表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
斜め上から見た美しい世界〜間違ったのは誰?正しいタスケル出来たのは誰?  作者: RiderLisa


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/51

51話 うさぎの提案

幸せで豊かな【月の中】で暮らしている

うさぎとかぐやは、MoonTube〈ムーンチューブ〉で見た、現代も大昔も不便でコンランする場所【地球】の話に興味津々!


地球の子供たちは、タイヘンでカナシイらしい! 

ふたりは、サンタみたいにプレゼントを届けたらいいのでは?と思いつきました。


月といえばお饅頭!

神様に許可をもらって、地球旅行へ出発しました。


ルンルンでタスケルするのです!


タスケテを知らない地球の子供、桃太郎と幼い妹の桃子との出会い、地球で過ごす日々のなかで、大切な人を助けるとはどういうことなのか?   


かぐやとうさぎは、自らの過去と向き合い、地球で磨かれ、深みのある存在へと成長していく。

「神様、正直に言いますと…

僕たちは丸い月以外は見たことがありません。

けど、タヌちゃんは嘘はついていないと思います

それは神様もお見通しですよね」


「……」

月の神様は目をばっちりと開き、怖い顔でこっちを見ているので緊張してしまいます。


タヌちゃんは嘘をついていないことは、神様も分かっているはず…。

それなのに友達をホラ吹きのように扱われて、温厚なうさぎも少し腹が立っていたのです。

まずは、許されそうな範囲で自分の意見を主張しました。


すぐ横にいる親友、かぐやは心配そうにソワソワしながら神様とのやりとりを見守っていました。


「地球の人たちから見ると、色んな形に見えるんだと思います!」


「うさぎ…

お前は我の月は不完全だと言いたいのか?

我の月は完璧なまん丸だ」


「月は本当に豊かで幸せなところです!

みんなが安心して暮らせるのは神様のお陰です!

不完全と言いたい訳じゃありません」


「うむ」


神様の横に立っていたタヌちゃんは、やれやれ…と呆れた様子でため息をつきました。

それを見て、かぐやはニヤニヤしていたようで

神様に「笑うな」と注意されていました。


「うさぎ、賢いお前まで騙されおって。

狸や狐は化かしの天才だ

神でさえ欺こうとする

嘘を真実と思い込ませる達人ということだ」


「…タヌちゃんの言っていることは本当ですよ神様」


「では、我が間違っていると?」


「いっいや…その…

けど!

月の形について、知っているかもしれない人なら

分かります」


「我よりそいつの方が優れていると?

この月の神よりも月のことを知っているというのか?」


「そっそういう意味じゃないです!

けど…

僕は、その…あの…えーーーっと」

しどろもどろになって、あたふたしていると

タヌちゃんが口を開きました。


「全く…

お話になりませんねぇ

下剋上が起こらないのが不思議なくらいですよ」


「貴様は黙っていろ」


「ひとの話は、最後まで聞けって

教わりませんでしたかぁ?

あぁ…

閻魔の先生になれる肝の座った奴などいないのかー

アハハッ

じゃあ仕方ないですねぇ〜

仏のくせに未熟なことだ」


「…」


「うさぎが話していること、聞く気あります?

きっといつもそうなんでしょうねぇ

自分のことばっかり…

そんな仏がいるもんか」

タヌちゃんは、大袈裟に腕を上げて言いました。

「あ〜アホらし!早く帰りたい」

「あーでも帰ったら死ぬのか!仏は学びを放棄した

阿呆だと、書き残してから死ぬとしよう!」

オーバーに呆れた変な顔を作りながら、悪口を連ねる狸を見て、横からブブッと堪えきれない笑いが聞こえてきます。


「うさぎ、知っている奴とは誰だ」


血管が浮き出て、今にもキレてしまいそうな神様は、うさぎに聞きました。


「はい!サンタです」


「…サンタだと?」


「はっ…はい!

サンタは色んなことを知っているし

クリスマスには空を飛んで、プレゼントを

配達しますよね。

いろんな月を見ているはずです!」


「…」


「そっそれに……

おっ恐れ多いのですが…言わせて下さい

そっその…

もし!タヌちゃんの言う通り、ほんとうに月がいろんな形になるのなら…その…………

あの…

えっと……

たいへん言いにくいことですが…」


「なんだ、遠慮せず申してみろ」


「あの!

あの…

あの…

あの!!!

タヌちゃんを助けてくれませんか!?

月の形のことを初めて教えてくれた専門家のような…学者みたいな存在です!

それって凄い事だと思うんです!

その…

月にとって有益というか… 

タヌちゃんがもし!

