表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
斜め上から見た美しい世界〜間違ったのは誰?正しいタスケル出来たのは誰?  作者: RiderLisa


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/50

35話 神社までの道のり うさぎの馬鹿野郎

幸せで豊かな【月の中】で暮らす、うさぎとかぐや。


ふたりは、MoonTube〈ムーンチューブ〉で見た


現代も大昔も、不便でコンランする場所【地球】の話に興味津々!


地球の子供たちは、タイヘンでカナシイらしい!


ふたりはサンタみたいにプレゼントを届けたらいいのでは?と思いつきました。


月といえばお饅頭!


うさぎとかぐやは、神様に許可をもらって地球旅行へ出発しました。


ルンルンでタスケルするのです!


タスケテを知らない地球の子供、桃太郎と幼い妹の桃子との出会い、地球で過ごす日々のなかで


うさぎとかぐやは、


大切な人を助けるとはどういうことなのか?  


自らの過去と向き合い、深みのある存在へと成長していく。


おいねさんときくちゃん、ことちゃんは、

村の出入り口に立って手を振り続けてくれました。


かぐやも何度も振り返って

手を振り返します。


「ひめぇ〜!!きをつけてねーー!」


「またきてねぇーーー!!」


女の子たち二人の可愛い声援に励まされ


「ありがどぉぉーーーーー!!!!!」と、

子供に負けないくらい、

馬鹿でかい声で返答しました。


三人揃って、楽しそうに笑っています。


ちょっとドスの効いた声になりすぎたのかもしれません。


かなり離れてしまったけれど、月の住人は目が良いので、みんなの姿がよく見えました。



帰り際、女の子たちは『うさぎからおまんじゅうの

おかわりをもらってない!』と駄々をこねて、おいねさんに怒られていました。


それでも、ことちゃんときくちゃんは『ももちゃんにあえるといーね!!』と、かぐやを励ましてくれました。


三人にお礼を言ってから、すぐに村を出発しました。


うさぎは、前回のこともあって

おいねさんが現れてから、家の陰に隠れていたのです。



「うさぎ、どこに行ったのかしら…?」



再度、村の方向を振り返ると

手を引っ張られて帰っていく女の子たち二人と、赤ちゃんをおんぶした、おいねさんの後ろ姿が小さくなっていくのが見えました。


かぐやは、自然と笑顔になり前を向いて歩き出しました。


村から出た道の両側は、樹木がまばらにぽつぽつと生えていて、明るく開けた林が広がっています。


行き交う人々が踏み固めてきた土の上は、比較的歩きやすく、人の手が加えられた自然を感じました。


普段はもっと人通りがあるのかもしれません。

今日は村の中でお祭りがあるせいか、この道はしんと静まり返っていました。


近くの木の陰から、うさぎが姿を現しました。


「あ!うさぎ!」


うさぎは、周りをキョロキョロと確認してから

ピョンピョン跳ねて近付いてきました。


「どこ行ってたの?」

かぐやが話し掛けると、

うさぎはムスッとした顔をして、口を開きました。


「何考えてたわけ?」



「え…?

なにって…なによ」



「だからー!!

なんで知らない人に桃ちゃん預けてるんだよ!

信じられない!」



「は…なっなによ!その言い方!」



「君、おかしいんじゃないの?

何かあったらどーするんだよ!!」



「何もないわよ!!

岩田さんは良い人って、おいねさんだって言ってたもん!」



「そんなの本当かどうか分からないじゃないか!!

ここは地球なんだよ!?」



「大丈夫って、なんか…分かるのよ!!!!!!」

かぐやは顔を真っ赤にして怒りながら叫びました。


「大体、うさぎ桃ちゃんの音聞こえてるんでしょ?

大丈夫だって分かってるくせに!」



「そういうの無責任っていうんだよ!

桃ちゃんに何かあったら君のせいだからね!」


うさぎも同じように、怒りに任せて叫びました。



「……はぁ?ムカつく」



「桃太郎に何て言うか、ちゃんと考えておくといいよ!」


うさぎは背中を向けました。



「……それでも…私は信じてるのよ!」




「なら、ひとりで探せば」



うさぎは振り返って言いました。


そして、

林の中を駆け抜けて行きました。



「この!!!

うさぎ野郎ーーーー!!!!!」



かぐやは、ゼーゼーと肩で息をしています。


胸は苦しいけれど、涙は出ませんでした。



なに?


なに?


あの言い方。


酷くない?


ばか


ばか


ばか


うさぎは馬鹿!


馬鹿野郎!!


ひどい!!!


そこまで言う必要ある?



