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斜め上から見た美しい世界〜間違ったのは誰?正しいタスケル出来たのは誰?  作者: RiderLisa


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29話 かぐやと桃子

幸せで豊かな【月の中】で暮らす、うさぎとかぐや。


ふたりは、MoonTube〈ムーンチューブ〉で見た


現代も大昔も、不便でコンランする場所【地球】の話に興味津々!


地球の子供たちは、タイヘンでカナシイらしい!


ふたりはサンタみたいにプレゼントを届けたらいいのでは?と思いつきました。


月といえばお饅頭!


うさぎとかぐやは、神様に許可をもらって地球旅行へ出発しました。


ルンルンでタスケルするのです!


タスケテを知らない地球の子供、桃太郎と幼い妹の桃子との出会い、地球で過ごす日々のなかで


うさぎとかぐやは、


大切な人を助けるとはどういうことなのか? 


自らの過去と向き合い、深みのある存在へと成長していく。


かぐやは桃子を連れて、


森の美しい景色や澄んだ空気を味わいながら、


小鳥たちの声と共に散策をしていました。


リアル森のカフェを出発したとき、桃子はぐっすり眠っていました。


觔斗雲の上にそっと寝かせ、

手で押しながら歩くことにしたのです。


雲ですが、勝手にふわふわと上に昇っていくことはありません。


觔斗雲はベビーカーの役割を果たし、かぐやはいい気分でお散歩を楽しんでいました。


そのまましばらく歩き続けましたが


途中、うさぎのことを思い出しました。



「うさぎ…


ちょっとは反省してるのかと思ったら

桃太郎とグースカピーって寝てたわよね。  


赤ちゃんでもあるまいし。


一緒に散歩行くかなって思ったのに…


しかも明日帰るとか早すぎ

馬鹿なのかしら

ほんっとに……ムカつく」


独り言を言わずにはいられませんでした。


おまんじゅうを配り終えたら旅行も終わり


それを知っていて、なぜそんなにたくさん配ったのか。

うさぎのことを理解できず、文句ばかり出てくるのです。



「いったん帰ったら、また手続きとか面倒なのよ

神様の許可証とかが必要なんでしょー?

ほんっと面倒くさい」


うさぎは、また地球旅行をするにしても再度申請をするはずです。


かぐやのようにルール違反をしたりしません。


「どうせバレないんだから…

月に帰るのを少し先延ばしにしたらいいのに」


かぐやは、桃太郎の為に月の食べ物を取りに行ったときから、本来必要な申請も面接もしていません。


何度ルール違反をしたか忘れてしまうくらい、

許可を取らずに月と地球を生き来していました。


「まぁ………大丈夫よね…?」


すっかり忘れていましたが、

月の神様は、いつも顔をグルグル回して住人のことを見守っています。

それが日課なのです。


「見られたりしてないよね…?」


かぐやは、月の神様の顔を思い出し、急に不安になりました。

とにかく急いでいたので

あまり周りのことを見ていなかったのです。


「……まぁ…たぶん大丈夫よ。


ねぇ?桃ちゃん」


目が覚めて

ふわふわの雲の上にちょこんと座っている桃子に

根拠のない『大丈夫』を求めました。



「そこは、だぁー!って言ってよね?」


指を咥えてきょとんとしている桃子に向かって

ウインクしました。



「あ!

森の端っこに着いた!

觔斗雲片付けた方がいいわね!」


かぐやは、月のネックレスを首から外しました。


いつもの要領で觔斗雲を収納すると


「できたわ!!」


スポッといい音がするくらい

あっという間に、ふわふわの雲はネックレスに収まりました。


こないだのタイヘンさはなんだったのでしょう


「やった〜

いつもこれくらい上手くいってほしいもんよねー

このっ

お馬鹿きんとうん!」


ネックレスを指で軽く弾きました。



かぐやは桃子を抱っこして


リアル森のカフェがある森林を抜けました。


最後の木を通り過ぎると、


見たことのない景色が広がっています。


「うわぁあ」


かぐやたちのいる場所は、地面が少し盛り上がっている小高い丘のようになっていて、そこから初めて目にする村が見えたのです。



「桃ちゃん!見て見て〜

村があるわよ!」



低い家々が寄り添うように建ち並び


その隙間を、村の子供たちが走り回っているのが

見えました。


たくさんの大人が楽しそうに立ち話している姿も確認できます。


建物は、桃太郎の住むレトロな家とさほど大差がないように見えましたが、雰囲気は随分違うと感じました。


「なんだか凄く豊かな感じがするわ」


かぐやは、ホッとするような…ほんわかした良い気分になりました。


爽やかな風と一緒に

幸せそうな村の空気が流れてきます。

遠くからでも感じました。


「ほんと賑やかね〜いい気分!」


村の出入り口になっているところに視線を移すと、


小道の横に、

声を張り上げて手を振っている

大人と子供がたくさん集まっているのが見えました。


誰かを応援している後ろ姿です。


声援を受けるのは、ハチマキをした人たちで

木の棒を持って走っています。


「なにしてるのかしら?