もしですよ

タヌちゃんがここに住むことになったら…

他にも色んなことを教えてもらえます。

それって僕たち住人にとっては

成長できるチャンスというか。

でも…

あの…

月が幸せなところなのは

神様のお陰です…ほんとに…」


神様にすごい顔で睨まれながらも、最後まで

言いたかったことを言えました!!


「うさぎ…」

タヌちゃんは驚いたような、信じられないといった表情でこちらを見ていました。


うさぎはフカフカの指で、小さく親指を立てて『イェイ』と合図を送りました。

情けないことに、指はブルブルと震えていました。


すると、

狸の目はウルウルして、どんどん涙が溜まっていき、悪態をついていた表情は穏やかになりました。


肝心な神様は…?というと、うさぎの話を聞いて黙り込んでいます。

「…あの」

何度か話し掛けましたが、神様は目を閉じて顔をグルグル回しながら熟慮中のようです。


しばらく経っても状況は変わらないので、タヌちゃんとかぐやは、雑談を始めてしまいました。

最初は遠慮してコソコソ話をしていたのですが、

段々と声は大きくなり、内容も楽しいものへ変わっていきました。

かぐやは、サンタやクリスマスプレゼントについて

タヌちゃんに詳しく教えてあげています。

クリスマスケーキは、色んな種類があることや

自分はいつも大きいゼリーを食べることを話していると「お腹空いたわね、何か持ってこようかしら?」と言い出しました。


「一緒に食べれたら嬉しいですっ」

タヌちゃんも、かぐやの前になるとニコニコしていて、タヌキが変わったように甘えています。


そのうち、本当にお菓子を取りに行ってしまったのです。

止める暇もありません。

飴やらグミやら、ハートの形のゼリーなど

沢山カゴに入れて戻ってくると、紙のお皿にタヌちゃんの分を取り分けています。


それを、ボーーッと眺めていると「うさぎもおいで」と声を掛けられたので、みんなで月の出入り口のフカフカしたところに座って、ピクニックを始めました。


なんなんだこれ…と思いながら、ふとタヌちゃんの顔を見ると、今までにないくらい輝いていました。


「とっても美味しいです〜かぐや姫」

かぐやにピッタリくっついて、お菓子よりも甘ったるい声を出して喜んでいます。

さっきまで、偉大な神様に向かって盛大に悪態をついていた狸とは思えません。


「良かったーどんどん食べてね」

ふたりは突然のピクニックを存分に楽しんでいます。

ほんとに…うさぎからしたら、かぐやはたまに理解不能なのです。


しかし、神様は相変わらず思案中…のポーズで宙に浮いているので、うさぎもダラ〜ッとリラックスし始めました。

飴を一つ取って口に放り込みます。


「ジュースも持ってきたからね」

かぐやは月のオレンジジュースを取り出すと、

ハート柄のコップに注ぎました。

横で目をキラキラ光らせている狸は、うわぁー!と大袈裟に喜んでいます

「なんですか、これー?」


「ふふっ

美味しそうでしょ?ジュースって言うのよ

えーっと…みかんを絞った飲み物って言えば

良いかしら」


「え!みかん!?

それは凄いですね!!」


タヌちゃんはかぐやからコップを受け取ると、

両手でゴクゴクッ!とあっという間に飲み干しました。


「おっ美味しすぎます!!」


「良かったわぁ

おかわりする?タヌちゃん」


「はい!なんて贅沢なお飲み物!」


ふたりを冷めた顔で眺めていると、

少し離れた岩陰あたりから、ガサゴソ…ガサゴソ…と何かが動く音と『良いなぁ…』と呟く、聞き慣れない声がしました。

チラッと視線を移すと、そこには岩に隠れきれないほど大きい身体のトナカイがいたのです。

明らかにこっちの様子を窺っています。


かぐやとタヌちゃんは、背中を向けているのでトナカイの存在に全く気付いていません。


『みかんジュースいいなぁ』とチラチラ覗き込んでいますが、その囁き声はうさぎにしか聞こえていないようです。


今は一応、神様と話している最中だし

トナカイまで加わって、楽しいピクニック!なんて

やっていたら、神様が目を開けた瞬間……どーなるのでしょう?

更に恐ろしい顔で睨まれるのがオチです。

それどころか、タヌちゃんが『心が狭いぞ閻魔め!』と怒ってしまったら…?

『なんだと貴様!いい加減にしろ!』と、神様が魔法を使って、タヌちゃんを地球へ送り返すかもしれません!

怖いことにならないように、うさぎはトナカイを無視することにしたのです。


ごめんね…今は無理なんだよ…

ほんとはみかんジュースあげたいんだけど。

神様が、よーく考えているところだからね。

大事な瞬間だ。


サンタなら絶対知っている!

