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斜め上から見た美しい世界〜間違ったのは誰?正しいタスケル出来たのは誰?  作者: RiderLisa


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41話 信じたのは間違いだったのか

幸せで豊かな【月の中】で暮らしている

うさぎとかぐやは、MoonTube〈ムーンチューブ〉で見た、現代も大昔も不便でコンランする場所【地球】の話に興味津々!

地球の子供たちは、タイヘンでカナシイらしい! 


ふたりは、サンタみたいにプレゼントを届けたらいいのでは?と思いつきました。


月といえばお饅頭!

神様に許可をもらって、地球旅行へ出発しました。


ルンルンでタスケルするのです!


タスケテを知らない地球の子供、桃太郎と幼い妹の桃子との出会い、地球で過ごす日々のなかで、

大切な人を助けるとはどういうことなのか?   

かぐやとうさぎは、自らの過去と向き合い、地球で磨かれ深みのある存在へと成長していく。

「かぐや!!聞いて!大変なんだよ!!」

フカフカの親友が駆け寄ってきます。


「いやゃぁぁぁああああ!!!!!

うさぎだぁ!!!!!!!!!」


転げ落ちたタヌちゃんは、身体を小刻みにガクガクと震わせながら、我を忘れさらに絶叫しました。


タヌちゃん大丈夫よ!

繰り返し呼びかける声は届かず、パニック状態です。


「えーーーっと……」

親友のうさぎは、訳が分からないといった様子で

初対面の狸を見つめ、口を開きました。


叫び声はピタッと止まります。


「あのー……

こんばんは

僕は………………うさぎだよ」



「うぎゃぁぁあああ!!!!」

再び恐怖の絶叫が響きます。



うさぎは本当に困った表情で、

「な、なに…?どうしたの?」とオロオロしています。


すると、

まったく様子の違う、明るくて楽しい

ケラケラ

ケラケラ

爆笑する赤ちゃんの声が聞こえてきました。


桃子の方を見ると、手をパチパチと合わせ、足をバタバタさせています。


確かに…


傍から見たら、うさぎとたぬきのコントのようにも

見えるかもしれません。


キャッ!キャッ!と、大喜びの桃子に全員の注目が集まります。


本当にタイミングの良い赤ちゃんです!

かぐやはこのチャンスを逃しませんでした。


「タヌちゃん!聞いて!

うさぎは私の親友なのよ!

だから大丈夫よ!安心して!」

早口で伝えると、タヌちゃんは何故か息を飲みました。


「うっうっうさぎとしんゆう!?」


「そうよ!

だから何もしないわ、大丈夫!」


「かぐやひめ!タヌちゃんをだましたんですね!?」


「は?」


「やっぱり…そんなうまくいくわけないと

おもったんだ!!!!

うわぁぁぁあん!!!」


タヌちゃんは走り出しました。


「まって!!タヌちゃん!!」

「まって!!タヌキさん!!」

かぐやとうさぎは、同時に引き止めました。


「え?」


やはり…


今回もすぐに振り返ってくれました。


急に止まったことで、タプタプした弾力のあるお腹が、ボヨヨ~ンッと波打っています。


しーーーんっ

数秒間の沈黙のあと


再び、愛らしい声の主はゲラゲラと笑い始めました。


相当面白いらしく、ツボに入った赤ちゃんは遠慮なく大笑いしています。


ふと、岩田さんの表情も目に飛び込んできました。


眉間にシワを寄せ、

明らかに笑いを堪えた変な顔になっています。


かぐやと目が合うと、耐えられなくなったのか

ブハッ!!!と、一度吹き出してから


アッハッハッハッ!!!と大きな声で笑い出しました。


我慢の反動か、ヒィーー!と何度も引き笑いをするので、かぐやもその声を聞いて面白くなってきてしまいました。


けれど、タヌちゃんの過去を知っているので

笑ったら悪いと思い、なんとか真顔で我慢します。


「わらうのひどくないですかぁ?」


タヌちゃんは恥ずかしそうな表情で、口を窄めて人間に抗議しました。


「ごっ…ごっ…ごめんなさいね?」

岩田さんは謝ったあと、やっぱりヒィー!と盛大な引き笑いをしてしまい、タヌちゃんに睨まれています。


うさぎはひとり真剣な表情で首をひねっていました。

目を閉じて「う〜ん…」と繰り返し

やっぱり思い当たることがないといった様子で

困惑しながら言いました。


「僕…君と知り合いじゃないよねー?」


「ひぃ!!!」


「タヌちゃん!ちゃんと話してみて!」


「ひぃ………え…えぇ

わかりました

かぐやひめがいうなら…」


タヌちゃんは、カチカチ山のことを話しました。 

背中に火をつけられて、うさぎのことを恐ろしいと思っていること。

それ以外にも、なぜそうなったのか?

