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斜め上から見た美しい世界〜間違ったのは誰?正しいタスケル出来たのは誰?  作者: RiderLisa


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25話 サンタとうさぎ

幸せで豊かな【月の中】で暮らす、うさぎとかぐや。


ふたりは、MoonTube〈ムーンチューブ〉で見た


現代も大昔も、不便でコンランする場所【地球】の話に興味津々!


地球の子供たちは、タイヘンでカナシイらしい!


ふたりはサンタみたいにプレゼントを届けたらいいのでは?と思いつきました。


月といえばお饅頭!


うさぎとかぐやは、神様に許可をもらって地球旅行へ出発しました。


ルンルンでタスケルするのです!


タスケテを知らない地球の子供、桃太郎と幼い妹の桃子との出会い、地球で過ごす日々のなかで


うさぎとかぐやは、

大切な人を助けるとはどういうことなのか?


自らの過去と向き合い、深みのある存在へと成長していく。

挿絵(By みてみん)




「昔の大昔、


爺さんの為に炎の中に飛び込んだじゃろ。


【月の兎】だったこと思い出したんじゃろ?


その爺さん、帝釈天って名前なのよ」




サンタは、些細なことを話すみたいに軽快でした。


そして、夢の中のフワフワを掴んで何かを作り始めていました。




「お爺さんの名前…ていしゃくてん」



「たいしゃくね。


爺さんは神様じゃった」




「うん…知ってる。サイコ野郎の神様ね」




「…心中、穏やかじゃなさそうねん」




「そりゃそうだよ!!


僕が食べ物を探し回ってる間、一体何してたんだか!


神様のくせに!!


貧乏のフリしてた奴なんだよ!!」




「そうかそうか」




「そうだよ!!!!


神様は馬と鹿だ!


………つまりバカタレってことね。


僕は月に転生したら、全部忘れてたんだもん!


それは月の神様のせいだけどさ…


神様は勝手な事ばかりするんだから!」




「そうかそうか」




「そうだよ!!!!


しかも、月には制限があるって事にも気付いたんだ!


かぐやは一人じゃ地球に来られないんだからさ!


意味不明なポイント制なんだよ!」




「そうかそうか」




「そうだよ!!!!」




うさぎは、ゼーゼーゼーーゼーーーと息を吐き


その呼吸は、漆黒の煙がもわもわと空へ舞っているようでした。


発する音は、かぐやのキーキーやプンプンッ!とは違います。


もっと深く不透明でした。


気付くと、フカフカの腹からもドス黒い煙が上がっています。


「なんじゃこりゃ!!!」


燃えている訳ではないと理解しつつも、

自分のお腹を上下左右に一生懸命擦りました。



「だいじょぶ!!だいじょぶ!!」


うさぎは、しばらくフカフカした自分のお腹を撫で続けました。



サンタは…というと、

その間ずっと、夢の中のフワフワを手に取って

椅子を作っていました。


うさぎが落ち着くのを待っていたのです。


椅子の前脚がふたつ、後脚もふたつ

それを繋げる貫も完成し

座枠に取り掛かる頃


サンタはゆっくりと話し出しました。



「帝釈天は地球での経験が原因で


転生しても

すぐドッカーンッ!って怒っちゃう奴でな〜


喧嘩っ早い奴じゃった。


地球人から月の住人になって


そのあと…


…えっと


そこは長くなるから省いてもいい?


あっ


いいね?


それからな…


えっと


簡単に言うと帝釈天は、おぬしと出会って


改心したんじゃ」




サンタは凄いひとだけれど、説明は下手なようです。



「僕が燃えているのを見て、善行って言ってたサイコなんだよ!知ってる?!」




「なんで怒っておるのじゃ?」




「そりゃ怒るよ!!」




「自分で炎に飛び込んだんじゃろ?」




「そうだよ!!!!!!!!?


………………。


…………。


……。」




「なんで怒っておるのじゃ?」


サンタは、手を止めて真っ直ぐうさぎを見つめて言いました。


「投げ込まれた訳じゃなかろうに」



「え………そっ…そうだよ!?


そうだけどさ!


だって、嘘つきだったもん!」




「そうかそうか。


そう感じても仕方ないのぉ


帝釈天は大切な何かを見つける為に 


地球に戻ってきたんじゃ」




「………大切ななにか…?


……見つかったの?」




「解らないことを解りたい!と突き進んだ者の気持ちが、やっと解ったと言っておった。

神にも解らんことは多い。」




「なんだそれ!」




「うっさぎ、それは帝釈天の問題じゃ


お前さんは、なにに怒っておるのじゃ?」



 


「だって!お爺さんが神様だってこと知らなかったしさ、酷いじゃん!」




「うむ…

もし神様だと知っていたら何が違ってたんじゃー?」




「え!!?…………そりゃ…


なんていうか…


……えっと


そもそもカブを盗んだりしないよ。


だって


神様なら食べ物とか杖から出せばいいじゃん!」




「そうかそうか。


食べ物があったら何が違ったんじゃ?」




「はぁ?