地球へ沢山のプレゼントを届けているんだから。

絶対に月の形のことを知っているはず!

そうだよ

ハッキリすれば、きっとタヌちゃんは助けてもらえるはずです。

サンタはプレゼントをソリに乗せて、相棒のトナカイに引っ張ってもらい、何回も地球に行っているんだから!

そうだよ

相棒のトナカイと一緒に、何度も地球へ行っているんだからね!

見ていない訳がない!

うんうん


うん…


うん


あ……そっか


「トナカイだ!!!!!!!!」


「きゃあ!」「うぎゃぁ!」

うさぎの叫び声に、かぐやとタヌちゃんは飛び上がりました。


岩に隠れたつもりの大きいトナカイは、うさぎに気付かれたことにビックリしています。


「ごっごめんなさい!

ぁっ…あたい

ジュースが美味しそうで!

ちょっと見てただけなの!

怪しい者じゃないの!!」


女の子のトナカイは、必死で弁明しています。


「いや!いいんだよ!

ちょっとこっちで話せる?!」


うさぎはトナカイを手招きしました。


「こんにちは!!!」

かぐやも手を振って挨拶しています。


「こっこんにちは」

緊張した面持ちで、トコトコと大きな身体を揺すって三人・・のところへやってきました。


「みかんジュース飲む?」

かぐやは優しく微笑みました。


「え!良いの?」

ストローを使って、トナカイにジュースを飲ませてあげています。

ゴクゴクッ!ゴクゴクッ!と飲み干すと、幸せそうな顔をしています。


「ねぇ、君はサンタの相棒だよね!?」

うさぎは、ジュースを飲み終わったトナカイさんに

さっそく尋ねました。


「えっ…あっ相棒?」


「地球の子供たちにクリスマスプレゼントを届ける為、ソリを引っ張ってるでしょ!?」


「あぁ、そういうこと…。

確かにあたいはソリを引っ張っているけど

相棒では無いの。

ただの季節労働者なの」


「きせつ…?」


「そう。サンタに相棒はいないかな

みんな当番制でクリスマスを支えているの。

あたいもその一人なの」


「そーなんだ!!!

サンタのソリを引くのは

相棒のトナカイ一匹だと思っていたよ!」


「違うの。

実際は沢山のトナカイたちが

力を合わせて頑張っている感じなの。

みんな自分の仕事を誇りに思っているの」


「驚いた…

でも!

君も空を飛んでプレゼントを 

届けたことがあるんだよね?」


「うん、もちろん」


うさぎは、ゴクリと唾を飲み込みました。

トナカイさんは知っている

月の前を飛ぶのがサンタとトナカイのそれなんだから!!


「君は、月にいろんな形があることを知っている?」


「え?」


「月って丸だけじゃないって知ってる?」


「えぇ!?そーなの!?」


トナカイさんの返答に、うさぎはガックリしました。


「月の形ですよ?

左だけ見えたり、右だけ見えたり…

はたまたすっごく欠けて三日月になったり

知りませんかぁ?」

タヌちゃんは黙っていられなかったのか

口を挟みました。


「えー、あたい知らないの

ごめんね」


「そんな馬鹿な!!!」

タヌちゃんは大声で叫びました。


「だって、知らないのー

あっ

でもーー

あたい以外のトナカイ仲間なら知ってるかも

聞いてみる?」


「え!いいの!?お願い!」


トナカイさんは、少し離れてから角を回して

もしもしー!と仲間へ呼びかけています。


テレパシーは、一人ずつしか繋がれないみたいで

トナちゃんやカイちゃん、ツノちゃん、ツノカイさん…ひとりひとり名前を呼んで、月の形について聞いてくれていました。


うさぎは、感謝する一方でソワソワしながら待っていました。

チラッと神様を見ると、グルグルしていた顔は止まっていたのです…

神様がサンタに聞くことを許可しなかったら、他の味方が必要です。


「あっほんとにー?わかったー!ありがとうなの」

トナカイさんは、うさぎの方を見てウインクしました。

「半分の月を見たことがある子を見つけたの!」


「え!ほんと!?」

うさぎとタヌちゃん、かぐやはハイタッチして喜びました。

「やったね!!かぐや!!」


「うん!!やったわ!凄すぎる!」


「いま、こっちに向かってくれてるの。

名前はカサちゃんなの」

トナカイさんもニコニコしながら、嬉しそうに言いました。


すると…


「誰が来るって?」

月の神様の低い声が響き、一気に雰囲気が変わりました。

タヌちゃん以外の三人・・に緊張が走りました…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