕然としていった。


 く、くそうっ……これじゃあまだまだ地獄のトレーニングは続く事になりそうだ……。


◇◇◇◇


 その日の夜。自室にて。


「ふぁあ……今日も疲れたしさっさと寝るとするかな……」


 今日もセバスによる地獄のトレーニングを必死に受けたので、俺の身体はもうボロボロだ。なのでさっさと風呂に入った俺はベッドの中にダイブしていった。明日も地獄のトレーニングが待っている事だしさっさと寝よ……。


―― コンコン……


「うん? 誰だ?」

『……私です。兄さま。兄さまのお部屋に入ってもよろしいでしょうか?』

「あぁ、エレノアか。もちろん入って良いぞ」

『ありがとうございます。それでは……』


―― ガチャ


「失礼します、兄さま。こんな夜分にすいません……」


 そう言って義妹のエレノアが俺の部屋に入ってきた。日中に見たピッシリとしたドレスワンピース姿から一転して、今はゆるふわなパジャマ姿になっている。まぁつまりは非常に可愛らしい姿だった。


「大丈夫だよ。それで、どうしたんだエレノア?」

「は、はい、えっと……今夜はちょっとだけ風が強いですよね?」

「ん? あぁ、そうだな。さっきから窓に夜風がビュンビュンって当たってるな」

「はい、そうですよね。ですからそれが少し怖いなって思って……それで子供の頃に襲われそうになった事をふと思い出してしまって……それで良かったら兄さまと一緒に寝たいなと思いまして……」


 エレノアは手元に持っていた大きな枕をぎゅっとしながらそう言ってきた。


 実はエレノアはあの悪者に襲われた時の事を思い出して、時々怖くなって一人で眠れなくなっているんだ。だから時々こうして俺の部屋にやって来て、一緒に寝たいとお願いしてくるんだ。


「あ、あぁ、なるほど。そういう事か……」

「はい。もしかして兄さま……私のお願いはご迷惑でしたか……?」

「い、いや、全然迷惑なんかじゃないよ! それじゃあほら、寒いしさっさと布団の中に入りなよ」

「兄さま……ふふ、ありがとうございます。それでは今日もお邪魔させて頂きますね」

「お、おう」


 怖くて眠れないと言ってる義妹の事を無下にする事は出来ないので、俺はベッドの端に寄りながらエレノアをベッドの中に招き入れていった。するとエレノアは嬉しそうにしながら俺のベッドの中にすぐに潜り込んできた。


「えへへ。兄さまのベッドの中、とても温かいです……」

「そ、そうか。でもあんまり近づかれると色々と問題があるから、出来ればもう少しだけ離れて欲しいんだが……」

「? 問題って? 一体どのような問題があるのでしょうか? 私達は兄妹なんですから問題なんて何も無いはずですよね?」

「い、いや、それはまぁそうなんだけど……」

「やっぱり問題は何もないですよね? それに今日はとても寒いのですから、むしろピタっとくっ付いてた方が良いに決まってますよ。兄さまが風邪を引いてしまっては大変ですから……ふふ、ですから私が兄さまを沢山温めてあげますね……」

「え……って、わわっ!」


―― ピタッ……


 エレノアは俺の身体をピタっとくっ付けてきた。本当にゼロ距離になっているし、エレノアの肌が俺の身体に当たっていて色々とマズイ感情になる。


「ふふ、兄さまの身体はとても逞しくて立派ですね。男らしくて素敵です……」

「そ、そっか。まぁエレノアに褒めて貰えるのは嬉しいよ……」

「まぁ、兄さまに喜んで貰えるなんて嬉しいですわ。それでは兄さまにはもっと喜んで貰いたいので、これからも兄さまの事を沢山褒めていきますね。ふぁあ……ふぅ。それでは眠くなってまいりましたのでそろそろ寝ますね。お休みなさい、兄さま……」

「あ、あぁ、おやすみ」


 そう言うとすぐにエレノアは可愛らしく寝息を立てながら眠りについていった。


 そしてエレノアの隣にいる俺はというと……いやこんな状況ですぐに寝るなんて不可能だって!


 だってエレノアは滅茶苦茶綺麗になっているし、身体付きもしっかりと大人になってきているのに……それなのにエレノアはかなりの甘えん坊になっていて、俺に対していつもゼロ距離で接しようとしてくる。こんなの童貞の俺にはかなりの毒だって!!


 でもエレノアがこんなにも男の俺に対してゼロ距離で滅茶苦茶甘えてくるって事は、それだけアニキである俺を本気で信頼しているって事なんだよな……?


 それならここは俺をここまで信頼してくれてるエレノアのためにも、俺はエレノアに対して悶々としてしまう気持ちにも打ち勝って紳士的に強く生きていこう……!


 という事でこんな滅茶苦茶にエロい状況に負けずに煩悩に全力で打ち勝っていくぞ……! ど、童貞の自制心を舐めんなよ……!

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