そりゃ……


…僕らは幸せに生きれたよ


……たぶん


たぶんね」




「そうかそうか」




「うん…

ふたりで幸せに生きれたよ

……ずっとさ」



話している間、サンタの手は止まらずにスイスイ〜ッと座枠から肘掛け、背もたれまでをスムーズに仕上げていきました。


夢の中特製フワフワの椅子が完成すると、

サンタは「ウェ〜イ」と喜びながら、ふわりと腰を下ろしました。



「うっさぎは、


帝釈天のこと大好きだったんじゃな!」




うさぎは俯いて

夢の中のフワフワな地面を軽くキックしました。


うさぎは何も言いません。



サンタは座ったまま、話を続けました。



「帝釈天は…


地球人のときに火をつけられ


燃やされて死んでしまったことがあるんじゃ。


一度は月の住人として幸せに過ごしたが…


怒りを忘れられんかった


知りたかったんじゃ


燃やした者と、ただ見ていた者の気持ちをな。


再び地球に転生し、人間のフリをして生きたのじゃ」




「…もっ、燃やされた……


お爺さんは燃えて死んじゃったの?」




「うむ」




「…僕と同じ」




お爺さんは、帝釈天という名の神様で


月の住人だったらしい。


そして、もともと地球人だった…。


燃やされて死んだカナシイ魂だったのです。




「お爺さんは、地球で生きてたことがあって

燃やされて死んじゃって

そのあと月の住人になって……?神様で…

え?

それで…

神様だけど…やっぱりまた地球に転生したってことだよね?」



うさぎは、一生懸命考えて目をぐるぐるさせていました。 

深みのある存在は、夢の中まで考えることが沢山なのか!?と思いました。



「なんでサンタは全部知ってるの??」



「帝釈天とワシは友達なんじゃ


おぬしも地球で生きたことがあるから、


時間の概念が入り込んで分かりにくい話じゃろうな」



うさぎは聞きたいことが沢山ありましたが、

理解が追いつかない、解るようで解らない今の気持ちを素直にサンタに伝えました。



「僕よくわかんないや…解りたいんだけど…」



「わからなくてもいい

心で聞くんじゃ」


いかにも聖ニコラウスっぽい台詞です!



「そこがミソじゃからね!

味噌汁のみそと同じで、大事なとこって感じじゃな」


ちゃんと今のサンタっぽいところもありました。




「お爺さん、なんで自分は燃やされなきゃいけなかったのか知りたかったのかな…」



「うむ。


帝釈天は、爺さんに化けて地球に戻った


燃やせそうな大切なものを探しにな。


燃えているのを、ただ見ている者の気持ちと


燃やす者の気持ちも解りたかったんじゃ。


しかし、なかなか見つからんかった。


おぬしに出会っても


うさぎのことは燃やせないと思ったんじゃ。


愛するうさぎを燃やすことは出来んかった。


どうして好きなものを燃やせるのか。


どうして大切なものをそんな目に合わせられるのか。


帝釈天には解らなかったが


解りたい!!と渇望するあまり


食べるのも忘れ


飲むのも忘れ


次第に神であることも忘れていった。


本当に弱ってしまった


本当に病気になってしまったんじゃよ


それは嘘じゃないんじゃ


帝釈天は、大好きだった父の気持ちや、


憎い大殿の気持ちさえ解ってみたいと地球に戻ったんじゃがなぁ」




「は!?………な、な、なに!?」




「ん?」




「なんて言ったの!?いま!!!!!」


うさぎの心臓は爆発しそうに、ドクンッッ!!と波打ちました。



「ぬ……?」




「ぬ?じゃないのよ!


最後のところ!!!!


おおとのって言わなかった!?」




「うむ」




「え……、


お爺さんって……」




「あぁ


もともとは絵師の娘じゃったな


ツキペディアにも載っておった気がするのぉ」


サンタは、ポケットからスマホを取り出しました。



「えっと…


た…い…しゃ…く…て…ん…


ら…い…れ…き………っと」


サンタは、人差し指で一文字ずつゆっくりと文字を打っていきました。



うさぎは、口をあんぐりと開けて


呆然としています。


「うそ……


どういうことなのさ…?」




『それは作り話なのよ、うさぎ』


かぐやの冷めた声が蘇ってきました。


これは夢?と、うさぎは思いました。



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