24話 憧れの存在 登場!
幸せで豊かな【月の中】で暮らす、うさぎとかぐや。
ふたりは、MoonTube〈ムーンチューブ〉で見た
現代も大昔も、不便でコンランする場所【地球】の話に興味津々!
地球の子供たちは、タイヘンでカナシイらしい!
ふたりはサンタみたいにプレゼントを届けたらいいのでは?と思いつきました。
月といえばお饅頭!
うさぎとかぐやは、神様に許可をもらって地球旅行へ出発しました。
ルンルンでタスケルするのです!
タスケテを知らない地球の子供、桃太郎と幼い妹の桃子との出会い、地球で過ごす日々のなかで
うさぎとかぐやは、
大切な人を助けるとはどういうことなのか?
自らの過去と向き合い、深みのある存在へと成長していく。
かぐやから、絶え間なくプンプンッ!という音が聞こえてきます。
(キーキーじゃなくて、今はプンプンッなのか…
あっ!かぐや眉間に縦線ができてる!)
たくさん話したいことがあるけれど
今は放っておいたほうがよさそう…と、うさぎは思いました。
「ちょっと桃太郎と話してくる〜」
小さい声で言うと、
コソコソ〜〜とかぐやから離れました。
かぐやは、無言でしたが
プン!!
プンッ!!!
と、返事が大きく聴こえました。
(Moonシェイクがあればなぁぁ
まぁ仕方ないかー…)
明日の予定をすぐに話し合いたかったのですが
今は諦めて、あの大きいテーブルがある場所に向かいます。
草や木をかわして、ピョンピョンと少しの距離を歩いて行くと……
桃太郎が、テーブルの上で横になっているのが見えてきました。
(あれれ…??)
近付くと、桃太郎は背中を丸くした体勢で
スースーと気持ちよさそうに寝息を立てていました。
(桃太郎も疲れちゃったんだね
…わかるよ)
うさぎは心の中で桃太郎に話しかけました。
ス↝
ス↜
ス↝
ス↜
心地良さそうに熟睡している桃太郎を眺めていると
うさぎも眠くなってきました。
(いっぱい走ったし
たくさん色んなことに気付いたし
僕も眠くなっちゃったなぁ
フワァァア…)
大きな欠伸をしてから、
テーブルの上に、静かにゆっくり
そっと上りました。
桃太郎の背中にくっついて
フカフカのうさぎも丸くなりました。
(少しだけ眠ろうっと…
そしたら、かぐやのプンプンも直るよね…)
自分の寝心地の良い手を、頭の下に敷いて
枕にしました。
(フワァ……ネムネムうさぎだ……)
あっという間に夢の中に這入っていきました。
うさぎが地球に来てから見た、1回目の夢は
炎の中に飛び込んだ【月の兎】の頃の夢でした。
フカフカがヂリヂリ!!!と燃える、
うさぎにとって必要不可欠な真実でした。
そして、
2回目の夢の中…。
うさぎにどうしても会いたいひとが訪ねてきました。
直接、室町時代の日本に来るのは気が引けたのでしょう…
夢の中に這入ってくるしか方法がなかったのかもしれません。
なにせ夢を与えるサンタなのですから。
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ー
「うっさぎーー!!」
「ハッ!!!」
今のうさぎは、夢の中で目を覚ましました。
「え!!!!
サッ!サンタ!!!?」
「うぇ〜ぃ!!
サンタじゃよー!」
なんと!
うさぎの憧れ、サンタが目の前に!
夢特有のフワフワした世界に現れました!
サンタは、思ったより背が低く
ウェイウェイしていました。
なんというか…
ノリのいい小さいおじいさんって感じです。
雑誌やMoonTubeで使われている肖像画は、だいぶ盛っているんだなぁと、うさぎは思いました。
だいぶイメージと違いましたが、サンタ本人だということは分かるのです。
彼の前世は、地球で生きた聖ニコラウスです。
人間の頃から貧しい人々を助けた、心の優しい深みのある存在として知られています。
数え切れない程の善行を積んで、サンタクロースとして転生したのです。
その存在は、そこにいるだけで
『あぁそうだ、この人だ』と分かるのです。
現在は、月の近くに自分の工場を築いており
地球の子供たちにプレゼントを届け続けています。
うさぎとかぐやは、何度もサンタ工場にお手伝いに行っていましたが、一度もサンタに会えたことはありませんでした。
「サッ…サンタ……さん!
どうして僕の夢の中に………」
「空から見てたんじゃ!
いろいろと大丈夫かぁ?と思ってなぁ…。
話したくて来たんじゃよ
月の神様に、君たちに会っていいか許可もらいに行っ
てたら遅くなってしまったわぃ!
しっかし
月の神様、相変わらずじゃなー
待ち時間長くてくたびれたわぃ!!」
「…………月の神様は監視するのに忙しいから」
うさぎは夢の中でも、可愛くない顔をして不満げに言いました。
「ぬ?
…いや
あいつはそういうんじゃないのよ?
月の神様は愛情深いんじゃよ」
「………」
うさぎにはよく分かりませんでした。
「………ところでな
おぬし帝釈天のうっさぎじゃろ?」
「 (うっさぎ…?)
………てーしゃくってなに??」
うさぎは、フカフカの首を傾げました。
「【たいしゃくてん】じゃ」
困り顔のうさぎを見て、サンタはハッキリとした大きな声で言いました。
この物語は、読む人それぞれの感じ方があると思っています。
もし何か受け取ったものがあれば、感想を教えてもらえたら嬉しいです。