顔をグシャグシャにして、涙を堪えました。


かぐやは自分の髪を掴んで、思い切り引っ張りました。


グググッと根元から引き抜くように引っ張っても

髪の毛は数本しか抜けませんでした。


仕方ないので

そのあと思い切りグーで頭をパンチしました。


数回、繰り返すとスッキリしたのです。


グシャグシャだった顔は、無表情になりました。


髪の毛を整えて

おいねさんに教えてもらった道順を進み出しました。




この道を真っ直ぐ行って


始めに出てくる右へ折れる里道が、一番最初の分岐点


そこを曲がって、しばらくしたら行き止まりに辿り着く


看板があるから、指示に従って歩く……


そこは道がなくて…

けものみちでー…

池があってー…とか言っていたと思います。


意外としっかり記憶できています。



うさぎの言った言葉も

かぐやの中で繰り返されました。


どーせ、うさぎが聞こえるだろうから大丈夫。

そう思っていたのは事実です。


もし大変なことになっているなら、うさぎが気付いてくれるはず。


見失うことは無いと安心していました。



「無責任……かぁ」



m.uでお手伝いをしていた時のことを思い出しました。


『貢献ポイントをもらいたいならここまではやりましょう』と店長に言われた時のことです。


それは、かぐやがあまり好きではない、窓拭きだったのです。


着物で窓を拭くのは本当に大変でした。


その頃は、觔斗雲を持っていなかったので

ひたすらジャンプして拭いていました。


なかなか終わらずにいたら、


店長が「それは無責任っていうんだよ」と言っていました。


それでも、貢献ポイントはいつもと変わらなかったので、別にいいのかな?と最初は思っていたのです。



次の日、珍しくうさぎもm.uにお手伝いに来ました。


跳ぶの楽しい!!と言って、窓拭きを率先してやっていました。


楽しそうにジャンプしているうさぎを見ているうちに、かぐやもジャージに着替えて、ジャンプして窓を拭いてみたのです。


うさぎと一緒にジャンプすると気分がいいので

最後までやり通せました。


届かないところは、うさぎがやってくれたので

とっても楽チンでした。


店長は、これからは窓拭きをうさぎにお願いすると言いました。

素晴らしい貢献だと、うさぎはとっても褒められていました。


かぐやは同じ日に、入荷した着物を検品してタグをつける作業をしました。

シワを伸ばすために、スチームを一枚一枚かけていき

全部で五十枚、美しく仕上げました。


ハンガーに掛けて、陳列していると


店長が「いつもありがとう」と言いました。


とても嬉しかったけれど、素晴らしい貢献では無いんだ…と感じました。


自分は窓拭きを一人で出来なかったから、駄目なんだと思ったのです。


うさぎのように、なんでもテキパキこなすことが出来ない自分は無責任なんだ…と。


すると、

「着物のほうが宣伝になるから着替えてね」と言い残し、店長は先に帰っていきました。


窓拭きをする為に、着替えたのに!!と、

ついついイライラしてしまいました。


ここまで気分が悪くなることは滅多にありません。

うさぎが池で溺れたときの次くらいに、どうにもならない気分の悪さでした。


そのあと、店長は違うお店を管理することになって

ほとんど会わなくなり、気分の悪さも無責任のことも忘れていました。


実のところ、店長なんて今はどうでもいいのです。


でも、

うさぎが言うのなら

うさぎの言う通り、

自分はおかしいのかもしれない…

無責任で間違いないのだと思いました。


それでも、そんなに悪いことなのか

かぐやには理解できませんでした。


月では、みんなで赤ちゃんを育てるのです。


明らかに、良い人なのに

なぜ預けたら駄目なのか

かぐやには分かりませんでした。



徐々に道幅が狭くなってきている気がして

背後を振り返ると

村の出入り口はすっかり見えなくなっていました。


とにかく

看板まで辿り着かないといけない。


忘れないように、おいねさんの言葉をブツブツ呟きながら、上を向いて神社への道のりを歩きました。


「どちらにおいでですかぁ?」


「ぎゃーーー!!!」


突然、話し掛けられ

かぐやは飛び上がりました。


「ひゃあ!!すみません!!」

後ろに立っていた、中年の男性は何度も頭を下げていました。


「い……いいのよ…」

かぐやは心臓を押さえながら言いました。


男は、手に木の棒のような物を持っていて

もう片方の手には、小動物の死骸がありました。


かぐやがギョッとしていると


「あっ!あぁ…すんません

こんなものを見せてしまって…。

喋るうさぎが出ると噂になっちょりまして

狩りをしていたんです。

呪いうさぎらしく、なかなか見つかりません…

お気をつけて下さい」


「え…?

えぇ…

なんかそうらしいわね…

私は……

そろそろ………家来たちと合流するから

気にしないでいいわよ

今はひとりでいたいの

さよなら」


男はそれを聞くと、深くお辞儀をしてから

踵を返し、村の方向へ歩いて行きました。



うさぎがここにいなくてよかったと、ホッとしました。


「なんか………気持ち悪い人。

まじないうさぎってなんなのよ

失礼な奴」


気を取り直して、

おいねさんの言葉を反芻しながら

進みました。



道が途中までしか無いんです。


獣道みたいになっていて……


《たぬき池》というのがあります。


看板の次の目印になりますね。


ほんとうに狸もいるかもしれません

害はありませんが…

すぐに通り過ぎて下さい。



「池ねぇ…」


ふと、月の池のことを思い出しました。


神様が創ってくれた、

透き通るキラキラした綺麗な池で

小さい身体の頃に、うさぎとよく遊びました。


そのときの月の神様は、ニコニコしていたような気がします。


今と同じく気難しいというか

怖そうな顔をするときも多々ありましたが…


そのときの月の神様は、見張るような感じではなくて

ニコニコと微笑み、みんなと一緒に遊んだりしていたのです。  


思い違いかもしれないけれど

そうだった気がするのです。


月のことを思い出していると、

《右に折れる里道》らしきものを見つけました。



「やった!!」


かぐやは右へ曲がりました。


空は少しずつ

薄暗くなっていきました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