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斜め上から見た美しい世界〜間違ったのは誰?正しいタスケル出来たのは誰?  作者: RiderLisa


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14話 ノミからやり直した方がいい

幸せで豊かな【月の中】で暮らす、うさぎとかぐや。


ふたりは、MoonTube〈ムーンチューブ〉で見た


現代も大昔も、不便でコンランする場所【地球】の話に興味津々!


地球の子供たちは、タイヘンでカナシイらしい!


ふたりはサンタみたいにプレゼントを届けたらいいのでは?と思いつきました。


月といえばお饅頭!


うさぎとかぐやは、神様に許可をもらって地球旅行へ出発しました。


ルンルンでタスケルするのです。


タスケテを知らない地球の子供、桃太郎と幼い妹の桃子との出会いで、


うさぎとかぐやは


大切な人を助けるとはどういうことなのか?


自らの過去と向き合い、成長していく。


挿絵(By みてみん)




桃子の金切り声が


家の中


森の中


広い箱のような大地に響き渡りました。



大きく


虚しく


きっと誰にも聴こえません。




桃太郎は、逆さまになって叩かれている妹を、

ただ震えて見ていることしか出来ませんでした。




少し遅れて帰ってきた爺さんは、


暴れる婆さんを見ても普段通りでした。



何も起こっていないかのような


目も耳も口もついていないかのような…


いつもと同じ様子でした。




となり村の人々が噂していた


恐ろしい存在【鬼】とは、


きっとこの二人に違いない。




桃太郎は、どうすることもできず


そこから一歩も動けないお地蔵さんのように、固まってしまったのです。



桃子が聞いたことのない声で泣き続けていても


お地蔵さんのように、


ただそこに在るだけでした。




この世界は


この時間を


ゆっくり


じっくり


進めるのです。




桃太郎は、


目も口も開かない


ただ聴くことしか出来ない、お地蔵さんと同じように


桃子の身を案じているだけでした。




そして


そのあと


とても大切なことが起こったのです。



しかし、


桃太郎は恐怖に震え、すぐに目を開けることはできなかったのです。



ハッキリと状況は分かりませんが、


桃子の泣き声が急に止まりました。



暴れて意味不明なことを叫んでいた婆さんの声も、

ピタッと止んだのです。



桃太郎は目立たないように、

両膝を抱え、顔をくっつけて小さくなっていました。



何があったのか確認するのが恐ろしくて

そのまま目立たないように

じっとその場で物音一つ立てずに

息を殺していたのです。




すると、



『ノミからやり直せ』



と、声がしました。



桃太郎には、よく意味はわかりませんでしたが



それは仏様の声だと分かったのです。




本当にいるんだ!!やっと来てくれたんだ!!


助かった!と、桃太郎は感謝しました。




そして、目を瞑ったまま


彼に話し掛けました。



「桃子は無事ですか?!」



『無事だ』


仏様は言いました。



そして



『もう大丈夫だ、よくがんばったね』



震える桃太郎を安心させるように


小さい、やさしい声でそう言ったのです。





『ここを出て

かぐやとうさぎのところに行きなさい』




「かぐやとうさぎを知っているの?」





『あぁ……知っているよ』




「助けてくれてありがとうございます」





『大丈夫だから気にするな


大切なものの為だ』




と、言いました。





桃太郎は、安心して目を開けました。


仏様は人間では無いのだと知りました。





仏様に言われた通り、


近くの沢まで歩きました。 



お浄めをしなさいと助言をうけたのです。



そこで手や顔を洗いました。



沢の水は、


月の光が反射していて


キラキラ


キラキラ


輝いています。




布を濡らし


桃子の顔や足も拭ってあげました。




妹は何もなかったかのように


ニコッと笑いました。



そういえば、桃太郎が叩かれた後も


桃子はいつもと変わらない様子で、微笑んでいたことを思い出しました。


「自分の時もそうなんだね!」


桃太郎も微笑みました。




薄い布を取り出して


桃子を包みます。




月は、


自由と安心を勝ち取ったことを


祝福するように


キラキラ


キラキラ


更に美しく輝きました。




「桃子


こんな子守唄があるんだよ〜


おんいんどらやそわか〜…


歌いながら歩こう」



桃太郎は、子守唄をボソボソ呟きながら


桃子をギュッとしました。


少しだけ暖かいと感じました。





とても地球らしい


どうしようもない一日でした。

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