原因になる、お婆さんに意地悪を仕掛けたことまで…

大切なところは省かれておらず、タヌちゃんの信頼できる人柄(タヌ柄)を感じました。


「え…つまり。

僕とは違ううさぎが君に火をつけて…

それで君は僕を怖がってる…?」


話は要点がまとまっていて、うさぎにもすぐに伝わりました。


「えぇ…そういうことになりますね…」


「それ…

僕じゃないよ…

僕は…誰かに火をつけたりしない………

………狸には火をつけたことないよ」


「…そうですよね」


「うん」


うさぎは見るからにションボリしてしまい、

長い耳が道に付いてしまいそうでした。


「うさぎ…大丈夫?」


「え?

あぁ…うん、平気だよ。

タヌキさん、僕は君に火を付けたりしないよ

安心して」


「わ……わかってます!

かぐやひめのしんゆうだもの!

でも…ちょっと…いまでも

うさぎをみると、こわくなってしまうんです」


「タヌキさんじゃなくて、タヌちゃんっていうのよ」


「そうなんだ、タヌちゃん!

よろしくね」

うさぎはフカフカの手を差し出しました。


タヌちゃんは、ゴクッと唾を飲み込んで

震える小さい手を差し出しました。


「よっ…よろしくおねがいします…」

明らかに緊張していて、今にも手を引っ込めてしまいそうです。


うさぎは遠慮なく、ズイッと前へ出ると


「改めて、よろしく!

僕はうさぎだよ!」


ガシッと両手で、タヌちゃんの手を握りました。


「ぅぎゃーーー!!!」


既にお約束のようになってしまった叫び声と、ケラケラ笑う赤ちゃんの声が調和します。

似たシーンの繰り返し、やっとホッとした溜め息が出ました。


「あっ、そういえば…うさぎ。

何かあったの?」


かぐやが声を掛けると、

今度はうさぎが飛び上がりました。


「そうだった!!!!大変なんだ!!

桃太郎が見当たらないんだよ!!」


「えぇぇ!!!?どういうこと!!?」


うさぎは、焦っているのか跳びはねながら

続けます。


「すぐに追いついてくると思ってたのに…

いないんだ!

僕、かぐやのことが心配で!

早く行きたかったんだよ

だから途中で別れたんだ

桃太郎なら一人でもついてこれるって信じたんだよ!

でも…

気付いたら

桃太郎の音しなくなってた」


うさぎは不安そうな顔で、落ち着きを失っています。

気が気じゃないといった様子でジャンプし続けているのです。


「音がしないって、どういうこと?」


そんな筈はありません。

今までそんなことは一度もありませんでした。

親友のうさぎは、意識して耳を傾ければ、あらゆる音を拾える天才です。

今は、何かおかしなことが起きているようですが、

かぐやは冷静に受け止めていました。


「いつもはするんだよ…なのに!

今は聞こえないんだよ、桃太郎の音…

なんで?

どうしたらいい?

あの村も隠れながら沢山探したんだよ!

でもいないんだ!

どうしよう!?」


うさぎは話していると、更に不安になってくるのか

目に涙が溜まっていました。



「桃太郎を一人にしたのは間違いだったのかも!!」



「うさぎ、落ち着いて

大丈夫よ。

一緒に探しましょう

私がいるから大丈夫よ!」


フカフカのうさぎに近付いて、

ギュッと抱き締めました。


「ぅ…うん。ありがとう、かぐや

きっと大丈夫だよね?」


「うん、大丈夫よ

心配しないで」


「……桃太郎の音が聞こえないのに?」

うさぎは不安いっぱいの震える声で言いました。


「えぇ!!大丈夫よ!!

あんたの耳が今はちょっとおかしいのよ」


「うん…僕もそんな気がしてる」


「そうよ、でっかい耳くそ溜まってるのよ」


「うん、きっとそうだよ

最近、耳掃除してないもん」


「汚いうさぎね」


「うん。汚いね」


「いない訳ないんだから

大丈夫よ!」


ふたりは絶対に探し出すことを誓いました。


「たっ!タヌちゃんも!てつだいます!」


タヌちゃんは気付くと、ふたりのすぐ側に立っていました。

ウサギの目を見て、強い口調で尋ねます。


「なにをてつだえばいいですか!!?」


「ありがとう…タヌキさ…タヌちゃん。

僕、嬉しいよ

一緒に森の中を探してくれる?」


「おまかせください!!たぬきですから!

はしれます!ばけれます!

なんなりと!」


うさぎはよっぽど嬉しかったのか

あ"りがどー!!!と、ガバッと勢いよく抱きつきました。

タヌちゃんは、ぎゃーーー!!!!と返事をしました。


またしても大笑いする桃子を抱っこしている

岩田さんが尋ねます。

「あの…

桃太郎くんって…?」


「桃ちゃんは、森の向こう側で里親と住む子供って話したわよね。

桃ちゃんにはお兄ちゃんがいるの 」


「そうなんですか

それはそれは…

今どこにいるか分からないのですね?」


うさぎは責任を感じて俯いています。


「桃太郎くん、心配ですね…

一緒に探します!手伝わせて下さいね!」


心強い味方タヌちゃんと岩田さん、ツボに入って笑い続ける赤ちゃんと共に、ふたりは鳥居を後にしました。



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