月の運動会みたいなことかな??」


かぐやは、月の住人たちとマラソンをしたことを思い出しました。


月の運動会は一大イベントです。


とにかく楽しい

かぐやのお気に入りの行事なのです。


最初は、メロスになりきって走りますが

途中から觔斗雲に乗って、ラクにスイスイ〜ッと移動します。


とにかく自由なのです。


当たり前ですが、地球の運動会では雲に乗っている人はいません。


走っている人たちは、みんな必死な表情で疲れ切っています。


それでも、


応援する子供たちに手を振り返して

ニコッと笑顔で対応している人が

ほとんどでした。


道の脇に立って応援する子供たちはとても楽しそうで


大きな声で「がんばれーー!」や


「かっこいい!!」と叫んでいました。



うさぎがいたら、良い音がする…と言うかもね!と

かぐやは思いました。



「桃ちゃん…

こんなところで生きれたら幸せだよね?

みんな良い人そう」


「だぁーだぁー」

桃子は、相変わらず指を咥えてよだれでベチャベチャにしていました。


「そうよねぇ?」

かぐやは優しく微笑みました。


しばらく、

遠くから村人たちの姿を眺めていると


応援していた子供たちが、ひとりの大人に声を掛けられているのが見えました。


すると、

「わーい!」と喜びながら、丸い桶のようなものを頭に乗せている女性に駆け寄っていきました。


子供たちは、小さいお菓子を受け取って口に運んでいます。


たぶんおやつの時間なのでしょう。



ニコニコして、それぞれ楽しそうに会話を始めました。



「幸せそう…」


かぐやは、明日のことを考えると胸のあたりがモヤモヤしてきました。


桃太郎と桃子にはあんな風に豊かな時間を過ごせる場所は無いのです。


比べると、二人の状況は本当に悲惨で

可哀想だと思いました。


食べ物がないのに、たくさん受け取ることも出来ない

近くにいる大人は化け物みたいな人だけ…


「どうしたらいいの…?」


何かいい方法はないものかと一生懸命考えました。



「月に連れて行くとか…?

うーん…

さすがにバレるわよね

うーーーん…

どうしたらいいんだろーー」


桃子を抱っこしたまま

首を右へ

「うーーん…」

左へ

「うーーーーーーん………」


繰り返し

考えましたが

なにも思いつきませんでした。


「わかんないわ…」

言い終わる前に、かぐやのお腹がグーーーーッ!!と鳴りました。


大きな音に驚いた桃子が、ビクッ!!と反応し

こちらを見上げています。


「アハハハッ!ごめんね!びっくりしたねぇ?」

かぐやの顔は、何だか恥ずかしいのと面白いのとで

笑顔になりました。


かぐやの腕の中で、桃子もニコニコォと笑いました。


「ふふっ

お腹空いちゃったな〜

あの桶の女の人に食べ物売ってもらえないかなぁ?

あっ

でも、あたし日本のお金持ってないかも…?」


かぐやは、ポケットに片手を突っ込んで

ガサガサとお金を探しました。


一番上に羽織っている唐衣の内側に、小さめのポケットが付いてあります。


m.uでミシンを借りて、自分で縫い付けた特注品です。


かぐやの中では、

これは初めて自分でプロデュースした一張羅だと

密かに思っています。


着物には、ポケット的な役割をはたす

帯や袂などがありますが、


かぐやの縫い付けたポケットは、なんとチャック付きなので、地球の硬貨をそのまま入れても絶対に落ちることがないのです。


とっても便利です。


「さすがっ!

あたしのポケット!片手でも開けられる」


真っ直ぐ縫えなかったポケットの中には、うさぎから渡されたレトロなお金が入っていました。


「あ!やったぁ!


うさぎのお陰ね…


これで買い物できるわ!」


かぐやは、ルンルン気分でゆっくりと丘を下っていきました。

 

ーーー

ーー


うさぎはまだ夢の中…

サンタと大切な時間を過ごしている頃でした。


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